ART BEARS
~
Dagmar Krause

THE WORK
~
Tim Hodgkinson

NEWS FROM BABEL
~
Lindsay Cooper

 ヘンリー・カウの末期にクリス・カトラーとフレッド・フリスはダグマー・クラウゼの歌を重視したアルバムを制作するが、ヘンリー・カウとは音楽性が異なるためアート・ベアーズとして「Hopes & Fears」を78年にリリースする。翌79年には早くも2枚目「Winter Songs」をリリース。余分な音を排除した直接的な音にクリス・カトラーの詩人としての才能が遺憾なく発揮されロック史に残る大傑作となった。そして80年に3枚目「The World As It Is Today」をリリースし、ART BEARS としては一応幕を閉じた形となった。
 その後ダグマー・クラウゼはNEWS FROM BABELやクリス・カトラーのユニットにゲスト参加をしながらもART BEARS でもとりあげていたブレヒト/アイスラーやクルト・ヴァイルの曲を集めたアルバムを2枚発表しています。95年からはハイナー・ゲベルスやカトラーのグループにも参加していたマリー・ゴヤッティとユニットを組んでサンプリングをメインにしたユニークな音楽で活動を始める。
 ティム・ホジキンソンはヘンリー・カウ解散後ソロ活動をしながら80年にTHE WORKを結成します。テクニックを極力排除しほとんど演奏経験のない新人を集めパワーに満ちた音楽をねらいますが、曲は変拍子だらけの凝りまくったもので82年に「Slow Crimes」を発表し、その後メンバーを変え6月にはクリス・カトラーと共に来日もしたが間もなく解散。しかし89年突然オリジナル・メンバーで再結成され91年「Rubber Cage」を、続いて92年に「SEE」をリリースする。その後はまたソロとして活動中のようだ。
 一方リンゼイ・クーパーもソロ活動をしながら、83年にクリス・カトラーとダグマー・クラウゼにジーナ・パーキンスを加えNEWS FROM BABELを結成します。カトラーとダグマーの参加でART BEARSに近い音楽だが楽器編成にギターやベースが無くより現代音楽色の強い演奏となり、84年「News From Babel」をリリース。86年にはゲストにロバート・ワイアットも参加し「Lettes Home」をリリースするが、その後自然消滅した模様。現在はソロなどで活躍中。

ART BEARS「Hopes and Fears」

当初ヘンリーカウの新作として録音作業が始まったが、最終的にアート・ベアーズの1作目となった。一曲目にブレヒト/アイスラーの作品も取り上げているが、クリス・カトラーの詩人としての才能が開花した作品といわれている。
[1978 ReR]

ART BEARS「Winter Songs」

アート・ベアーズの2作目。言わずと知れた?ロック史にその名を残す大名盤! 簡素化された楽曲に歌、詩どれもが刺激的でパワーに満ち溢れています。とにかく聞きましょう。
[1979 ReR]

ART BEARS「The World As It IS Today」

アート・ベアーズとしての3作目にして最終作。12日間で仕上げられたそうだが、今まで以上に凝った録音作業が試みられているようだ。CDは前作「Winter Songs」とカップリングで出ています。
[1980 ReR]

Dagmer Krause・Harold Schellinx・Ronald Heiloo
「COMMUTERS」

1982年に発表されたコミューターズ名義唯一のミニ・アルバム。アート・ベアーズ〜ブレヒト作品集へと流れる橋渡となっているような作品集。シンプルだけどダグマーの唄は変わらずすばらしいです。
[1982 La Cooka Ratcha/Voiceprint/2000]

DAGMAR KRAUSE「SUPPLY & DEMAND」

ブレヒト/ヴァイル&アイスラーの作品に挑戦した1枚目。おなじみの曲をダグマーの力強く感情豊かな歌で聞き手に説得力を持って迫ってくるすばらしい作品集!
[1986/Hannibal Records]

DAGMAR KRAUSE「tank battles」

同じくハンス・アイスラーの作品を集めた作品。ドイツの歌姫は現在最高のヴァイル・アイスラー歌いか!

[1988/Voiceprint]

Dagmer Krause & Marie Goyette
「a scientific dream and french kiss」

マーラーやラベルにラフマニノフやバッハにはてはアイスラーやピーター・トーマスなどの音楽をサンプリング再構築し歌詞を乗せたユニークな音楽だが聞き易く面白いです。
[1998/RESURGENCE]

THE WORK「SLOW CRIMES」

テクニックを排したというけど、とてもそうは思えない凝りまくった楽曲を想像力とパワーで演奏する。アート・ベアーズやカシーバーにも通じるアグレッシヴなサウンドはパンクでPOP?
[1982/Recommended Records Japan]

THE WORK「RUBBER CAGE」

89年突然オリジナル・メンバーで再結成されたザ・ワーク!通算3枚目。明らかに演奏も上達し、さらにアヴァンギャルドで変態的ポップ・サウンドに。
[1991/AYAA,InPolySons and Woof Records]

THE WORK「SEE」

再結成第2弾。やりたい放題の感も強いが、再びパンク的なアグレッシヴな音で迫ります。

[1992/DISCMEDI & NOVA ERA]

Tim Hodgkinson「each in our own thoughts」

ダグマー・クラウゼやクリス・カトラーも参加し、ヘンリー・カウ時代に作った曲など新旧バラエティに富んだ比較的ロック色の強いアルバム。
[1994/Megaphone Records]

NEWS FROM BABEL「Sirens and Silences / Letters Home」

2枚のアルバムとシングルからなるコンプリートCD。アート・ベアーズに近い音だが、編成がかなりユニーク。ハープのジーナ・パーキンスとか2枚目にはロバート・ワイアットも参加し聴き応えあり楽しめます。
[1984/86/ReR NfBCD]

LINDSAY COOPER「RAGS / THE GOLDDIGGERS」

79年頃からソロ活動をしているリンゼイ・クーパーの80年代に書かれた2本の映画の為のサントラ?
RAGSにはフレッド・フリスやクリス・カトラーも参加、唄物も多く聞き易いかな?もうひとつにはロル・コックスヒルなども参加してます。
[1980/1991/ReR LCD]

[ SLAPP HAPPY | HENRY COW | Fred Frith | Chris Cutler ]

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