中華パッドの呪い〜あるいはモバイル放浪 (2015/01/20) 
     
     
2012年に作成した「中華パッド・MOMO9」の中で「中華パッドの「寿命」は一年だとか…そのくらい急激に増殖・高性能化しているのです。だったらあまり考えないで導入して、一年後にまた買い換えてもいいのかもしれません。」などと書きました。その時は本当に毎年買い換える破目になるとは思ってもいませんでした。(上写真:左からMOMO9、MemoPad、Miix2)
そもそも中華パッドを購入したのはオアシスポケットやモバイルギアなどキーボード端末が古くなって使えなくなったので、その代用品にならないかと思ったからです。しかし最初の桃9は性能的にも物理的にもその目的からは遠く、不十分でした。それから私の中華パッド放浪が始まったのです。
     
2012年6月
MOMO9を最初見た時は悪くないと思いました。サイズにしてはちょっと重いなとか額縁部分が大きくてスクリーンサイズは小さ目だな、とか感じてはいましたが他にタブレットを知らなかったので「こんなもんだろう」と納得していたのです。なにせ一万円以下なんだから。
これでネットが出来て動画が見られるんだからいいじゃん?音楽だって聞けるよ」としか思っていなかったのです。ただ、最初の目的である「キーボード端末」としての性能が悪かったのでした。
 
     
 
  鈍重な反応にだんだんイライラするようになり、ファームウェアの入れ替えにトライしました。最初のやつは左のようなトンデモナイ起動画面になりました。「なにマジになってんだよ?」というホラー画面。ギャグにしては笑えない。
現在のものもギャグ的な起動画面でしたが普通のものに変えて使用しています。ネット環境やキーボードの反応は向上しました。しかし専用キーボードカバーと本体との合計重量が重すぎるのは変えられません。
 
本体400gというのは7インチタブレットとしては今では考えられないくらいの重さです。
それに加えて専用キーボード・カバーが重い。右の計量通りの320g。合計720gはモバイルギアMC750gと同じくらいで、キーボードの使いにくさを差し引くととても持ち歩く気になりません。ちゃんとしたキーボードのPanasonic CF-R8のほうがずっとマシです。
 
     
  CF-R8、こうして量ってみると910gしかありません(誤差あり)。画面は大きく電池持ちも悪くなく、出来の良いキーボードでどこでも開いてタイピング可能、マルチタスクでネット参照可能なのですからテキスト作成には無敵です。
中身もwinXPからOpenSUSE、その後「3000円でシリアルナンバー」のWindows8.1を入れたので不自由はますますなくなりました。
     
  
2013年9月03日
ASUSの7インチタブレットMeMO Padを購入(写真左)。厳密に言うとASUSは台湾のメジャーなメーカーなので中華パッドではありません。でも同じ7インチタブレットとして見ると1年経って性能の向上は目を見張るものがあります。
シングルコアから4コア、100gの軽量化、見やすい液晶、SSDもメモリも倍増しています。(もっとも値段も倍増・17,800円)反応のスムーズさは別物か、と思わせました。
 
     
  最初、MeMO Padとエレコムのブルートゥースキーボード(200g)、スタンドとタッチペンのセットで持ち歩くつもりでした。(写真・左が開いたところ、右が閉じたところ)
しかしこのセットの弱点は明らかでした。機動性に欠けるのです。いざテキスト作成しようすると袋を開き、スタンドを組み立て、タブレットを乗せてキーボードをオンにするという手間が必要なのです。しかも平たいテーブルの上でなければそれも不可能です。この非能率性にはたちまち嫌気がさしてしまいました。
     
結局、MeMO Padの兄貴分 Nexus 7用のカバー兼キーボードを購入。そのままでは装着できないので四か所のツメの部分をカッターで削りました。
このキーボードはスタンドを兼ねているので本体を外してそのままスロットに差し込み、使うことが出来ます。iPadのもののように磁石でくっついているわけではないので傾けると外れてしまいますが、一応膝の上に載せてキーボードを打つことが可能です。テーブルの上なら楽勝です。
キーボードの出来もなかなかで、少なくともオアシスポケット並の打鍵感と打ちやすさがあります。
 
     
  重量は200g。MeMO Pad本体と合わせて500g弱です。オアポケが495g、シグマリオンが455gなので昔の「モバイル端末」レベルには達しています。その上で最新のソフトが使えるのですから充分だと言えるかもしれません。
ただ、このブルートゥースキーボードというやつはバッテリ内蔵なのでその分が重くなり、200gを切るものは少ないのです。しかも一々電源を入れ、本体と同期させることが必要で、往々にして認識しないことがあります。単純にUSB接続(点接続)にすれば軽さも一体感も向上するはずです。
     
