原稿2枚で愚文も昇天

「あー新人記者の蛟くん」
「何でしょうか、説明臭い話し方のデスク」
「キミの書いた記事だがね、何だねこれは」
「はあ、昨日の国会の審議ですが」
「こ、れ、が、か、ね!」

 東京の老舗、「国会議事堂」ではいま日米ガイドラインが人気沸騰中。受付で「民主党案を」と申告するとご登場した管ちゃんは80・75・70のスレンダーボディも悩ましい期待の新鋭。「自自連合じゃ見せないスカッとした対案で、奥の奥までつっこんじゃうわョ」といきなり核心をつく攻撃。いや、マイッタ。それでもしたたかな亀井、小渕のW回転には拙者もたじたじ、管ちゃんも「いやんいやん」と本気で燃え上がるヨガリぶりに愚案も思わず破却。これで大240万枚の予算は安い。

「この書き方はなんなんだ!」
「駄目でしょうか」
「駄目に決まっているだろ!」
「政治記事っていっつも同じで読む気がしないじゃないですか。ハッキリ言ってだれも読んでないっすよ。つまんないもん」
「いきなり嫌なことを言うねキミは」
「やはりここは新風を吹き込んで、読者が思わず読みたくなる紙面作りを…」
「新しすぎる! キミが元風俗ライターだったことは知っているが、その書き方はやめろ!」
「はあ……」
「もういい! キミには明日からスポーツ部のほうに廻ってもらう」

「あー、新人記者の蛟くん」
「何ですか相変わらず同じ切り出しのデスク」
「キミの昨日の阪神巨人戦の記事だがね…」

 大阪は甲子園球場では東京読売巨人軍をノムさんのID戦法で大サービス中。まず入場すると川尻ちゃんが「いらっしゃーい」とご挨拶。先頭の後藤、2番の清水をあっさり切ってとったあと、迎えるは性豪松井。この男は自宅に黄金のスケベ椅子をしつらえ、日夜研究を欠かさないという練習熱心。ソープでも打席でもマグロと化して女の子に任せきりの清原とは人材が違う。初球の内角をいきなり跳ね上げ、川尻ちゃんが思わず声をあげるエクスタシー級のファール。しかし、川尻ちゃんも若いながらお店ではいちばんのテクニシャン。華麗にして妖艶な指遣いであるときは内、あるときは外を攻めたて、松井もつい腰の引ける展開。フィニッシュはくぃっと曲げたスライダーの快感に愚棒も思わず三振。これで小4枚は安い。

「スポーツ記事っていっっっっっつも同じような紙面じゃないですか。私は新風を……」
「もうキミの新風は聞き飽きた! キミには野球は無理だ。女子プロレスの取材に廻ってもらう。好きなように書いていい。勝手にしろ」

 

「蛟くん、キミねえ……」

 若くてピチピチした美形揃いのアルシオン。アクロス福岡で組まれたカードは吉田・二上組対大向・門組といずれ劣らぬセクシー競演。新人の門ちゃんは初々しいファイトで姐さんの吉田ちゃんに挑む。ドロップキック、ジャーマンで責め立て、ロメロスペシャルで股間をご開帳。しかし吉田ちゃんはやはり一枚上。じっくり攻めさせといて逆転、弓矢固めでご開帳のお返し。フィニッシュはバックドロップで門ちゃんの脳天を直撃。これにはたまらず門ちゃんも昇天。

「まずいっすか…」
「まずいだろう…」
「まずいっすか………」
「まずいだろう………」


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