紀朝臣清人
きのあそみきよひと
- 生没年 ?〜753(天平勝宝5)
- 系譜など 国益の子。「紀氏系図」によれば大納言大人(うし)の孫。また同書によれば贈太政大臣諸人の兄で、光仁天皇の母橡姫(とちひめ)の伯父にあたる。名は浄人にもつくる。
- 略伝 714(和銅7)年2.10、詔により三宅臣藤麻呂と共に国史撰修を命じられる。『日本書紀』編纂の補充人事かという(書紀とは無関係と見る説もある)。この時の官位は従六位上とあるが、翌年の715(和銅8=霊亀1)年1月、一挙に3階昇進して従五位下に至る。同年7月と717(養老1)年7月の二度にわたり、学士を優遇するとの理由により穀百斛を賜与される。721(養老5)年1月、長屋王が右大臣に任じられた直後、首皇子(21歳)の侍講に任命される。佐為王・紀男人・山上憶良らと共に、退朝後、皇太子に学芸を教授する役であった。同月、学業を表彰され、絹布などを賜わる。723(養老7)年1月、従五位上。732(天平4)年10月、右京亮。741(天平13)年7月、治部大輔兼文章博士。744(天平16)年閏1.13、難波行幸の途次安積皇子が薨去した後、2.1に巨勢嶋村(左京亮)と共に平城宮留守官に任じられる。この時治部大輔。同年7月、亡父国益が紀男人との間に起こしていた奴婢の帰属をめぐる訴訟に判決が下り、国益側が勝訴したが、清人は上表して奴婢を良民とした。同年11月、藤原八束と共に従四位下に昇叙される。746(天平18)年1月、元正上皇の御在所の肆宴で応詔歌を詠む(17/3923)。同年5月、武蔵守。753(天平勝宝5)年7.11、卒去。時に散位従四位下。
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