神奈川月記9801

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前月の引きで「さらばWintel」なんて恰好つけて書いてて,メインボウドのパケイジ写真を見たらPCIセットチップがintelでやんの。現物は違うみたいだからまぁ良いけどさ。
OS/2やK6を使うことでMicrosoft・intel連合から離れるのはおれの快楽原則に沿うのであるが,OS/2アプリの多くをOS/2の開発元たるIBMが供給しておりK6はどこまで行ってもintel互換でしかない。MS-intelに牛耳られるのとIBM-intel擬きに縛られるのとどこが違うのかといった思いがなくはない。IBMだってつい最近までホストコンピュータによる世界征服を夢見ていたのである。司法省とやり合った大先輩なのだ。
それでもMSの汚い手で弄られるよりはIBMの亀甲縛りのほうが──年を経て丸くなったからと言うのじゃないが──マシだろう。十二分に強力でも(わざと?)抜けてる所があるし。
では将来MSも更正するかと言うとこちらは甚だ疑問,多分「オーバーロード」になりたいんだろうけど,21世紀初頭には消滅ないし無力化しているような気がしてならない。近未来映画にIBMやMac・UNIXがちょいちょい顔を出すのに比してMSの居ないのは象徴的である。
Win3.1以降つぎつぎと繰り出してくるMSの製品は,高出力かもしれないがブレーキとフレイムの貧弱なスポーツカーを思わせる。もち環境汚染無視・ハイビーム・スパイクタイヤ搭載,インタネットハイウェイを逆走だ。事故ったら吸着合金なしに生水素ガスを抱えていたかのような大爆発。むちゃくちゃである。NetscapeSun付き合ってこれ以上品質を落とさぬよう祈るばかりだ。
それにしても不思議なのはMac人気である。アーティスティクな仕事人が代替の利かないMacアプリを遣うからMacを買うというのは解るんだけどね。ある意味MSより酷いApple商売を一般ユーザやソフトハウスが熱心に支持している図はOS/2ユーザとして,うう羨ましいぞ。
でもいくらおれがOS/2に肩入れしてると言ったって,いよいよおしまい・ダメ・開発中止ということになって「終〜了〜! ピリピリピリーッ」とホイッスルが鳴れば──IBMの倒産以外にこれは考えられないけれど──次の日にもPC UNIXやNTや95やBTRONやNeXTに鞍替えできるのである。最悪でもハードは無駄にならない。Macだとこうは行かないのが辛い所だ。


