- 空木岳山頂を後にし、稜線を南へ向かった。強い西風だった。雨も降っていた。眼鏡が曇り、手袋で何度も拭いた。ザックカバーが飛ばされそうになったので、紐で上下をザックに縛り付けた。赤椰岳の登りになる所が風が少し弱かったので小休止した。赤椰岳への登りでストック先端の滑り止めをなくしてしまった。
- 赤椰岳に着いて避難小屋まであとわずかになり少しほっとした。ハクサンシャクナゲとツガザクラが咲いていた。赤椰岳からの下りになると風が一段と強くなった。風を避けるために屈みながら下った。空木岳でこの風だったら引き返したろうと思った。
- 稜線から摺鉢窪へ曲がると風が急になくなった。ハクサンイチゲやシナノキンバイが霧の中に咲いていた。今までの強風と比べると別天地のようだった。
- 避難小屋で濡れた服を脱ぎ寝袋にくるまって休んだ。17:30頃にもう一人登山者がやって来て、この日の宿泊は2人になった。外は大雨で屋根に当たる雨の音がうるさかった。
- 最終日は晴れだった。朝日を浴び、花を楽しみながら摺鉢窪のカールを登った。まだ雪解けが終わったばかりの場所も有るらしく、ショウジョウバカマも咲いていた。
- 南駒ヶ岳への登りは急な岩場だった。途中で道を間違え、5-6mほど戻った。南駒ヶ岳山頂は誰もいなかった。360度の展望だった。小さな祠が有った。イワカガミが少し咲いていた。西風が少し吹いていた。
- 南駒ヶ岳からの下りで稜線の東側に出ると風がなくなった。ハイマツ帯を下っていくとお花畑になった。コバイケイソウが多かった。仙涯嶺への登りは岩場で鎖が有った。越百小屋に宿泊していた登山者と次々とすれ違った。
- 仙涯嶺で休んでいたら越百小屋側から登ってきた登山者に「富士山の左に見える山は何ですか?」と聞かれた。「塩見岳です」と教えて上げた。しばらく感慨にふけっていたその登山者は「これをどうですか」とチョコをお礼にくれた。
- 仙涯嶺からしばらく花崗岩の多い道を越百山へ向かった。足元にはイワツメクサが多く咲いていた。