日本の城リファレンス:page7(石垣総論)
 土の山だったら簡単に登れてしまう、そこでもっと坂を急にする方法として石垣があるわけだ。
まずは、自然の加工していない石をそのまま積み上げてみるか。これが野面積み。崩れやすいので5m強しか積むことは出来ない。隙間から敵に上られないように詰め石をする。排水性に優れている点が他の石垣よりも強みである。角度は68度くらい。でも、石垣に隙間があったら簡単に登れる。野面積みじゃ隙間が多すぎだ。
 じゃあ、石を槌で叩いて形を整えて石垣の外側だけを平らに仕上げてみるか。これが打ち込みはぎ。石と石の間に小石を挟んでいるのは上と同じ。傾斜は72度。でも、さらに隙間をなくしてみたいなあ。
 そして開発されたのが、まったく隙間が出来ないように切り石のみを積んだ超高等技術・切り込みはぎ。角度は75度にまでいたる。

【穴太衆】
あのうしゅうとよむ。滋賀県大津市穴太に住む石垣作り専門集団。安土城や石垣山一夜城の石垣はこの人たちの手によって作られている。

【巨石運び】
織田信長が二条城(注:足利義昭居館)築城の際に始めた祭礼儀式の一つである。石を綾錦で包ませて花で飾り、笛太鼓で囃しながら運ぶ。当時の京童の絶大的人気を呼んだ。信長の政策の一つにほかならない。後に、豊臣秀吉の大坂城築城の際、加藤清正の名古屋城お手伝い普請の時にもこの方法が使われている。

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