- 帯広から日高北部森林管理署に電話をかけ、林道ゲートの鍵を借りる手続きをした。「管理所前の鍵ポストに入れておくのでいつ取りに来ても良い」との事だった。ところが日高町に着いてから森林管理署の場所が分からず2回も電話で場所を聞いてしまった。結局、担当者がわざわざ建物の外に出てきてくれた。この日は林道ゲートは開放されていた。登山口駐車場の端に車を停めテントを張った。
- 翌日、明るくなるとすぐ出発した。取水口までは林道歩きだった。林道沿いの沢には水が無かった。林道終点の取水口からは水がたくさん流れていた。渓流足袋に履き替えた。標高830mの二俣付近までは左岸に道が有り、足をぬらさずに歩くことができた。830mの二俣を過ぎると水流の中の歩行がたびたび出てきた。深いところで膝下10cmくらいだった。沢登りは変化が有り、時間のたつのが遅く感じられた。標高1000m付近にはロープや梯子が有った。標高1140m付近に二俣が有った。右股の方は、水量がやや少なく入口が少しナメ滝になっていた。右股に入った。
- やがて沢は水が無くなり、尾根を乗り越した。わずかの下りで二つ目の二ノ沢に出た。幅の広い明るい沢だった。山頂方面にはガスがかかっていた。右岸の湧き水が出ている地点を過ぎると水が無くなった。登山靴に交換した。標高1520m付近の二俣を右に入るとシナノキンバイの咲くお花畑になった。
- 最後の熊の掘り返しの多いお花畑を進んでいくとチロロ本峰と西峰とのコルに着いた。風が強くガスに覆われていた。登頂しても無意味かとは思いつつも、あと30分なので我慢して登っることにした。イワブクロの混じるハイマツ帯だった。ニセピークのあたりは風が強かった。
- 山頂はガスに覆われていた。山頂直下の南側に風の来ない場所が有ったのでガスが晴れるまでねばることにした。携帯がかろうじて通じた。1時間以上ねばり、ようやく晴れてきて下の方が見えてきた。残念ながら回りの山々は依然雲の中だった。十勝平野がわずかに見えたところで納得して下山を開始した。
- コルに戻った時は再びガスに覆われていた。西峰にも行きたかったが断念した。
- 沢は下りの方が難しかった。ロープが有るあたりは登りよりも時間がかかるくらいだった。830mの二俣付近で登山靴に履き替え、最後はあっけなく登山口に着いた。この日は誰にも会わなかった。
- 林道ゲートは前日とは違って鍵がかけられていた。森林管理所まで戻りポストに鍵を返却した。