個別結果感想　PART1

(1) 近代ミステリの創始者、ポーのミステリ短篇既読結果

• トップに『モルグ街〜』がきているのは妥当と思いますが、その次に『黄金虫』がきているのがちょっと意外。てっきり『盗まれた手紙』だと思っておりました（苦笑）。あと私、この『黄金虫』と『お前が犯人だ』は実は未読だったことに最近気がつきました（爆）。

• 何とリストに入れた５作品全てが、中間点の１５０位より上位でした。書かれた年代を考えれば、短篇でまとめて手にしやすいという利点を考えても、これってかなり凄いことだと思います。
  やはり「最初に書かれたミステリってどんなんだろ？」という興味は、多くの人が持ってるのかもしれませんね。
  また、ひょっとしたらジュヴナイル化されたことがあって、「子供の頃に手にとって読みやすかった」なんてこともあるのかもしれない。いや、ポー短篇がジュブナイル化されたことがあるのかどうかも知らないんですが、何か図書館においてそうじゃないですか（汗）。

• それにしても密室、暗号、意外性、名探偵等々・・・。ポーさん。一人で道を開拓しすぎです（笑）。

(2) 極私的名アンソロジーその１、『世界短篇傑作集』既読結果

• 順位としては３００作品のうち、ちょうど中間あたりにシリーズ全作が位置しています。また、だいたいシリーズの若い順で順位も並んでる（「４」と「５」だけが逆順）ので、チェックされた人の多くは、「１」〜「５」を全て読んではるような気がいたします。
  んでも、それだと「４」と「５」の逆順が結構気になりますが・・・。

• あえて理由を作りあげれば、「４」のほうは他のアンソロジーでも採用されてそうな有名作品が結構あるので、「あ、これ読んでるわ。あれ、これも読んでるがな。なんやほんならこれは買わんと次の「５」を買って読も。」という人がいはったのかもしれない。
  ・・・・・・・・こじつけすぎて３６歳のオヤジの目に涙が浮かびそうです（爆）。

• ３００作の中間に位置してることについては、「海外古典モノに手を出す人が少ない」という私自身の世間一般に対する印象と、「良質な短篇ミステリが集約されている」という、これまた私自身のこのアンソロジーに対する印象とを重ね合わせると、思ったよりも「読まれてる」、「読まれてない」、のどちらにも感じ取れるため、何だか複雑な心境でございます（苦笑）。

(3) 極私的名企画、創元推理文庫『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』シリーズ既読結果

• 『隅の老人〜』が強いです。綾辻行人『十角館の殺人』"効果"なんでしょうか（爆）？
  これと『思考機械〜１』の２作が、全体から頭一つ抜きん出ていますね。『思考機械〜１』のほうは、作品の面白さもさることながら、キャラの特殊性にかなり魅力を感じた人がいるような気がします。
  私も中学生の頃、「思考機械」のフルネームを暗記しようと、幾度となく口ずさんでいましたもん（笑）。

• あとの作品はだいたいなだらかに下っている模様。ひょっとしたらこのあたりは作品そのものが入手しづらい状態になってるんでしょうか？
  だとしたら、そのあたりも既読数が少ない要因のひとつになってるかもしれませんね。
  『ソーンダイク〜』はそのネームバリューから考えると順位が低いような気もするし、かといってこれだけ科学が発展してる中で、作品内容の古めかしさ（これはこれで、私は書かれた当時の技術水準のみを考慮すべきだと思っていますが）は、健闘してると言えなくもないような・・・。

• 『ピーター卿〜』と『アプルビイ〜』は、作家の他の作品が注目を浴びているために結構読まれてるとの考え方は、邪悪すぎますでしょうか（汗）？
  『アブナー伯父〜』がんばれ〜っ！！

• 個人的には私が好きな『マーチン・ヒューイット〜』が最下段に位置していて、とっても悲しいです（泣）。　「レントン館盗難事件」は不朽の名作だぞ〜っ！！　って、これは『世界短篇傑作集　１』のほうに、ぶっこ抜かれてたんでした。あぁ・・・・・（泣）。

(4) 極私的名シリーズ、クィーンのロス名義『〜の悲劇』シリーズ既読結果

• 大昔、ベスト・ミステリ企画をすれば必ずといっていいほど第一位の座を占めていた『Ｙの悲劇』。
  今回でもベスト１０入りして、その強さは「まだまだ衰えず」といったところです。

• そのすぐ後ろに第一作目の『Ｘの悲劇』が位置しています。昔、この作品を読み終えたあと、ヴァン・ダインの二十則のうち、納得できるもののひとつに抵触するように思われて、何だか釈然としなかったのを覚えています。今から思えばとても若かったんだなぁ・・・（汗）。
  『Ｙ〜』に肉薄しているのも頷ける傑作ミステリですね。

