鷺鷺酒家 

清炒蝦仁


今上海で小南国と並んで大人気の上海料理店鷺鷺の支店が北京に出来ているというのでいってみました。 中国人の宿泊する中級ホテルの一階にこの店はあるのですが、しゃれた洋風の作りになっているちょっとした個室に案内されました。 個室と言っても席が4つほどあり私がゆっくりと食事をしているあいだにも他のテーブルの客はどんどんと入れ替わって行きます。 無名居もそうでしたがここも大変な人気です。

今上海で流行っているという糖水藕餅はちょっと私の口にはあいませんでしたが鹹蛋炒肉蟹、黄豆芽油豆腐、蘿蔔絲酥餅、等等かなりいけてました。 店の内装も美しく値段も比較的安くおさえられているところは好感が持てますがやはり良いものを食べようとするとそれなりの出費が必要になります。 俗に上海料理のコックの腕を見たかったら清炒蝦仁を食べて見れば良いというので今回は2箇所で試して見ました。 ここルルでも注文しようとして聞くとメニューに載っているのは海の蝦の料金とのことなので河の蝦でやってほしいというと1斤が156元とのこと。 前に食事をして軽く1万円がふっとんだ香港老正興と関連のある店の値段(138元)より高いです。 皮をむいて処理をするので量が減るので一般には2斤とのことでしたが今は観光旅行中ということで1斤で折り合いをつけると、バケツに入れた活きのいい蝦が運ばれてきました。 これを一匹ずつ皮をむいて調理するとのこと。 前の席のカップルが蝦の踊りを食べていましたがこういった料理にもこの蝦が使われるのでしょうね。 それから横の席のグループの女性が河の蝦をねだっていましたが財布を握っていると思しい男性が河の蝦は高いからだめといなしていました。 一時間ほど待つときれいにプレゼンテーションされた清炒蝦仁が運ばれてきましたが、黒醋を混ぜて食べる味はさすがです。 しかし最近は河川の汚染がすすんでいるので台北あたりでは普通の料理店で河の蝦はおいていません。 リッツランディスの天香楼で以前食べた龍井蝦仁は河の蝦だと思いますがやはり値段が高いだけでまるでいけていませんでした。 やはりこういったものはそれなりの出費をして活きている蝦から作ってもらうべきでしょうね。


黄豆芽油豆腐は日本の下町にでもありそうなお惣菜風の料理で私の好物です。 でも、こういったものに関しては台北の隆記菜飯の方が一枚上手ですね。

肉蟹も活きている蟹を使いますが、こちらは1斤が98元と河の蝦よりだいぶお安くなっております。 調理方を鹹蛋黄炒(塩卵の黄身炒め)と指定するとこちらも生きている蟹をバケツに入れて持ってきてこれで良いかどうか確認をとってから料理に入ります。 他の店でも斤いくらの表示のある河蝦を注文しましたが確認をとりにはきませんでした。 やはり鷺鷺はこういったところからしっかりしているので好感が持てます。

蘿蔔絲酥餅は洋風のしゃれた味付けになっていますが蘿蔔絲酥餅の味を踏み外しておらず相当にいけてるお味でした。 ちょっと面白かったのはこういったものが主食に分類されているところです。 白飯や麺を食べる代りに蘿蔔絲酥餅を食べるわけですね。

黄魚●(巻の己を魚に変えた字)焼肉は鹹魚と豚の角煮の料理です。 おそらく寧波系と思われるこの料理、豚肉の皮がとろけるようになっており肥肉(脂身)には鹹魚の香りがうつり最高でございました。 寧波あたりで作られている鹹魚は丁度この時期が旬だったかと記憶しています。

葱油拌麺は焦した葱とタレをあえて食べる麺です。 焦した葱が新宿の上海小吃によくにていたのでおやっと思いました。 もちろんここのものはすばらしいのですが上海小吃のものも結構いけていたかと記憶しております。

ところで気になるお値段のほうですが手元に残っているメモによると糖水藕餅 28元、鹹魚煎毛豆 18元、黄豆芽油豆腐 15元、蘿蔔絲酥餅 12元/客(4個)、金蛋鴨巻 38元、黄魚●(巻の己を魚に変えた字)焼肉 48元、肉餅子蒸蛋 22元、菜心麺筋[保/火] 28元といったところです。


糖水藕餅

鹹魚煎毛豆(左)と黄豆芽油豆腐(右)

肉蟹(鹹蛋黄炒)

蘿蔔絲酥餅


鷺鷺の店内


金蛋鴨巻

黄魚●(巻の己を魚に変えた字)焼肉

菜心麺筋[保/火](左)と肉餅子蒸蛋(右)

清炒蝦仁

葱油拌麺



基礎データ
住所北京市朝陽区西望路北5号楼 100020
電話010-6593-0442
営業時間11:00〜14:30,17:00〜22:00
お勧め料理清炒蝦仁、肉蟹(鹹蛋黄炒)、黄豆芽油豆腐、黄魚●(巻の己を魚に変えた字)焼肉、金蛋鴨巻、葱油拌麺、蘿蔔絲酥餅など
取材日時2000年5月1日、5日




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