日本の城リファレンス:page10(城の縄張り)
 本丸とか、二の丸とか、西の丸などといった区画を曲輪(くるわ)という。 で、次からが問題なのだ。以下に示す城の縄張りの分類法は大類伸・鳥羽正雄というえら〜い学者の方が「仮称」として『日本城郭史』という本にチラッと書いたものが、検討なきまま日本中に広まってしまったもの。城の全てをこの分類に分けることなぞ到底不可能(まあ、城の構造を知る手助けにならんこともないだろうが)。そのことは知っておいたほうがいい。だが、あまりにもこの分け方が普及しており、城の本や各城で配られているパンフレットにも「〜式」と書かれているので、書き手が何をいいたいのかを知る上ではいちおー知っておいて損はない。

1・連郭(れんかく)式
本丸以下を一直線に配置した縄張り。(例:水戸城、小山城)

2.悌郭(ていかく)式
大手口から梯子を登るように三の丸、二の丸、本丸と続くのでこの名前がついた。山城や平山城に多いのは本丸の後ろが絶壁でないと一喝した武将に吹き飛ばされた部隊によっていきなり本丸が攻められるからである。(例:会津若松城、鳥取城)

3.輪郭(りんかく)式
環郭式・囲郭式とも言う。本丸を中心、その外側に二の丸、三の丸と環状に続く。曲輪配備の基本的なものである。平城・平山城に多い。(例:大坂城、駿府城、山形城、二条城)

4.渦郭(かかく)式
本丸を中心にぐるぐる巻きに配置した縄張りである。(例:江戸城)

5.並郭(へいかく)式
本丸と二の丸(天守曲輪…後述…などの場合もある)が双立した形で配置され、それを三の丸がぐるっと囲んでいる縄張り。(例:大垣城、島原城)

6.階郭(かいかく)式
段階状に曲輪を形成したもの。城下からの景観を特に意識した作りである。(例:丸亀城、姫路城)

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