4本の足でしっかりふんばり、鎌となる2本の腕はファイティングポーズ。
三角の顔でじろりと周囲をにらむ。かっちょえぇー。
僕の大好きな昆虫、カマキリ は気にしていても 年に2〜3回くらいしか遭遇できない、横浜近辺では珍しい生物だというのが ここ5年くらいの経験から得られた認識だったのだが、2003 年秋は 不思議なくらい沢山のカマキリと出合った。 そのピークは 10/10。陽の当たる道沿いに続くヒイラギの垣根と笹やぶを 注意しつつ歩いていた時、9匹のカマキリを続けざまに発見! みな良く成長した大きい個体で、腹部がふくれたのもいる。 産卵の季節なのだろう。大きくは緑色のと茶色のの2種類。 一度にこれほど多数のカマキリを見つけたのは子供時代を通じても 初めてかもしれない。なんと楽しいことか。 その後1ヶ月ほどにわたって、その場所を通るたびに3匹くらいのカマキリを 見つけた。彼らはいつも、晴れた日、日光が良く当たる垣根の上の方に じっととまっている。そこは暖かくて居心地がいいのか、餌が捕まえやすいのか、 それともオスメスの出合いの場所なのか、それはカマキリに訊かないと わからない。 なぜ今年だけこんなに沢山のカマキリが見つけられたのだろう? カマキリの発生数が今年だけ特別に多い「当たり年」なのかも。 あるいは、今まで気付かなかったカマキリの「たまり場」を発見して、 探すツボがわかったからかも。これからまた数年観察していけばわかるだろう。 12 月に入ると、朝の冷え込みは霜が降りるほどになるので、 カマキリは見つからなくなった。もう死に絶えたのだろうと思っていたら、 なんと 12/25 にこの場所で1匹の生きている個体に出合った。 しぶとい奴がいたものだ。 |
![]() 視線 #0 |
![]() 視線 #1 |
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![]() 視線 #3 |
![]() 視線 #4 |
![]() 視線 #5 |
![]() 視線 #6 |
▼ カマキリの視線 カマキリの顔を見た時に、眼の中にはポチッと黒い点が見えている。 それがカマキリの視線なのだろうと思っていたのだが、急に気になり出したので この機会に沢山の顔写真を撮って比べてみることにした。 それが上の写真。角度を少しづつ変えながら並べてみた。 顔の向きと眼の中に見える黒い点に注意して見て欲しい。 カマキリにとって「見える」範囲はとても広いようだ。 「視線 #0」はほぼ真上から撮ったものだが、それでも小さな黒い点が こっちを見ている。首の関節もくるくるとよく回るので、 カマキリは体を動かさなくても、ほぼ全周囲を見わたすことが できるようになっている。 眼の中の黒い点は、顔が正面を向くほどに大きくなっている。 それはつまり、正面ほど細かくしっかりと対象(獲物)を見据えるように なっているということなのだろう。 両目が前を向いて立体的に対象を見ることができるというのは、 肉食恐竜と同じく、距離感の把握に優れたハンターの特徴です。 「視線 #5」が一番怖い。 こういう顔で見つめられた獲物は、 もう次の瞬間には力強い鎌にがっしとつかまれ、体をバリボリと かじられているのでしょう。 |