- 3日前の台風で、札内ヒュッテから先の道路は通行止めだった。コイカクシュサツナイ川出合まで偵察に行った。幸い水は澄んでいて翌日の登山には問題なさそうだった。
- 翌日、渓流シューズを履いて川を登った。水量は膝下までで快適に登れた。台風のせいで葉の青々とした倒木があちこちにあった。函が二つあった。下の函は右岸の巻道を、上の函はまっすぐ通った。
- 上二俣には夫婦がいた。「夏尾根頭に2泊し1839峰をピストンした。二日前に比べ川の水はだいぶ引いている」と言っていた。登山靴に履き替えようとして靴下(ニッカホース)を一つ落としていることに気がついた。舌打ちしながら、右足1枚、左足2枚の靴下を履いた。水を5リットルにし、急な尾根を登り始めた。
- 夏尾根頭に着くと稜線の展望が一気に開けた。足元にはウメバチソウがたくさん咲いていた。時間的にはヤオロマップ岳まで行けそうだったが、眺めも良いのでここで幕営する事とした。
- テントで休んでいると、一つカムエク側のコブから声がかかった。日高を縦走して襟裳岬まで行くとの単独行だった。夕刻までの間に夏尾根を6人、沢を一人の計7人が登ってきた。結局テントはカムエク側のコブ1張り、夏尾根頭3張り、コイカクシュサツナイ岳2張り、ヤオロの窓1張りになった。
- 翌日、沢登りと縦走者を除く、7人が1839峰を目指した。他の6人はそれぞれのテントからの軽装でのピストンだった。ハイマツが靴下のない右足にあたり痛かったので途中でレインウェアを履いた。
- ヤオロマップ岳でテントを張った。ここで最後の一人に追いつかれ、最後部で山頂を目指した。
- 前衛峰を過ぎたところで相次いで3人とすれ違った。鞍部南側のお花畑には熊の掘り返しが有った。
- 山頂に着いたときは穴田夫妻と青森からの単独行の計3人が休んでいた。霧が出てきて展望は得られなかった。雑談しながらくつろいだ。3人が出発したあと更に30分程休んでから山頂を後にした。
- ヤオロマップ岳に着く直前に鈴の音が聞こえた。先行者がちょうど出発するところらしかった。水場は山頂から東側へ標高差80m下ったところにあった。チョロチョロと流れる湧き水で3リットルくむのに15分かかった。
- 翌日は霧雨だった。コイカク山頂の穴田夫妻は、まだテントで休んでいた。コーヒーをごちそうになった。
- 夏尾根の下りでコイカクまで日帰りで登るという夫婦とすれ違った。沢の下りで石の上に置かれている「落とした靴下」を見つけた。札内ヒュッテ前に着いたときに話を聞いたら青森からの単独行が「目立つところに置いておいた」とのことだった。感謝した。結局、今回山中で会ったのは13人だけだった。