占部虫麻呂 うらべのむしまろ 生没年未詳

下総国の人。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。

 

旅とへど真旅になりぬ家の()が着せし(ころも)に垢付きにかり(万20-4388)

【通釈】旅と一口に言っても、本当の長旅になってしまった。家の妻が着せてくれた着物に垢がついている。

【語釈】◇旅とへど 「旅と言へど」の約。◇真旅(またび) 「ま」は完全な、まったくの、といった意味を添える接頭語。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成18年03月07日