- 三伏峠からの縦走も三日目。荒川小屋で朝食を食べてから出発した。痛めた右膝は少し回復し、あまり曲げないようすれば何とか歩くことができた。
- 大聖平へは日の出を見ながらの登りだった。ガスの少し舞う荒涼とした景色だった。足元にはマツムシソウが咲いていた。
- ジグザグの道を登って行くと小赤石の肩に着いた。小赤石の肩付近からはチシマギキョウが多く咲く稜線になった。赤石小屋からの道が合流すると登山者が多くなった。
- 赤石岳山頂には登山者が8人いた。快晴だった。
- 赤石岳からはゴロゴロの大きな岩の多い下りだった。右膝を気にしながらゆっくり下った。鞍部から百間平へ向かう尾根ではハクサンフウロが咲いていた。
- 百間平から百間洞のテント場までの下りは右足をあまり曲げない歩き方に慣れコースタイムで歩けた。気を良くして大沢岳を経由する事にした。
- 大沢岳への登りはハイマツ帯のゴロゴロの岩の登りだった。登るに従い風が吹いて涼しくなってきた。ガレの縁を通り山頂に着いた。食料が余りそうなので山頂でラーメンを作って食べた。
- 大沢岳からの下りで単独行とすれ違った。「まあ、物好きな」と声をかけられたので「お互いに」と返事をした。
- 百間洞からの巻道と合流した後、中盛丸山へは快調に登った。中盛丸山には聖岳方面からの登山者が7人休んでいた。中盛丸山からの下りは急だった。喘ぎながら登ってくる登山者と次々すれ違った。
- 中盛丸山を下った鞍部からは登り下りの多い稜線になった。やがて水場の標識が立つ小鞍部に着いた。小鞍部から水場への高度差は約40mだった。岩から水が湧き出ていた。
- 3リットルの水で重たくなったザックを担いで兎岳へと登った。兎岳山頂周辺にはタカネビランジやマツムシソウが咲いていた。
- 兎岳山頂からハイマツ帯を少し下ると避難小屋に着いた。床にはプラスチックボードが張られ、外見よりきれいな小屋だった。大沢岳に箸を置き忘れていたのでハイマツの枝を折って箸にした。松脂風味の夕食になった。
- 18時近くにトレイルランの若者が到着した。この日の宿泊は二人だけだった。