OSを8.5.1にして、その速度と安定度に安心していました。
ところが、Ethernetに対応させる段階で、TDKのLANカードのマニュアルやら、ちょっと最近MacOSの機能拡張ファイル系列の知識の補充を怠っていたことなどから、OS再インストールとなりました。その再インストールあたりの話を。
●再インストールでやったこと
OS再インストールは、インストーラがきちんと対応していれば、そう難しいことではありません。例えば、今(99年4月現在)出ているNew Power Mac G3(青と白のスケルトンのヤツね)は、インストール用のCD-ROM自体が既に8.5.1なので、何の苦労もなく出来ます。
ところが!
MacOS 8.5のCD-ROMを購入した者にとって、8.5.1にするには、アップデータを使うしかないんですわ。そして、8.5のCD-ROMから8.5.1にしてしまったシステムフォルダのメンテナンスは、もう出来ないんですわ。もちろん、8.5のインストーラが、より新しいバージョンを取り扱うことが出来ないからです。こういう場合はどうなるか?
当然、今あるシステムフォルダをおいといて、新しいシステムフォルダを作るしかないんです。そうですか。やりゃ、いーんでしょ、やりゃ。チッ。
と、呟きつつ・・・では、LANカード認識のためにあれこれ私がやったことを、一覧にしてみます。
- MacOS 8.5 CD-ROMを起動ディスクにして、Macを起動
- インストーラを起動し、インストール先のディスクを選んだら、オプションボタンを押して「新規インストール」(つまり、今までのシステムフォルダに上書きインストールはせず、古いシステムフォルダとして脇においといて、新しくシステムフォルダを作ってしまう)
- カスタム・インストールで、インストールするものを吟味。私はEthernet関連のファイルを入れるのが目的だったから、特にそれを吟味。いつも通り、漢字フォントもフルセットでインストール。ついでに、マルチリンガル・インターネット・アクセスをすべてオンにしてしまう。
- インストールを行う
- 再起動後、TDKのLANカードを挿してみて、認識するかを確認。ところが、認識せず。マニュアルには、OS付属のドライバがあるので、7.6以上はドライバのインストールは必要無い、と書いてある。だから、OS再インストールまでやって、わざわざドライバを入れずにおいたのだ(変なドライバが入って動作が危なくなるのはとってもイヤ)。おかしい。
- あれこれ試したり、情報を集めたりする。結局、Ethernet関連ファイルを、インストーラから入れてみたり、カスタム削除したりしてみるが、進展無し。結局、TDKのサイトより最新版ドライバを入手してみると、そのドライバでOS 8.1までは対応を保証する、とある。これをインストールしたら、難無く認識。
- 古いシステムフォルダから、初期設定ファイルを持ってくる。また、インストールの必要な機能拡張類を入れる。
- そのまま数日間使い、追加インストールが必要なモジュールなどがないかを、使いながら確認。
- 大丈夫になったことを見計らって、8.5アップデータと、8.5.1アップデータ(この2つは別のものです!)を、それぞれ順番に入れて、完全に8.5.1として固める。
はっきり言って、すげー疲れました。Ethernet敷設大作戦では、この再インストールのあたりは割合軽く書いてありますが、待ち時間が長く、そして、一々細かいインストールの違いを見ながら、動作確認が必要。それが済んでから、さらに初期設定ファイル類の見直しなどで、旧来の使い勝手の環境へ戻す。これだけでも、結構な作業時間を食います。まぁ、8.5の機能拡張をチェックしながら「これ、あくまで内蔵Ethernet端子専用で、実はTDKのドライバ、インストールするのが筋なんじゃないかな?」と思っていれば、ここまで作業しないで済んだんですが。
それで環境自体の安定度を見てから(だって、そうしないとまた何か追加インストールになった時に、泣きを見るからね)、数日後にやっとアップデータで環境の固定をして、安定度を上げる。もっとも、素の8.5でも、予想よりは安定度が高かったです。
7.5.Xの頃の不安定さが、トラウマになっていると言ってもいいかもしれないですね。ただ、マルチリンガル・インターネット・アクセス(要するに多国語表示の可能なインターネット環境)のインストールが出来たのは、収穫でした。最初のインストールの時には、入れ損ねてしまったのでね。
もっとも、ヘブライ語もアラビア語も読めやしないんですが。
●インターネット環境とMacOS
で、ですね。
MacOSのインターネット環境って、Windows95にくらべると、妙に色々なコントロールパネルやらを開かねばならず、私は決して楽な環境と思ってはいませんでした。特に、7.5.X〜7.6.Xの頃がひどかった。
この頃は、私はFreePPP派でした。MacOS 8になった時に、インターネット・アクセスというユーティリティが入り、これがTCP/IPの設定やら、PPPの接続設定やらを、一括変更できるようになりました。
これは私はけっこう好きで、OS 8とともに、それまで使っていたFreePPPを捨てて、OS純正の環境に固定しました。これで安定度が低いなら、アップルが悪いというわけです。実際には、8.1になった時に、かなり安定して、私はとりあえず使えるようになった、と思ったものです。このあたり、OS 8.5以降ではだいぶ改良されています。
ただし、インターネット・アクセスというユーティリティで一括変更する形は、とらなくなりました。
コントロールパネル類を一括変更するのは、作業環境マネージャで行うように、統一されました。これによって、より論理的な作業環境セットを構築できて、私はひどく楽になったと感じています。
というのは、たとえば同じプロバイダでも、アナログ・モデムでのアクセスポイントと、PIAFSのアクセスポイントの両方につなぐ場合があるとします。この場合、TCP/IPの設定は共通で、PPPの設定と、モデムの設定を変えるわけです。
8.1のインターネット・アクセスでは、同じような入力を一々たくさん作っていた(TCP/IPの設定は共通なのに「asahi-netモデム」「asahi-net PIAFS」という2つの設定を作ったりしていた)のですが、作業環境マネージャを使うと、TCP/IPは「asahi-net」を1つ作れば、他のPPPとモデムだけを切り替えればよくなるんで、より論理的に整合性のある設定セットを作れる。
8.1の頃には作業環境マネージャの評判もけっこう上がっていたのですが、今にして思えばもっと早く使うべきだったかも。さらに、インターネット設定(Internet Config)も、インターネットというコントロールパネルで同等の機能を持たせることが出来て、やっとアップル自身が本腰入れてサポートをするようです。
確かに、便利な機能は先にシェアウェアやフリーウェアから出てくるものです。でも、インターネットのような基幹通信に関して、アップルが純正のコントロールパネルを用意しないのは、問題があるはずです。やっと、まともになった。まぁ、いずれにしても、コントロールパネル類はより簡素になっており、その象徴がインターネット関連の設定(あと、アピアランス関連かな)に関わるものだと感じました。
他に強く感じたのは、PowerPCのネイティブ化率が上がったことと、OpenTransport 2.0になったことが相まって、各種の処理が高速化していること。
特に、メールの送受信、ダウンロードなど、データ送受信系が速い。間違いなく、OpenTransportの新バージョンのお蔭ですね。
私は常々、Macはインターネット系のパフォーマンスで、Wintel環境に後塵を拝しているところがあって、ちょっとつまらんなぁと(別に憤慨はしていない)思っていたので、これはちょっと嬉しかったです。やはり、キビキビ動いて嬉しくない人間はいないですからね。
実は、この状態で、Netscape Navigatorに、T-Timeを組み合わせると、最高に楽しいインターネット閲覧環境になります。この話は、また後日。