SLと寸又峡の旅 1日目


 SLがと言えばまず始めに頭に浮かぶのは大井川鐵道である。熱心な鉄オタではないが、子供の時の夢は、多くの子供が描くであろう電車の運転手であった。SLには一度は乗ってみたかったので、今回は温泉で有名な寸又峡を絡めて、SLからトロッコ電車に乗り継いで、終点の井川まで行って来た。ちなみに「すんまたきょう」ではなく、「すまたきょう」である。

5月30日

 大井川鉄道は2000年に子会社の大鉄技術を合併し、大井川鐵道に改称したという。大井川本線が金谷駅から千頭駅、南アルプスあぷとラインこと井川線が千頭駅から井川駅までとなっている。SLは全席指定であるため、事前に予約をしておいた。有料駐車場は始発の金谷駅ではなく、次の駅の新金谷駅にある。駅舎は木造で、素朴な田舎の駅を感じさせる。出発時間より早く到着したので、向かいにある「PLAZA LOCO」に立ち寄った。お土産屋とレストランのほかに、SLと客車と共に古い駅舎がが展示されている。ちょっとした博物館だ。時間調整にはもってこいである。むしろ折角来たのだから、時間に余裕を持ってここに立ち寄る事をお勧めしたい。風情ある駅舎
新金谷駅
待ったりした時間を過ごす事が出来る
PLAZA LOCO
 発車の時間が迫ってくると、改札を告げるアナウンスが館内に流れた。館内にいた人達は、ぞろぞろと改札に向かった。団体さんがほとんどである。暫らくホームで待っていると、入線のアナウンスが流れる。黒い物体が煙を上げながらそろそろとホームに入ってくる。勝手に期待しすぎて、自分の中で妄想が膨らんでいたので、思ったほど圧倒されるものは無かったが、ワクワク感に大人ながらに心が弾む。新金谷のホーム
新金谷駅ホーム
モクモク〜
SLの入線
 車内は昔ながらの対面形直角シート。シートがうっすら黒ずんでいる。最近はけむりの少ない炭を使っているそうだが、やはり当然といえば当然だが、トンネル内では窓を開けていると煙が車内に入り込んでくる。想像では車内がモクモクとなり、周りが見渡せないほどと思っていたが、そんなに気になるほどでもなかった。車両にはうっすらと所々が黒くなった洗面所やトイレはあるが、使った形跡は認められない。暫らくすると女性の車掌さんがハーモニカを吹きながら近づいてくる。途中、お客さんとのコミュニケーションをとったり、ハーモニカのリクエストを受け付けていた。折角なので一緒に写真に写ってもらった。そんなこんなで窓の外の自然を眺めたりして、束の間の時間が過ぎていった。SLの車内
車内の様子
使えるの?
すすけた洗面所
 終点の千頭駅に到着すると、撮影大会が始まる。運転席に乗ったり、車両の前に乗ったりと大変な混雑である。平日でさえこんな有様なので、休日となるとどんななんだろう。

 ここから井川に行くにはトロッコ電車に乗り換える。今日は寸又峡に宿泊するので、寸又峡行きのバスに乗り込む。同時に2台のバスが発車し、道中は細いクネクネ道なので、対向車などの情報をお互い無線でやり取りしながら進んでいく。これは自分の車だったらかなり気を使っていただろう。バスで正解。見どころに差し掛かると、スピードを緩めたり一時停止したりして、案内をしてくれるので、終点の寸又峡まで有意義に過ごす事が出来た。終点のバス停の先は車両進入禁止であるため、夢の吊橋までは徒歩でいくことになる。
かなりきつい道路
寸又峡までの道
車両進入禁止
一般車両通行止めゲート
 歩きながら勢いよく息を吸い込むと、緑の香りが鼻に入ってくる。25分ほど歩くと「夢の吊橋」に到着した。自分、高い所が大の苦手である。観覧車なんかでも子供の頃は楽しんで乗る事が出来たのだが、最近では好んで乗るような事はしない。夢の吊橋はパスしようと思っていて、とりあえず写真を撮りに橋のふもとまでは行こうと思った。橋の入口のたたずんでみてもビビってこない。抜き足をさしてみる。いけるのか?もしかしたら渡れるかも・・・。ソロソロと両手を手すりにかざしながら渡ってみた。足元は揺れているが、何とか渡りきる事が出来そうだ。途中では写真を撮る余裕もあった。渡りきると足元がふらつく。足元が揺れていたのでその名残かもしれない。この周辺の川は普段エメラルドグリーンをしているというが、前日の雨のために灰色をしていた。長い長い階段を登り、第二の見どころである飛龍橋を経由し、車両進入禁止ゲートのところまで戻る。ゲートから少し歩いたところにある「美人づくりの湯」で汗を流した後に、今日の宿泊地であるホテルアルプスにチェックインをする。ユラユラ〜
夢の吊橋
飛龍橋
飛龍橋



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