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神奈川月記9708

いろいろと欲しい物とて数あれど,轍鮒の急を告げるほどのこともない。ちょっと列挙してみよう(いま思いついた順)。

  1. MDデッキ(MD-10, TEAC) 95k円
  2. レーザ プリンタ(LaserJet 6L, Hewlett-Packerd) 69k円
  3. ワイヤレス キイボウド/マウス 10k円くらい
  4. ノウトPC(i486DX4程度) 60k円目標
  5. 学習型リモコン(エアコンでも何でも手持ちの赤外線パルスを憶えてくれる奴, Victor?) 20k円
  6. TA(DSU内蔵ISDNルータ(MN128-SOHO/DSU), B.U.G) 70k円?
  7. TEPRAのPROよりひとつ落ちる奴, KING JIM 9k円
  8. バスタオル

くだらなくなって来た。
どれも半年先で充分まにあう。何でえ夏のボーナス遣い道がねえなあ,ええおい。などとBIGな気分で唄っていたら天罰覿面。毎年吉例となりつつあったVCRの故障であるが──吉例かい──つつがなく今年も壊れた。くそー。
TBSの月一番組「落語特選会」で小三治が『千両蜜柑』をやるのを居留守録画する。居留守を遣うのは深夜番組であるためで,おれのほうは徹夜で白河夜船を漕いでいるわけだ。もうお肌の曲がり角を(ちょっと)過ぎてるからなあ,寝ないとしんどいよ。
翌日編集をするのに送り出し側と受け側とそれぞれVCRの頭出しをしておいて,さぁダビングスタートという段になって同期編集(甲VCRの操作で乙VCRの録再/停止を制御できる)スイッチの莫迦になっていることが判明した。タイ米粒ほどのボタンが陥没したうえ中に脱落しかかって,ボタン裏の正味の接点を開閉できなくなっている。あれっ,さっきまでちゃんと動いてたぜ。指の押す角度をどんなに微妙に変えてみても通じない。何だかなあ,どうせならひと仕事おえてから壊れろよ。
いつものソニー横浜SSへ。ついでにヘッドフォンヴォリウムにガリの来ているカセットデッキも持ち込むことにした。単車のリアキャリアにビデオデッキ(EDV-7000)を括りつけ,カセットデッキ(TC-K555ES)はデイパックに押し込んでのダブルエントリである。
おれ,浪費家に見えてけっこう物持ち良いのよ。このたびドック入りのビデオとカセットはそれぞれ9年・14年の運転歴だもんね。555なんざセレクタにTYPE IIIを持っている。フェリクロームのテイプったってもはや誰も知るまいが。
修理費の上限を訊くからカセット1万・ビデオ2万としておいた。修理見積がこれを越えるようなら,結構カネ掛かるけど直して良いかと伺いを立ててくれる。おれはどうせ昼間ウチに居ないので連絡はFAXにしてもらった。なに,どうせ何も来やしないのだ。
ところが2日後カセットのほうで1万7000円になるとの連絡が来た。何だとぅ,んな莫迦な。ヘッドフォン出力のヴォリウムだぜ,500円もしないだろ。見積明細を見れば症状の欄に「音量レベルをいじるとガリガリ音がする(原文半角カナ)」とある。ははん,メインの録音ヴォリウムと勘違いしたか。それなら1万円するかもしれないな。だけど部品に「ヘッド(原文半角カナ)」が挙がっているのはどういう訳だ。
翌日おり返し電話を入れて,具合の悪いのはヘッドフォンのヴォリウムだよんと念押しをした。すれば,それはそうなんだけどヘッドもイカれて(磨耗して)いるから交換すべきであるとのエンジニアの主張があったらしい。こんなヘッドではまともな音がしないと言う。え,そ・そうなん。そんなヘッドで録音してて異常と判定しなかったおれの耳の立場は一体。
今更カセットにあんまり出費したくなかったんだけどなあ,でもまぁ頭わいとんなら交換してもらうか。OKを出して完了を待つ。と,またFAXがブブブブブと──その場に居たわけじゃあないけど──悪い知らせを吐き出した。わあっ。
今度はビデオである。なにぃ,同期編集スイッチの交換パーツがとっくに供給停止でもう手に入らないから修理できないだと。これには本当に凹んだ。最終通告ではないか。この世に神も仏も無いものか。無いのだが。
ビデオデッキなどの製造終了後部品保有年数は8年だったと記憶するが,実はこれ,メイカの自主的努力目標なのである。保有しなかったとて消費者に補償する義務も拘束力も罰則も無いのだ。だけどさぁ,所詮はスイッチなんだから幾らでも代替品があるでしょうに。
んで結局どうすんのよと問うてみたらば,外の箇所(タイマ録画ON/OFFスイッチもちょっとぐずってた)は直せますなどと美人受付嬢は軽いのだ。ちょちょちょ,そこ(同期編集システム)が直らないとぜんぜん意味が無いのよ。
以前も書いたようにおれはEDベータのユーザであって,この7000番がオシャカになればもう後が無い。カタログにはEDV-9000というのが残ってはいるものの,これは27万3000円などという前時代な値段のままである。とても新品は買えない。どうでもダメなら程度の良い中古を捜すか,EDを諦めてもう1台SHBベータ機を入れてやらねばならぬ。と言って非EDとてまともな編集機能を持つ物は18万円なのだった。そんなのもう家電品の値段じゃないよ。
Hi8に移行しないのは──VHSは論外──もう同綱異種媒体を増やしたくないからである。アナログテイプのカテゴリとして見れば8mmだろうがベータだろうがメディア余命はおんなじだ。DVのデッキが出るとなればちょいと迷うけれど,MDがコンパクトカセットを駆逐しつつあることを鑑みてもアナログよりディジタル・ヒモよりサラである。ここは録再DVDの登場を待ちたい。尤もDVのデッキが出ない以上録再DVDだって(TVエアチェック用には)発売されやしないだろうけどさ。
外に部品が無ければ,ある所から調達するよりしかたがない。即ちおれのデッキそのものから融通する。[シンクロエディット](同期編集)と同じボタンが[録画時間]と[入力切換]に使われている。[入力切換]はソース(TV・BS・ライン1・ライン2)を選択する物だから絶対的に外せない。ええぃ,録画時間はβII固定で良いや。このボタンをそっちへ移植してください。
半ば押し切るようにして修理を頼み,やがてでき上がってきた。カセットは録再独立ヘッドとヘッドフォンヴォリウムの交換で約15k円,内9000円が部品代である。ビデオのほうがマイクロスイッチとテイプ送りピンチロウラの交換で,約11k円かかっている。部品代は,えーと,600円だって。
同期編集スイッチは当然ながら直っていた。タイマ録画スイッチも完動。おやっ,身代わりに死んだはずの[録画時間]もちゃんと切り替わるよ。なんやソニー,やればできるやんか。部品の調達ができたということかしらん。あかんでヒトをおどかしたら。やれやれ,これでもう1年ベータでやって行けるなあ──1年かい──良かった良かった。