マシンは恐らく町内一はやくなった。が,モデムは前時代的な14.4Kbpsのままである。
次はISDNを引くのが定石でも,NTTに対する猜疑と対費用効果を慮ると──ウチでは電話回線を使っていない時間のほうが圧倒的に長いのである──躊躇する。ってナニ,手続きが面倒くさいだけである。
今のモデムを買ってから,わっもう4年ちかくになる。33Kbpsのが珍しくなくなった頃に交換を考えないではなかったに,メインBBSのasahi-netが対応しなかったんで見送った。56Kbpsは規格が割れたこともあってなお期待していなかったんだけど,今度はやるんだと。どういう衝動がasahiを支配しておるか。
ともあれ14Kと56K程の差があれば四の五の言わずに交換できる。やってみよう。
K56flexのほうである。世の大勢に迎合してるかな。おれとしてはIBMのネットがX2だから──言うまでもなくOS/2との親和度を気にしている──そっちのが気休めにはなったろう。
でもモデム如きにOSは関係ないはずだ。シリアルポートをサポウトしないOSは無い。現用機が外付けだから今度は内蔵にしようっと。メインボウドのコネクタを潰さなくて電源を別に採らないで済む。イカ足配線がタコ足配線に軽減されて助かるのだった。
甘木がAptivaの内蔵モデムが壊れたと言うから,これの交換に付き合うふりをして自分のを物色する。自室にLANを張りたい都合からオールインワンのトップセラMN128-SOHOも横目で見,やっぱり高いので諦めた。まぁLANカードとハブとルータとなんてバラで行ってたら結局たかく付くもんだけどね──だからトップセラなんだってば──MN128だとどうしてもDSU内蔵ということになり──何故だ──ISDN入れなしゃーないということになり──DSUなしのにしろ──この頁おわりということになる。
とどのつまりはMicrotechのCyberSPEED56に落ち着いた。由緒正しいRockwellのチップで,つーかたまたまそれしかK56の内蔵モデムが無かったん。一応ITU統一規格を睨んだ製品みたいだし。甘木はX2のを買っていた。
ウチに帰って初めてシャーシを開ける。あっISAスロットがふたつしかない。ひとつはサウンドボウドが刺さり,もうひとつはすぐ隣のPCIスロットに収まるビデオボウドが被さってデッドストックになっている。うぬ,とビデオボウドを引っ越しさせてSPEED56を入れてみた。すればPCIスロットに被ってそこが使用不可になる。ははあ,よく諸元表に「PCI/ISAスロット×1」と書いてあるのはこういうことだったのかー。今ごろ気付くな。
リブートしてダイアラをCOM3にしてっと。んー,何も起きん。ハードウェアマネジャを覗いてみるに,シリアルポウトはメインボウドのCOM1・COM2しか載っていない。あれっ,内蔵モデムって繋いだら勝手にCOM3とCOM4になる物じゃないの?
OS/2のシリアル ポウトはcom.sysというドライヴァが制御している。オンラインヘルプを紐解いてばらばらにしてみたら,COM3/4はIRQとメモリアドレスを明示的に宣言しろとあった。通常ISAバスではCOM1とCOM3・COM2とCOM4がそれぞれ同じIRQとメモリアドレスをデフォルトで持つ。COM1/3でIRQ4・アドレス03F8,COM2/4がIRQ3・02F8というのが多い。OS/2はIRQの共有を許さないから,COM3や4を遣うときに空きのIRQ及びアドレスをパラメタで与えねばならないのだった。ふーん。
一方CyberSPEEDのデフォルトはCOM4のIRQ3らしい。これだとCOM2のIRQ3とぶつかるのでCOM2のIRQを変えるかSPEED56のCOM乃至IRQを違えるか,とにかく衝突をなくす必要がある。SPEED56の付属ドライヴァには例によってOS/2版がなく,com.sysだけで何とかしないといけないようだ。
しようがない,BIOS設定のユティリティからCOM2をdisableして資源を空けることにした。何だい,素直に外付けのモデム買っときゃ良かったなあ。
リブートしてダイアラをCOM4にしてっと。んー,何も起きん。ハードウェア マネジャを覗いてみるに,シリアルポウトはメインボウドのCOM1・COM4しか載っていない。あれっ,モデムのATコマンドは発行されるみたいだが,電話番号が送出されないぞ。だんまりのままタイムアウトで切れてしまう。
うーん。こいつぁちょっとお手上げ状態。こりゃ参ったねえ。

1998年1月25日


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オーバーロード
 地球に幼年期の終わったことを知らしめた異星人。地球人を徹底管理する。A.C.Clarkeの小説に登場。

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顔を出す
 スポンサである場合の多いのは承知であるぞ。

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付き合って
 遂にネスケを無料配布,しかもソースを公開するそうである(98/1/25記)。しかし前身のMosaicもそうだった筈で,一般人が評価するのはIEに勝るとも劣らない機能があってタダという点だけである。

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ITU統一規格
 怪しいなあ。できるのか?

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紐解いてばらばらに
 春風亭小朝のクスグリ。

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BIOS設定のユティリティ
 PCの電源を入れてOSが立ち上がる前に"PRESS [F2]"とか"ENTER [SPACE]"とか画面に出てて,押すのがちょっと怖いあれである。おれのメインボウドの場合[Del]キイを叩くことになっている。

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written by nii. n
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