• 雲行きが怪しくなるのはここから（苦笑）。
  『Ｚの悲劇』は、私自身もサスペンス部分しか覚えていないので、「本格」としては、あまり良い印象がありません。
  でも、『Ｚ〜』を読んで「面白くなかったので次作は読まなかった」というなら判るんですが、『Ｚ〜』は評判のいい『Ｙ〜』の次作なんですよね。だから、既読数に限って言えば『Ｙ〜』とそんなに変わらないはずなんですけど、ここで開きがでてきてます。
  これはやっぱり『Ｚ〜』の良くない評判を聞いて、それを信じて読んでいないって人が１００人近くいてはるってことなんでしょうか？

• 『レーン最後の事件』はそのとばっちりを受けてしまってるんでしょうか？
  『Ｚ〜』でこのシリーズから離れたために未読の人もいるだろうし、これもあまり良い評判は聞いたことがありません。　※横溝正史はあまり良い印象を持ってなかったもよう
  でも私はこの作品のどこがダメなのかさっぱり判りません。ネタも仕掛けも大好きです。ですから、もし『Ｚ〜』のせいでこのシリーズを離れてしまった方は、騙されたと思って、もう一度手にとられてみるのはいかがでしょうか（爆）。

• それでも全体の順位は全部１００位以内ですから、それだけでも大したものかも（笑）？

(5) 極私的三大ミステリ作家の好き好き作品既読結果

• 最上位の作品と２、３番手の作品との間にえらく差がついてしまいました。

• これはジュヴナイル化されてる・されてないの違いがあるかもしれないし、そもそも比較する作品がまずいような気もしますが、まぁ極私的なので勘弁してください（苦笑）。

• ひとつ言えることは、クィーン・ディクスン（カー）の両作とも、クリスティ『オリエント〜』に勝るとも劣らない、本格ミステリの傑作だと私は信じているということです。

(6) コメディ・ミステリ代表作　ケンリック VS ウェストレイク　既読結果

• わずかに『スカイ・ジャック』が『ホット・ロック』を上回っています。
  ケンリックの勝ち。おめでとうございます〜！！　　ドンドンパンパンパン〜♪♪♪

• んでも両方とも既読数少ないなぁ・・・・（ぼそっ）。　ぐっすん！！
  不景気なこの世の中、この２つのミステリで腹の底から大笑いするのも一つの手かもしれませんよ（笑）。

(7) 海外ハードボイルド代表作家　既読結果

• これまたチャンドラーの一人勝ちみたいなもんですねぇ〜。まぁハメットとロス・マクについては、『マルタの鷹』と『さむけ』を選んでいたら、こんなに差は広がらなかったかもしれません。
  ただ、チャンドラーにはもう一つ、『長いお別れ』という強力なタマがあるので油断は出来ないんですけどね（苦笑）。

• どれも面白く読めたんですが、あえて私なりの面白かった順番をつけるとしたら、
  
  　　『血の収穫』≒『ミス〜』＞＞『さらば〜』＞『縞模様〜』
  
  でしょうか。『ミス〜』は大傑作だと思っています（笑）。
  ハメットとチェイスは「渇き加減」がちょっとだけ似てると思いませんか（笑）？

(8) 海外冒険ミステリ　マクリーン VS ヒギンズ　既読結果

• 少しの差をつけて鷲がユリシーズ号を撃沈しちゃいました。これ以上、ユリシーズ号をいじめないでおくれよ〜（爆）！！

• 自分が狭い範囲しかまわっていないせいもあるんでしょうが、どうもネット・ミステリ界には「本格」系が好きな方が多いように思われます。
  ですので、このジャンルはまず既読数が少ないだろうなぁ〜と思っていたら予想通りだったので、嬉しいやら悲しいやら。

• ともに「騎士道精神」を迫力ある筆致で描ききった名作。詐欺師もしくは識者から見れば、「バカな奴ら」と一蹴されそうな物語ですが、これはこれでやっぱり憧れる「愚直なまでに誠実でいさぎよい世界」だと思います。

(9) 海外国内　コンゲーム対決　既読結果

• 僅差だろうと思っていたのが当ったのは嬉しいんですが、順番が逆でした（苦笑）。結構、読まれてるなぁという印象をうけました。

• 『紳士同盟』の内容は既に忘却の彼方なんですが、『百万ドル〜』のほうは比較的最近に読んでるので、まだ何とか覚えています。こんなにハートウォーミングだとは思ってもみませんでした。
  また、活躍するだろうと私が勝手に勘違いしていたキャラが、序盤で消えてしまったことに驚いたのも覚えています（汗）。

• コン・ゲーム小説はそんなに読んでいないので、他にこのジャンルの作品があれば、一度読んでみたいと思っています。
  　※コン・ゲーム小説ととらえずに読了してしまった作品はあるかもしれない（爆）。

　(10) 極私的隠れた（？）海外名作　既読結果

• 最後に、下位に位置する作品で、これは「本格」系を好む人たちにも楽しんでいただけるんじゃないかと、勝手に私が思った作品（海外）をピックアップしてみました。ちなみに全て私が掲示板でお勧めしたことのある作品ばかりです（笑）。
  もしも興味をもたれた方がいらっしゃいましたら、新・古、両本屋さんに行った際には、一度手にとっていただければ望外の幸せです〜。

• 特にブロックの『泥棒は抽象画を描く』はメモとエンピツが必須かも（笑）？

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