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ベンチャー企業の経営管理

平成11年3月24日に開催された東京総研株式会社主催
「第20回 未公開株式研究会 テーマ:ベンチャー企業の経理の仕組み・作り方」
の講演録です。

U-3 資料の管理と売掛金
 売掛金の消し込みというのは結構大変です。たとえば、請求書を出しても、月末に納品して宅急便が着いたのは翌月の1日である場合には、1日に入ってきたものは検収の対象外ですから支払の対象にしませんという形で、購買管理がちゃんとできている会社と取引しますと、請求書の金額通りには払ってくれないものです。そのほか、こちらから納めたものに欠品があったとか、品違いや不良のため返品食らったという場合にも、請求書の金額とずれが生じます。
 ところが、自分の会社の営業マンがルーズで値引きしたのに値引伝票を起こさなかったり、返品受けたのに返品伝票を切らなかったりすると、相手の会社は把握しているため、減らした後の金額でしか振り込みませんが、こちらの会社で値引や返品の伝票が起きていないため、なぜ満額払ってくれないのかというのが見えなくなってしまう。そうなると、とにかく納めたものを1件ずつ消し込んでいって、何が原因だったのかを把握しなくてはいけないわけですが、中小企業でずっと経理をやっていますと、売上伝票切るのは経理だろうという発想で固まっていますから、入金があったら銀行取引管理しているのは経理だから経理が入金の伝票を起こすだろうし、売掛金の回収も経理の仕事だという感じになって全部抱え込んでしまうんです。ところが、返品伝票の切り忘れとか値引の処理漏れは営業が絡まないと絶対にわからないです。
 ということで、企業がそれなりの規模になってきて、自分の手作業では全部がわからなくなってきたら、必ず営業まで巻き込んで入金チェックをするという体制を作らないといけないんですが、伝票が絡んだら全部経理の仕事だということから頭が離れない場合が中小企業にはあります。そして、会社が大きくなってきて、いろいろな部署と協調してデータ処理をしなければならないという規模になっても抱え込んでいるので、売掛の滞留が起きてくる。経理が突っ込まないため、営業のほうでも処理漏れをそのまま放置されてはまずいんだということに気づかない放漫経営のまま放置されるんですね。
 経理のなんたるかを知らない経理マンと、経理にどやされることを知らない営業マンということで、会社の売掛金がどんどん滞留していくという事例があります。
 その意味では、どのようにチェックして伝票を切らなければいけないかという流れをマニュアル化してあげれば、学卒で入った事務スタッフでもアルバイトでもできるはずです。そういうふうに仕事を定型化してあげて、仕組みを作ることが大事なんです。


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