- 初日は滝尻から歩き出した。土産物屋の店主に「地図は持ってる? 水は?」と声をかけられた。
- 冷気漂う道を登ると飯盛山に着いた。眺めが良かった。ウグイスが鳴いていた。桜やツツジを楽しみながら進むと「高原(たかはら)霧の里」に着いた。眺めが良く、蛙が鳴き脇には水車が有った。
- 十丈王子まで来ると新緑がきれいになりツバキが咲いていた。ヤマガラが鳴いていた。逢坂峠付近にはアセビが多く咲いていた。道の駅で食料を調達した。小さな牛馬童子像の横を通り、桜咲く石畳を下って日置川を渡ると近露(ちかつゆ)王子に着いた。女神の湯まで歩き桜の木の下に幕営した。
- 二日目、継桜王子(つぎざくらおうじ)には杉の巨木が有った。周辺は桜がきれいだった。向かいの山々の眺めが良かった。熊瀬川王子手前の休憩所では背の高い西洋人女性二人に会った。笑顔で愛想良く挨拶され、「今日はどこまで?」と聞かれた。「湯の峰温泉」と答えると「私たちもです」との事だった。仲人茶屋跡から蛇形地蔵までは迂回路だった。
- 午後になり雨が降り出した。小雨の中、先ほどの彼女たちがベンチで弁当を食べていたので「雨になりましたね」と言いながら追い抜いた。本宮と湯の峰温泉との分岐で休んでいると彼女たちがやってきた。先に本宮に行くとの事だった。岩国から来ているそうで、「雨の中、頑張りましょう」と挨拶して別れた。雨に濡れながらアセビ咲く赤木越を越えた。湯の峰温泉のゲストハウスに宿泊した。
- 三日目、大日越を本宮へと越えた。大斎原(おおゆのはら)お参り後、食料を調達して小雲取越に入った。下ってきた地元の若い女性が「今日の百間ぐらは、どえりゃあきれいだ」と教えてくれた。
- 「百間ぐら」では西側の眺めが良かった。湯の峰温泉で同宿の西洋人男性二人組が休んでいた。「東京から来ていて、スペイン人の彼が3ヶ月後に帰るので彼の希望で熊野古道に来た」と言っていた。
- 桜茶屋跡のあずまやで再度展望を楽しんだ後、ツツジ咲く道を下って小和瀬(こわぜ)に着いた。車道トンネルの上の歩道を越えると小口(こぐち)だった。桜咲く「自然の家」で幕営した。
- 最終日は、大雲取越だった。越前峠までは登りだった。峠を下ったところから地蔵茶屋までは林道を通る迂回路だった。やがて舟見茶屋跡に着いた。下には海と那智の町が見えた。ゆるい坂を下ると那智高原に着いた。広々とした公園で桜がきれいだった。
- 遊歩道を下ると那智山に着いた。青岸渡寺(せいがんとじ)から那智大滝に向かって階段を下って行くと前日の西洋人二人組に会った。「お疲れ様でした」とお互いの健闘をたたえて別れた。
- 那智大滝見学後は、那智大社まで登り返した。お参りを終え、今回の山行を終了した。