皇城老媽 

北京朝陽店


この店の本店は四川省成都にあります。 成都の三国時代の遺跡で皇城と呼ばれる場所に住んでいた薫華英という老女がここの本店の創始者だそうです。 彼女が作る火鍋は大変な人気で、顧客から皇城老媽と呼ばれるようになったのが店の名の由来だそうです。

今回食事をした朝陽区にある北京2号店は城外のとある河のほとりにまるで城郭のような豪華な店を構えています。 ちょっと時間が早かったのですがこころよく私を迎え入れてくれました。 火鍋の具材が運ばれてきたときにはその刀工の冴えプレゼンテーションの美しさにまず驚かされされました。 家庭の主婦まで美しい盛り付けを競うという土地柄だけあって飾り物の前菜を作らせたら中国随一という四川のコックの腕の冴えに脱帽です。 火鍋の中の紅湯も濃度が相当に濃いようでふつふつと沸騰してくるとその眺めは火山の中のマグマのようでもありまた原初の地球の姿のようでもあります。 さらに驚かされるのはこの店のサービスのよさです。 火鍋の火力の調整からほとんどのことを店の人がやってくれるのでまるで体を動かす必要を感じないほどでした。

御覧の通りさまざまな具材を楽しませていただきましたが、特筆すべきは毛肚(センマイ)の味でしょうか。 漂白されてない黒味がかった毛肚は新鮮そのものでコリコリとした歯ざわりもあいまって紅湯との相性は抜群です。 重慶火鍋を代表するものが毛肚火鍋との理由了解いたしました。

さてこの店で私は二つの失敗をしてしまいました。 一つ目は鍋底を紅湯、白湯半々の鴛鴦火鍋にしなかったことです。 鍋底のメニューには鴛鴦がなくかつ半分の鍋底が注文できるものに紅湯と白湯が入っていなかったので勝手にだめと早とちりしてしまったわけです。 やはり辛い味一本やりではダメで辛い紅湯と辛くない白湯を交互にやることによって双方の味が引き立つのだと思います。 二つ目は鍋が辛くなってきたと店の人が判断して鍋底の唐辛子を引き上げようとしたのを制止したため辛いのを通り越して口の中に痛みを感じるほどの異次元世界に突入してしまったことです。 後で周りを観察してみたところ、皆さん好みの辛さになったところで唐辛子を引き上げて辛さを調整していましたね。

ところで気になるお値段のほうですがビールの大瓶3本込みで300元といったところです。 値段が少々高くなったのは一人で色々注文したのに加えて青衣江雅魚が結構値がはったためだと思います。 この魚は四川の川に棲む鮭科の魚なのでおそらく現地からの空輸だと思います。


手前左から反時計回りに豆芽、冬瓜、毛肚、粉絲(春雨)と青衣江雅魚(左上)


天地創造


鴨血(左)と藕(右隣)、皇城牛肉片(右手前)



基礎データ
住所北京市朝陽区大北窪慶閘後街 100020
電話010-6779-8801
営業時間11:00〜23:00
お勧め料理各種火鍋
取材日時2000年5月4日




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