■ 再審請求に関する救済お願い書 (14) もどる

(四)

さてそのような中における私の健康問題の件ですが、これは先に外の代表者を通じまして詳しく申し上げております通り、29年に亘る不健康な環境に加えまして、精神的、年齢的なハンディ等も重なりまして、現在は現状を維持するのが精一ぱいという有り様で、今後は現状より悪化する可能性こそあれ、良転する可能性など1パーセントもないという悲観的な状況下にあります。

そのような訳で、以前永野先生、島田先生、内田先生等を煩わしまして、何回か御面会も頂き、また所側とも交渉を重ねて頂いたことがあります。奔馬性の激症頭痛が、今度また何時どのような形で発症するかも分からない現況下では、タイマーのセット時刻の分からない時限爆弾を抱かされているようで誠に心細いものがあります。

幸い只今のところは、比較的安定をした形で小康を保っておりますものの、それらはそれでまた、今度は何時それが突発するものやら、また今度そうした症状が起きたら、果たして現在の体調でそれを耐え切ることが出来るのであろうかなどと、次から次へと疑心暗鬼がエスカレートしていくのもまた、こうした中の住人としての、人情の然からしむるところではあるまいかと、自己弁護をしている次第です。

何卒それらの事情よくよく御推察の上、温かく御救済の手を差し伸べて下さいますよう、衷心よりお願い申し上げます。

実は五月の上旬に書き始めたのですが、途中一寸血圧が高くなりまして、数日間自房で寝かせて頂いたり、老人性白内障のため、殆ど手探り状態で書き進めておりますような次第ですので、多分にお読み難いことと存じますが、それらの点も併せて、御寛容のほど宜しくお願い申し上げます。

末尾ながら御会の益々の隆昌御発展のほど心からお祈り申し上げます。

     東京拘置所 冨山常喜


もどる 前へ