神奈川月記9402b

冠省
しかし酷いね，WordPerfectの縦書き印刷。ハイフンが横のままだわダッシュが行からはみ出るわ，そんな日本語ワープロがあるかい。よもや縦書き用の字を持ってないフォントがあろうとは。おまけに各ペイジ最後の１行が欠落しやがった。なに，気が付かなかっただと。ちゃんと読め。

数十万円ついやしてパソコンとワープロ_ソフトを入れても３万円のワープロ機に及ばない部分もある。パソコンをワープロ専用にしてしまったら償却に何年かかることやら，身のすくむ思いだ。聞けばゲイム専用機が日本に何万台もあるとか。なまんだぶなまんだぶ。
単体ワープロとパソコンのワープロ_ソフトとは何を反目しあっているのか，スペックの表記がずいぶん違う。単体ワープロでは搭載辞書の用語数が最重要事で20万語とか30万語とか麗麗しく謳ってあるが，ソフトは全く表示しない。ユーザ辞書や外字の登録上限も皆目わからない。
そうそう，パソコンで最初に感心したのは一度に読み込める文書の量である。キャノワードでは３分割せざるを得なかった落語ＤＢを合成してみたら，苦もなく飲み込んだ。編集容量はパソコン本体のメモリに依存するわけで，実用上無限大なのだ。処理速度も速い。こうした力技は魅力である。
逆に半角片仮名なんかは濁音・半濁音に１字分つかうインパクト_プリンタ方式だったりしてびっくりする。
初回の出費はでかくてもヴァージョンナップは数万円で済む。プロ作家で単体ワープロに満足できるのは椎名桜子くらいではないかな。おれだってもうキャノワードに戻る気はしないぞ。

ＷＰを使うのに必要なメモリの最低量は４MBで，Paradoxなら５MBである。Visionの実装メモリは８MBだから，両者が同時に稼働することはできない。ここで誤解のないように。Windows上に両者を立ち上げておくことはできる，ＷＰに何か仕事（印刷処理とか）をさせておいてその裏でParadoxを動かそうとするときメモリの争奪戦に敗れた方が待ちになるということだ。
最廉価帯のパソコンには未だに４MBＲＡＭのモデルがあるが，そんな物には一瞥もくれないコト。実はおれのVisionでも「メモリがたりません」と悲鳴メセイジを上げてコマンドの空振りするケイスが顕れてきている。おぉベイビ，早くもメモリ増設の内的欲求に身を焼かれつつあるぜ。
近近増設するとして16MBであっぷあっぷだから，これでも不足するようならマシンの交替しかない。大型ソフトをみっつよっつと考える向きは，初めてのパソコンと雖も拡張性を重視するのが得策でござる。

プリンタ_ドライヴァはWindowsのを遣っている。ＷＰの付属ドライヴァだと文字化けしてもっと見栄えが悪い。おれは情が深いのでＷＰを見捨てるつもりはないのだが，ヴァージョン_アップは急いでもらいたい。そんときゃ1.44MBのＦＤでくれるんだろうな。ふふふ，ＣＤ－ＲＯＭでも良いぜ。

せっかくのＣＤ－ＲＯＭドライヴァも載せるに価するソフトが無くって蜘蛛の巣城になりかねない。Visionに付いてきた５枚のＣＤはつまらん^5だった。
元元ゲイムに淡泊なこともあって自分では１枚も買っていない。雑誌付録のＣＤに忍び込ませてあったエロ写真をこっそり解凍して見るのが関の山だ。
（パソコン界で）一般のＣＤ－ＲＯＭは見込みが無いので今は電子ブックに期待を寄せている。ＮＥＣがやってるＦＤ媒体の電子本と混同して調査が遅れたが，どうやら使えそうだ。
マイクロＦＤ擬のシャター付きプラケイスに包まれてはいるが，中身は８cmＣＤである。検索表示にはやはり雑誌付録に収まっていたフリーソフトのDDwin((c)草本和馬)を拝借する。
電子ブックの規格は安定しているものの盟主たるソニー（またおまえかい）が公開を渋っている様子で，DDwinも著作者の試行錯誤の賜物らしい。純正ソフト(\15,000)に及ばないかもしれないが，タダより安いものはない。『ピルブック』辺りから試してみよう。

