- 縦走二日目も後半に入った。根菅分岐から国境稜線を和賀岳に向かって歩き始めた。最初はややうるさい灌木帯だった。稜線左よりの雪の多いところを進んでいった。
- 藪も無く快適で眺めの良い雪の稜線を上り下りしながら進んでいった。和賀岳が次第に近づいてきた。和賀岳への最後の登りは草地になった。
- 和賀岳山頂は地面が出ていた。暗い雲が多くなり曇ってきた。少し風も冷たくなって来た。山頂から小杉山方面へ少し進んだ平地にテントを張った。北西側が笹原だった。テントを張り終わるやいなや雨が降ってきた。
- 夜は風雨が強かった。テントのフライシートがあおられ、水がテント内にぽたぽたと入ってきた。
- 翌朝は明け方まで天気が悪かった。出発を少し遅めにする事にした。出発時、外に出てみるとうっすらとテントの上に雪が積もっていた。
- 霧の中を出発した。小杉山までの稜線は、ほとんど夏道が出ていた。木々には霧氷が着いていた。小杉山から薬師岳の間も半分以上夏道だった。途中に広い雪面があった。薬師岳への登りは風が強く寒かった。
- 薬師岳に着く頃に、ようやく霧が晴れてきた。薬師岳からの下りでは、和賀岳の雲も取れてきて良い天気になった。
- 大甲山への道は半分くらい夏道が出ていた。ショウジョウバカマが咲いていた。大甲山への登りは急な雪の登りだった。
- 大甲山からの下りは雪道だった。風が強かった。甲山分岐から間違って右に下る登山道に引き込まれてしまった。斜面をトラバースして稜線に戻った。中ノ沢岳へは雪面の登りだった。最後は登山道が出ていた。
- 中ノ沢岳からは刈り払いが不十分で踏み跡状の道になった。990m小ピークの通過は雪をうまく拾って歩き最小限の藪漕ぎで済んだ。
- 風鞍へは藪の中の踏み跡を登っていった。ところどころで道が分かりにくかった。最後は藪を出て、雪稜の登りになった。風鞍山頂は草地が雪の上に出ていた。
- 風鞍から南風鞍へは、同じような標高のなだらかな雪の稜線が続いた。稜線左寄りが雪面で稜線のてっぺんから右にかけては藪で覆われていた。現在地が分かりにくかった。間違えて一つ前のピークで南風鞍の三角点を探してしまい時間を15分ほどロスした。南風鞍の三角点は次のピークの藪の中にあり、標識と踏み跡状の登山道が有った。
- 南風鞍からは藪の中の踏み跡状の道を右へカーブしながらしばらく下った。やがて雪の上に出て目的の稜線に乗ることができた。
- ブナ林の中の快適な雪面が続いていた。850m峰の手前の鞍部付近は緩やかな斜面の雪面だった。鞍部から少し左に下ったまばらなブナ林の中にテントを張った。風が無く、日が暖かで別天地のような場所だった。まだ日が高かったので、昨晩濡れたシュラフを木にかけて乾かした。