日本人単一起源説の崩壊?

【チャールストン発2日民明通信】アメリカ、ソルトレーク分子進化研究所のジョナサン教授は、アジア人の人種分岐年代の分析結果を1日付の科学雑誌「ファンダメンタル・サイエンティスト」に発表した。これまで日本人としてひとくくりにされていた東京人と大阪人がまったく異なる起源をもつというこの分析結果により、日本人の起源に関する学説が大きく見直される可能性もある。
 ジョナサン教授はアジア人の「信号を守る遺伝子」に注目し、日本の東京、大阪、中国の上海、香港、台湾、タイのバンコク、ベトナムのホーチミン、ハノイ、カンボジアのクアラルンプール、インドのデリー、フィリピンのマニラ、ネパールのカトマンズなど各地道路の歩行者信号で、住民の「赤信号でも渡る割合」を計測した。このデータを用いて各地集団の類似度から人種としての分岐を分析した。
 その結果、日本の東京人のみが「赤信号で待っている確率」が80パーセントを越え、アジアで唯一、「信号を守る遺伝子」を保有していることが明らかになった。日本の大阪人は「赤信号で待っている確率」が30パーセント程度と、他のアジア地域の平均値よりやや高い程度で、東京人よりもベトナムのハノイに近縁であるという結果になった。
 約15万年前、東京人は他のアジア人と分岐して日本列島に発生した。その後東京人は、「信号を守る遺伝子」を独自に進化させた。他のアジア人は約5万年前に各地で適応放散し、その一部が大阪人として日本列島に移住した。――ジョナサン教授はこう推論している。
 ジョナサン教授は、「残念ながらブータンのティンプーには歩行者信号がなかったため、データを入力することができなかった。将来信号ができたら再分析を行いたい」と話している。


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