ＣＤ－ＲＯＭも以前は規格の乱立で，極端に言えば欲しいソフトと一所に新らしいドライヴも買わんならんてな状況だった。
いちおう国際規格のISO9660ができてやでうでしやと思ったら，音声記録の規格が盛り込まれていなかった。そこで登場したのがＣＤ－Ⅰ並びにＣＤ－ＸＡである。しかしＣＤ－Ⅰはもうゲイム専用と断じて良い。そしてかの有名なコダックのフォトＣＤがＸＡ準拠の代表選手。因みに普通の音楽ＣＤ（これだってＲＯＭだ）はＣＤ－ＤＡと呼ばれる。
さて電子ブックはどうかと言うと，どれでもない。ＥＢ規格を名乗る。ソニー，ええ加減にしいや。ただ基本的にはＣＤ－ＸＡと同じらしいから，ＸＡが読めれば電子ブックも行けるようだ。

ＣＤ－ＲＯＭドライヴァを選ぶ際にはまず9660・Ⅰ・ＸＡに対応するのを確認する。次にマルチ_セション対応かどうか。解らん奴は手ぇ上げえ。写真を撮ってネガをＣＤに焼くサーヴィスがぼちぼち定着してきましたな。いっぺんに何百枚も撮る人は少なく，大抵は10枚・20枚と焼き足していくことだろう。このように複数回に分けて記録するのをマルチ_セションと言う。マルチ対応でないと１回目に焼いた分しか再生できないのである。解ったか。
もうひとつ気になる点があるね。倍速ＣＤって何。これは簡単。ＣＤ－ＲＯＭドライヴァは周辺機器で最もアクセスの遅い部類のデヴァイスであり，音楽ＣＤ(CD-DA)と同じ速度でちんたら読んではいられない。それでＤＡ以外のＲＯＭを触るときは倍のスピードでディスクを回しましょうと，こういうことだ。したがって倍速用のＣＤ－ＲＯＭというのは存在しない。２倍速なら充分だ。あまり拘泥しなくてよろしい。

Windowsにバンドルされているソフト（ペイントブラシ）で読めるのはビットマップ（bmp）ファイルだけであって，tifやgifの静止画およびaviの動画ファイルは市販ソフトの体験版で窃視している。
静止画は256色でもまずまずの画質で見られるが，動画は２in.くらいのウインドウにちまちまと映され，非常に頼りない。もちろん画面一杯に広げることはできるけれど，構成画素が増えるわけではないから全面モザイク状になるばかりで実用に堪えない。Video For Windowsのランタイム_モジュールにしてからがこれだ。パソコンの非力さを思い知らされる。
とは言うもののパソコンはやっぱりおもしろい。初めはワープロ専用機かもしれないが，毎日さわってりゃやりたいことも出てくるよ。手を汚すいや染めるには今が最も良い時期だ。間違いないね。

なんかＰＣＭプロセッサの調子が悪いぞ。トラッキングを取りきれなくってチャカチャカチャカチャカ言っている。まともに動く日もあるからどっか接点が錆びてるんだろう。終焉の時は近い。先延ばしにしてきたポスト_カセット・次期録音媒体選定の断をいよいよ下さねばならんのだ。

カセットこそは史上最強のオウディオ媒体，過去数多の美しき挑戦者を屠ってきた。エルカセット・マイクロカセット・８トラ・ＰＣＭプロセッサ・ＤＡＴ，死屍累累である。マイクロカセット以外はいずれも遥かに勝れた録再特性を持つ。それでもカセットには適わなかったのだ。
音質は二の次だからというのではなかろうが，現チャレンジャはかなり性能を落としての登場である。まずｄｃｃ，次いでＭＤが名乗りを上げた。売りは第一にディジタルであること・第二に安いことだ。
しかし相手は何と言ってもグランド_チャンピオンである。先にｄｃｃとＭＤで雌雄を決し，それからカセットの牙城に迫ると見た。共存できると抜かす脳天気な評論家も居たが，そんなわけない。

