信濃国小県(ちいさがた)郡の人。国造の丁(よほろ。使用人)。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。
唐衣(からころむ)裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母(おも)なしにして(万20-4401)
【通釈】唐衣の裾に縋り付いて泣く子供たちを置いて旅立ってきたよ。母親もいないままにして。
【補記】「唐衣」は大陸風の衣裳。防人用の官服をこのように言ったかとも言う。
更新日:平成15年03月21日 最終更新日:平成15年03月21日
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