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怪しげな?自治会から電話

なにしろ急な話。とにかくあちこちから掻き集めた現金とひきかえに、登記も無事に済んで、念願の土地が僕らのものになった。後は2000年の竣工を目指してゆっくりとログハウスのプランを練っていけばいい。夢、一歩現実に近づいてルンルンのある日、へんな電話が入った。

「このたび那須塩原に土地を購入されましたね。それについてお話をしたい件があるので、都合の良い日に伺いたいのですが。自治会の代行をしている会社のものです。」自治会?何だそれは?不動産屋からはなにもきいてないぞ。事情が飲み込めないまま、つぎの日曜日に会う約束をした。そして、日曜日その自治会代行会社のオヤジはやってきた。


昭和30年代の開発で、投機の対象になった土地なので、当時開発に携わっていた会社はとうの昔に倒産してしまい、今では数社の不動産会社が入り乱れて、それぞれがかってに販売をしているらしい。地権者もばらばらで連絡のとれない人も多いらしい。
そこで、結成されたのが『SB自然郷自治会』だという。
たしかに別荘地の奥に入ると、ロータリーだったような場所や、朽ち果てた街灯などがある。そして僕らの土地の近くには廃屋が、そのうち取り壊すらしいがちょっと無気味。

『SB自然郷自治会』というのも、実体があるのかないのかそうとう怪しい。そのオヤジが持ってきた自治会便りも日付けが、平成8年11月だ。どうやら別荘地を売り出しているS産業が便宜的に結成したようだ。自治会の住所が、S産業の関連会社の温泉供給会社と同じなのだ。

「土地をお求めになられたので『SB自然郷自治会』に加入していただかなければなりません。」「だから自治会費を払ってもらわなければならない」「自治会の決まりだから水道を引ひいてほしい。」などなど、寝耳に水の話がぼろぼろと出てきた。

「自治会費は払うけど、住むのはまだ先、今すぐ水道付けてもしょうがないでしょう。」
「いえ、きまりですからすぐに引いてください。」水道権利金はなんと70万円。「でも、土地買ったばかりで金ないよ」「でもきまりですから、なんとか」「そんな〜」と思いつつも弱気の僕は断わりきれない。けっきょく月々5万円の分割にしてもらって決着。やられた〜不動産屋からそんな話聞いてなかったものな〜。それにしても月5万円は痛い!

その後確認したが、自治会は一応機能しているようだ。土地の下草も刈ってあったし、水道もちゃんと引いてあった。とりあえずひと安心。

温泉引きませんか280万円です!

水道問題も片付いたのもつかのま、温泉勧誘の電話が入った。「那須塩原に土地を購入されたそうですね。あそこは良い温泉が引けますよ。いかがですか?」「今なら280万円で10年間の温泉権がかえますよ。しかし来年になったら300万円に値上がりする予定です。今がチャンス!」「ログハウスを建てるのは数年先だから」とことわると、「その頃には売れてしまいますよ」。電話は妻がとったが最初は下手に出ていたがだんだんと脅し文句になってきてとても不愉快になったという。

たしかに温泉は魅力だが、そんな強引な営業の話を聞いてちょっとはらがたってきたぞ。そういえば、土地を登記したすぐ後に、僕の会社の方に、くだんのS産業から何度か電話がかかってきていた。いつも外出していたので自宅に切り替えたに違いない。ばかやろ〜温泉なんか引くかい!ここは那須でも塩原でもどこの温泉でもすぐ入れるんでぃ!おととい来やがれっ!

とはいうものの温泉が引けたら良いだろうな〜すぐ近くに建築中のところでは露天風呂を作っていたし、ご近所のY氏も最高だってはしゃいでいたしな〜。くそったれ営業マンはともかくお金の余裕があったら欲しい!と思う今日このごろです。

牧場が近いということは

緑の丘陵で牧草を食べる牛の群れ。遠くから眺める分には文字どおり牧歌的で良いが、実は臭い。牛の匂いである。さらに強烈なのは、牛の餌になる牧草やとうもろこしを育てる肥料として、牛の尿を使うのだ。場所によってはかなり匂いが気になるという。那須あたりではどこにいってもこの芳しいかおりがする。もちろん風向きによってだが。

幸いなことに、わが土地は雑木林の中に引っ込んでいるのと、山から吹き下ろす風のせいだろうか、何度か現地にいったが、特に匂いは気にならなかった。

妻いわく、「人工的な匂いならいやだけど、自然の匂いだから平気、そのうちなれるよ」と、スペイン在住のナカタ@スペインさんもおなじことをいっていた。女性は偉い!

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