- 初日は曇りだった。車道歩きを終え林道ゲートで休んでいると、車で来た男性登山者が声をかけてくれ登山口まで乗せてくれた。1時間ほど歩きを省略できた。幸先の良いスタートだった。
- 登山道は最初は緩い上り坂だった。天然庭園付近まで登ると大岩のゴロゴロした道になった。周囲にはイソツツジやマルバシモツケがたくさん咲いていた。更に登ると雪渓が残っていた。周辺ではチングルマやアオノツガザクラ、キバナシャクナゲが咲いていた。
- 予定より3時間ほど早く美瑛富士避難小屋に着きテントを張った。他のテントは5張り、小屋の宿泊は3人だった。付近には水が無かったので途中の雪渓まで戻り雪を削って持ち帰った。テントで雪を溶かすと線虫が沈んでいた。「気持ち悪い」など大騒ぎになった。結局4リットルほどの水で5匹ほど線虫が出てきた。煮沸しただけでは使う気にならず浄水して使用した。隣りのテントには、朝、車に乗せてくれた男性がいた。顔を合わせると「線虫で盛り上がっていましたね」と言われた。
- 翌朝は雨が降り風も強かった。美瑛岳から十勝岳への縦走はあきらめ白銀荘へ下山することにした。美瑛富士の巻き道を進むと雪渓が有った。先が霧で見えなかった。足跡も残っていなかった。やがて小屋にいた夫婦がやってきて先に渡ってくれ、恐る恐る渡る我々を見守ってくれた。美瑛富士分岐は風が強く、少し進んだ樹林のところで休んだ。
- 美瑛岳の巻道に入ると、ハイマツが少し道にかかり歩きにくかった。雪渓が少し有った。若い女性が追いついてきて「美瑛岳は強風だった。十勝岳は諦めて下山して来た」と言っていた。やがて雨はやみ、美瑛岳の山頂も見えて来た。美瑛岳との分岐でレインウェアを脱いだ。
- 天気は次第に良くなり下に虹が見えた。男性単独行が下りてきて「美瑛岳山頂は晴れていたが十勝岳はガスがかかっていたのでやめた」と言っていた。ポンピ沢へは急な下りで少し岩場が有った。
- ポンピ沢の次の沢は雪が残っていた。梯子で下り汚れた雪の上を通って対岸に渡った。雲ノ平はエゾコザクラがたくさん咲ききれいだった。イワブクロも咲いていた。美瑛岳と美瑛富士も見えてきた。暑くなりTシャツ1枚になった。十勝岳との分岐が近づくと年配の単独行とすれ違った。エゾコザクラの様子を聞かれたので「たくさん咲いていた」と教えてあげた。
- 十勝岳との分岐で休んでいると単独行が下りてきた。「上ホロカメットクから十勝岳まで強風の中を歩いた」との事だった。望岳台分岐から白銀荘への道は、途中に徒渉も有り思いの外長かった。
- 白銀荘でテント設営後、温泉に入った。冷たい富良野ワインを購入し、テントで乾杯した。