2023.03.30
録画してあった『業の花びら』を観た。

・・・宮沢賢治の碑に『雨にも負けず』が刻まれていて、その後の賢治像を決定づけたのであるが、賢治の父親政次郎は『業の花びら』を望んでいたという事があって、その理由を探った番組である。2019年にあった賢治の保阪嘉内に対する恋情の話の続きの感じで、同じ映像が使われていた。

・・・賢治は父親と喧嘩別れして家出し、東京で日蓮宗の団体で活動していたのだが、父親が心配して東京に出かけ、その時関西に旅行していた。伊勢神宮→比叡山→法隆寺という旅である。浄土真宗も法華経も元をただせば同じ仏教である、という事を納得させた。

・・・賢治はその旅行について短歌しか残していないが、今野勉氏はその跡を辿って想像する。その旅の間に父子は和解したのである。賢治は女性を愛することができない(今風に言えば同性愛者?)ので、家を継いでも子孫を残せない。そのことを父親に打ち明けて父親も理解したのではないだろうか?「業」というのは賢治にとってそのことなのではないだろうか?父親はその後日蓮宗に改宗したらしい。また弟には、「業」について「一度犯した罪は永遠に残る」と語っている。そのような思いで父子は繋がっていたということである。

・・・なお、伊勢参りの後、夫婦岩で父親と見た26夜の月は童話『二十六夜』に結実していて、その中で、フクロウのお坊さんが「業」について語っている。

・・・『業の花びら』については、面白い記事を見つけた。

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