MicrosoftAppleに出資するというんで大騒ぎ。おれも暗いニューズであるとは思うけれども,Macのユーザ インタフェイスに関してはそう心配することもないんじゃないかな。大体ジョブズがゲイツの言いなりになるタマかい(Macユーザの言うことも聞かんのに)。
MicrosoftはMacの新技術の先取りとInternetExploder(ママ)のばら撒きが主眼なのだろうが,逆に手玉に取られカネ蔓にされるだけではないか。憂慮すべきはMS以外のソフトハウスや互換機メイカがやる気を無くすことと,Windowsアレジィのユーザが離反してシェア低下に拍車を掛けることだろう。
はて,この件でAppleを見放したユーザの行き場所は? Mac互換機か。MacintoshはハードとOSが不可分で,手持ち資産の転用の利かないところが難である。
そうだ,OS/2にいらっしゃい。わはは,余計シェアの低い所に行ってどうする。

1997年8月9日


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BIGな気分で唄
 元はベストテン歌手ビートたけしの『BIGな気分で唄わせろ』。たけしは1曲目こそ『オレはぜったいテクニシャン』だったが,すぐにアーティスト路線に転じてなかなかロックな声を残している。おれは2ndシングル『いたいけな夏』が好きだった。

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落語特選会
 月曜深夜枠に大体5週に1回のローテで入る。翌週は何故かボクシングである。97年7月現在首都圏TV放送でほぼ唯一の古典演芸番組となった。がんばれ!桂プロデューサ。
 近年桂歌丸が出演するようになったのがA級噺家の減少を傍証するようでちと寂しい。

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小三治
 柳家小三治。言うまでもなく柳家小さんの弟子である。おれはこの人そんなにうまいともおもしろいとも感じないのだが──ヘタではない──世評は高い。ま,新ネタだったら文句を言わずに録る。小さんもそうだけど柳家はしばしば高座で絶句するんで,観ているほうがどきどきする。その芸風は止めれ。

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録画時間はβII固定
 要するにテイプの走行スピード。βI・II・IIIとあって順に4cm/秒・2cm/秒・1.33cm/秒──VHSで言うところの標準/3倍の違いである──実質βIIが標準だ。再生速度は自動切り換えで,EDV-7000だとIは再生のみだから録画に限って言えば画質の劣るIIIを捨ててII固定にしても構わない。

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written by nii. n