二代目になったMeMO Padは優秀でした。性能はまずまず、重さやキーボード対応など、物理的にも充分オアポケやモバギを上回るものがありました。しかし使っているうちにその限界にも気づかされました。
まずマルチタスクではないこと。ソフトを使って疑似マルチタスクにしてみても不完全です。ソフトを切り替えながらのテキスト作成やブラウザからのコピペもうまく行きません。ネットしながらテキスト作成が普通になった現在、これは痛い。またWindows用の百科事典が使えないので辞書機能も不十分です。その他、画像や音声処理対応などパソコンのように自由な環境にはなりません。AndroidというOSはしょせん携帯電話(スマートフォン)用であってパソコンのように自由には使えないものなのでした。1〜2万円という価格的な優位性はあるものの、Windowsパソコンに比べるとやはり我慢が必要なグッズなのです。
そこに降って湧いたのがWindowsの無料化です。2014年4月、マイクロソフトが10インチ以下のタブレットにWindows8.1を無償提供すると発表したのです。これを受けて2014年暮れあたりから安いWindows8.1タブレットが発売され始めました。しかしそのスペックを見るとメモリ1ギガ、SSD16ギガというものばかり。価格は1.7万円程度とAndroidタブレット並みの安価ながら、これでは限定的な使い方しか出来ません。
     
2014年12月23日
がっかりしていた私ですが、ここで驚異的なガジェット発見。メモリ2ギガ、SSD64ギガで1.5万円というWindows8.1タブレットがあったのです。それが2013年度発売のレノボMiix2 8でした。発売初頭の定価は4.7万円だったものがWindowsの無料化と一年経過で2.4万円程度に下がり、さらにここからOffice2013を抜いた価格がこれだったのです。
在庫があるうちにと、早速購入した私はラッキーなのか頓馬なのか?・・・そしてレノボは中国製品ではありますが、元がIBMという超メジャーなメーカーの末裔なのでこれも中華パッドとは言えないですね。
 
     
  Windows8.1なら楽ちんだ!と喜んだ私でしたが、意外にてこずりました。無線LANは繋がらない、顔認証ソフトはムラがある、入口で躓いてしまい、なかなか先へ進めません。
どうにか初期設定をクリアして外付けDVDドライブを繋ぎ、各種ソフトをインストールしました。8インチだけど重さは7インチ並み、そして中身は10インチのlatitude10とほぼ同じです。MeMO Padで不満だったバッテリ持続時間も大幅に伸びていてlatitude並み。何よりデスクトップと同じ環境で仕事したり遊んだり出来るのが素晴らしい!
     
当然、キーボードも購入します。これはネットで「相性がよい」と評判だったiPadミニ用のもの。 2600円の最安値だが見たところしっかりしています。Miix2に装着しても違和感なしタッチも悪くない。
MeMO Padとキーボードの呉越同舟?感に比べると一体感は格別。まるで「こんなミニノートあったっけ?」と思うくらいです。
 
     
 
  ま、実際はマック用キーボードとWindowsとの違いでいろいろ不具合があるのです。それも英語用キーボードとの切り替え設定してクリアしました。
一体にしたところを見ると、押さえのタップがスタートボタンを隠している・・・
ま、これもバーチャルマウスを使う事でなんとかクリアしました。
それからグーグルのアカウントを同期したら環境が統一されたのは当然ですが、Microsoftアカウントを同期したら壁紙(西洋の城)まで同じものになってしまったのには驚愕しました。 人のデータどこまで盗んでるんだ?
 
マック用キーボードはネクサス用のよりも20g重い220g。Miix2 8本体はMeMO Padよりも30g重い330g。両方合わせて550gです。
7インチから8インチ、キーボード一体型、Windows8.1ということを考えれば50gの増加くらいなんでもない・・・はずですが、そうは言えないのが辛いところです。オアシスポケットくらいのサイズで理想的なキーボード端末を手に入れた、ということでは満足なのですが、それはつまり、失ったものを取り返したという事に過ぎないのです。
 
     
 
中華パッド三代(厳密には、中華パッド・台湾パッド・中華メジャーパッド)三年間の蓄積は4.3万円の出費という必ずしも安いとはいえない金額での学習機会でした。
しかし想像を超える技術的進歩、意外な展開、結果として時代の変化を手の内で感じられたという貴重な体験であったと思います。これからも劇的な展開が考えられますが、ドキドキしながらそれを見守りたいと思います。そして自分も参加するチャンスを待ちましょう。
     
具体的にはONKYO BXシリーズ(右)のようなウルトラモバイル・マシンの登場を期待します。カバンではなく、本当にポケットに入れておけて、いつでも取り出して使うことのできるパソコン。5〜6インチで重さ400グラム以内のマシンです。
6インチで200g以下のwin8タブレットが2万円以内で出てくれば、それに(ブルートゥースではない)USBの軽量キーボードを組み合わせたい。
いくつかハードルはありますが今なら不可能ではなく、近日中にそういうマシンが生まれそうな予感がしています。
 
     
  現行マシンとしてはviliv N5(左)が存在していますが、あれは見つかっても6万円以上とプレミアムが付くような貴重品になっています。
Atom Z520 (1.33 GHz)・32GB SSD・1G RAMのviliv N5を上回るレベルのマシンを中華パッド価格で提供してほしい。がんばれ、中華パッド!
     
番外ですが15年1月18日、九州の母とのテレビ電話用にと7インチ中華パッド(4代目?)Colorfuly E708を購入しました。1万円強、クアッドコア・メモリ1ギガ・SSD8ギガと普通のもので、特筆すべきはその軽さ。260gです。 これなら6インチで200gは楽勝?