仲覚 ちゅうかく 生没年未詳

桓武平氏。兵部卿平時仲の子。また時仲の孫で中納言仲兼の子とも。比叡山の僧。勅撰入集は玉葉集に一首のみ。

山紅葉

今朝のまの霧より奥やしぐれつる晴れゆくあとの山ぞ色濃き(玉葉2017)

【通釈】今朝の間たちこめていた霧の奥では時雨が降っていたのだろうか。晴れてゆくあとに姿を現した山は紅葉が色濃いことだ。

【補記】霧の中から現れた山の紅葉の、ひとしおの色鮮やかさ。時雨が葉を一層紅く染めたのかと見た。

【参考歌】宗尊親王「玉葉集」
五月雨は晴れぬとみゆる雲まより山の色こき夕ぐれの空


最終更新日:平成15年03月01日