2021.02.16
NHK-BS、朝、司馬遼太郎の『アメリカ素描』の跡を辿った番組を見ている。調べると、僕は1999年に50肩を治療しながら読んでいた。再読してみようかと思った。

・・・アメリカは「法」が先にあって、後から多様な人が入ってきた人工的な国である。「法」は最初にピューリタン達が作った。「最後のマイノリティ」ゲイが政治運動をしているのはアメリカだけである。「法」に訴える事が有効な国だからである。

・・・「咸臨丸」に乗ってアメリカを見聞した少数の人達(勝海舟)の印象がその後の明治維新の思想的旗印(坂本龍馬)となった。

・・・造船を学んだ桝本氏の記録。一私企業が軍艦を作れる。殆どがヨーロッパからの移民であった。

・・・日露戦争は最初から勝負の判定者を想定していた。ルーズベルトである。彼に影響を与えたのが新渡戸稲造の「武士道」であった。それはカーボーイの規範でもあった。ポーツマスを訪問したときの話。小村寿太郎の人物像。。。

・・・ニューヨーク。女性の足元はスニーカー。昼食は街頭でサンドウィッチ。多様な人種。アイリッシュバー。アメリカというシステムは文明を保証するが、文化は与えない。文化はそれぞれの人種が守り育てるしかない。黒人だけは違う。彼等の故郷はアフリカではなく、強制的に連れてこられて働かされた南部である。彼らは更に、ニューヨークに連れてこられた。ハーレムとなった。ハーレムのレストランにおいて、初めて、アメリカの家庭料理を注文できる。

・・・2001.09.11。案内者の鶴見氏が貿易センター後を訪れた。当時、誰もがこぞって献血をしたことを想い出す。「アメリカは結束したが、しかし、外国はアメリカを避けるようになった。」戦争の怖さを知らなかった国。アメリカ的善意の問題。ジョン・ダワーの弁。「アメリカのナショナリズムこそが問題である。日本はアメリカのような国ではない。むしろヨーロッパの国に近い。その伝統を守るべきだろう。」

・・・人種や文化の混合によって次の文明が生まれる。アメリカはそのもっとも最近の実例である。

 
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