ここまでは簡単に読める，しかし両者の登場時点ではどちらが挑戦権を手にするのかおれにも予想が付かなんだ。
ただこの対決についてはｄｃｃを支持した覚えがある。カセットと上位互換を確保していることと発売時期が半年先行していること・フィリップス－松下連合の主導であることが主な理由。当時の月記をひっくり返してみるに──古い話で「東京月記」だとばかり思っていたら「神奈川月記」だった。91年６月の記述である──ＭＤがソニー開発である点に危惧を抱いている。
ところが蓋を開けてみると，ＭＤの圧勝である。ｄｃｃは話題にも上らない。
双方の立ち上がり時にカセットの方がよっぽど音が良かったので皆がけなしたら，ソニーはまぁ気楽に聴くための物ですからと逃げたのに松下はナニクソとマニアに買ってもらおうとした。いつもと逆ではないか。またｄｃｃウォークマン(笑)が出たときソニーがうまいことポータブルＤＡＴの安いのをぶつけてきた。同じヒモならマニアはＤＡＴを採るのである。
勝負あった。日本人に互換性を説くのは愚であった。もうｄｃｃに勝ち目は無い。しかしながらＭＤがディジタル録再の決定版とは到底おもえないのでおれはＭＤも見送ることにする。どう悪くたって16bitの録再ＣＤでなければ意味が無い。

ＭＤやｄｃｃが徒花と終わるにせよ大局的にはディジタルへ移行するのが大宇宙の意思と言える。ベータＶＣＲの寿命も慮るとHi８ with ８bit-PCMへの統合が現状でのベストである。本当はHi８の音声が16bitになるのを待っていたのだけれどもいっかな実現しない，ＰＣＭプロセッサの方が先にくたばってしまった。

実売価格12万円強にまで下がってきたＢＳ抜きの最高級機EV-S2500(\170,000)で行こうと思ったら，最新鋭機EV-NS9000(\230,000)が出てきた。値段のちょっと張るのと，ＢＳはおろかＣＳまで入っているのが引っ掛かる。ＢＳは高級単体チューナがあるしＣＳは完全にデッド_ストックになるだろう。無駄遣いの割合が大きすぎるぞ。
恐ろしいのはHi８のＰＣＭにあんまりやる気が見られない点である。新しいデッキには殆ど搭載されない。そう言えばＳ－ＶＨＳの16bitディジタル音声もビクターに１代限りのようだ。やきもきさせるよ，ったく。

もうひとつ無視できない疑問点がある。８mmのフォーマットは６トラック構成で，５トラックに映像を１トラックにＰＣＭ音声を記録する方式である。だから音だけ録る場合には６トラック全てを使って12時間連続再生といった離れ業が可能だった，終端に達するたび巻き戻すんだけどね。
そのマルチ_トラックがソニーの８mmだと省かれている感じなのだ。東芝の機械がマルチなのはカタログから判っている。ベータ_デッキとの連動プレイの関係からおれはソニー製品でないと具合が悪いのだが，どうも怪しい。マルチを止めてるんならいっそＭＤにするぞ。あ，どっちにしてもソニーなのか。おもしろくねえなあ。
膨大なベータ_カセットを再生する都合からも現用のデッキは退役させられない。今度こそラックの追加が必要である。これも金が掛かる。預金をあまり消耗したくない状況であり，悩むところだ。

草草

1994年２月18日

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・ハイフンが…しやがった。
　ver 5.2の日本語版である。ほんとに酷かった。

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・椎名桜子
　憶えてる人は手を挙げて（98年８月記）。

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・ここで誤解のないように
　誤解していたのはおれである。実際はこんな単純な話ではない。

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・ＦＤ媒体の電子本
　憶えてる人は手を挙げて（98年８月記）。

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・２倍速なら充分だ
　今となっては20倍速なら充分だ，かな（98年８月記）。

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・美しき挑戦者
　懐かしTVドラマ（スポ根）のタイトルなんだけど，種目は何でしたかね。ボーリングか水泳か。

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・dcc
　憶えてる人は手を挙げて（98年８月記）。

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神奈川月記9402b

written by nii.n