日本の城リファレンス:page2(城の形態−山城)
1.山城
要害に作られた城。普段は麓の館に住んでいるが戦になると山に駆け登って戦うというわけだ。どうして山に築いた方がいいかってそりゃ分かるでしょう、高いところから相手を襲った方がこっちには有利だってことは。戦国期もクライマックスになるにつれ、小谷城などの山全体を城にしたすごい城も現れ始める。しかし江戸時代には平城や平山城に取って代わられ、備中松山とか、そのあたりしか残らなかったのである(ただ、「平山城」と呼ばれている城のうち、明らかに山城に分類すべき城もあるのでそうともいいきれない)。理由として、鉄砲の発達が挙げられる……などと書いてある本があるが、鉄砲(無論、火縄銃のこと)がない時代に実戦的な平城が築かれた例もあるし、鉄砲普及後も軍事的緊張が激しい場合は山城が好まれた。基本的には、何よりも交通の便が悪い「ことが多い」山城は城下町がたいして発展せず(岐阜城とかの大例外を除いて)戦国大名の本城として経済・流通の拠点になれなかったのだ。それに、織豊期は織田信長の「館と城郭を融合させる」というのが流行り出したため、平時住むことも考えればあまり高い山は避けたい、というのもあるだろう。

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