デデ: オーケストラ・シンポシオンてのはつい最近できたグループかと思っていたんですが・・・
CoCo: プログラムには1995年結成と書いてあるから、もう10年近くやってるんですニャ。今回、自由学園でやるっていうんで聞いてみたけど、なかなかやるじゃない。
ブチッケ: うん、かなりのものでございますニャ。え〜とチェロの諸岡範澄というのが、たぶん親分格で、楽器を弾きながら指揮もする。コンマスが宮様(桐山建志)。チェロ以外は全員立ったままの演奏で、出番の少ない管楽器などは暇でしょうニャー。
ガンバ: そりゃ、座っていても同じでしょ。ただ、まあ仕方ないんでしょうけど、いつもど真ん中にチェロが座っていると、チェロコンチェルトやっているみたいな感じよね。でもこのオケは全員、音楽をやっているのが楽しくてしょうがないって雰囲気で、なかなか楽しかったわ。
ブチッケ: そうですニャ。ところで今日は1月29日。298年前の本日、アマデウス・センセがお生まれになった日というわけで、きっとそれにちなんだ曲目なんざんしょうニャ。冒頭のヘ長調の曲は真贋のはっきりしないものだそうですが・・・
ガンバ: たぶんモーツァルトじゃないね。スタイルは似ているけど、「らしさ」がないというのか。真作だとしても、いつ頃書いたと考えたらいいのか。管楽器が独立して動くのは年が行ってからだと思うけど、その割には才気が感じられない。
デデ: ですニャー。演奏は最初ちょっと弦とホルンが不安定なところもありましたけど、尻上がりに調子が出てきて、楽しかったと思いますが。
CoCo: うん。次のクリスチャン・バッハの協奏交響曲は面白かったニャー。オーボエやホルンも大活躍して、なかなかレベルの高い演奏だったんじゃない。
ガンバ: シンフォニーでも同じだけど、やっぱりモダンのオケとはバランスが全然違うのよね。弦の厚みが違うし、相対的に管の重みも違う。ともすれば散漫になりかねないけど、このアンバランスのバランスがぴたっと合ったときに、ものすごく楽しい音楽になるんじゃないかな。出るところは出る、引くところは引く。思い切りの良さが必要で、ホルンやオーボエはずいぶん健闘していたと思うよ。
デデ: シャンパンの泡が湧いてくるように、あちこちから音楽が湧いて出てくる、そんな楽しさですニャー。コンチェルトですから、ソロとトゥッティの対比も面白いし、独奏者同士の丁々発止の仕掛け合いもスリリングでした。
後半はまずディッタースドルフの交響曲から。この曲はドイツ、イタリア、イギリス、フランス、トルコなんかのスタイルを模倣した楽章が並んでいるんですが・・・
ブチッケ: 駄作!
デデ: まあ、そうですニャ。繰り返して何度も聞きたいといった曲じゃありませんです。ウィーンから見たヨーロッパ各国のパロディーというんでしょうか。思わず笑い出してしまいそうな誇張もあって、面白いのは確かですが。
CoCo: 最後の変ロ長調のシンフォニーはよかったな。番号で言うと33番だけど、ザルツブルクの初稿ということで、プログラムではメヌエット抜きで演奏してたね。これも管楽器が大活躍する曲だけど、いやあ、ホルン、オーボエ、ファゴット、みごとでした。
ガンバ: うんうん。よかったニャー。フィナーレのホルンの三連音符。小気味よく決まって迫力も満点だったし、オーボエのソロもメリハリが利いて気持ちよかったのよぉ。
デデ: はいはいはい。でもバロックと違って古典派の曲になると、どうもこの明日館のドライな響きはイマイチいただけませんニャー。もうちょっと弦楽器が柔らかく響くホールで聞いてみたいものです。