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ディープ・ブルー | ![]() |
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2003年作品。イギリス・ドイツ合作映画。91分。配給=東北新社。ナレーション:マイケル・ガンボン。監督&脚本:アラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット。音楽:ジョージ・フェントン。演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。製作:BBC ワールドワイド、グリーンライト・メディア。
隊列を組んで海を渡りながら回転、半ひねりなどのジャンプを競い合うハシナガイルカ。子供アシカを執拗に狙うシャチたちの生々しい迫力。巨大な塊となって泳ぐイワシの大群。海中での海鳥、イルカ、サメの激しい攻防戦。マイナス50度の中で必死に卵を守るコウテイペンギンの群れ。それぞれに印象的なシーンだった。しかし、私が狂喜したのは、虹色に発光する深海生物たち。それは「未知との遭遇」のようだった。海の激しさと美しさ、その魅力をたっぷりと味わう、ぜいたくな時間を過ごした。
箪笥 | ![]() |
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2003年作品。韓国映画。115分。配給=コムストック。監督・脚本=キム・ジウン。製作総指揮=チェ・ジェウォン。製作=オ・ギミン、オ・ジョンワン。撮影=イ・モゲ。照明=オ・スンチョル。編集=コ・インピョ。美術=チョ・グンヒョン。衣装=オク・スギョン。音楽=イ・ビョンウ。スミ=イム・スジョン、スヨン=ムン・グニョン、ウンジュ=ヨム・ジョンア、父ムヒョン=キム・ガプス、実母=パク・ミヒョン、ソンギュ=ウ・ギホン、ミヒ=イ・スンビ、医師=イ・デヨン、ファン院長=ノ・スンジン、チャン氏=ソン・イニョク、おばさん=イ・ヨンシル、チァンヌン幽霊、看護士=ウォン・エリ
俳優たちは皆上手い。スミ役イム・スジョン、スヨン役ムン・グニョンの二人は、少女の愛くるしい表情と恐怖におののく表情を使い分けていた。継母ウンジュ役のヨム・ジョンアが、特にすごい。笑っているだけで怖い。私は梅図かずおのマンガを連想した。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 | ![]() |
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2004年作品。アメリカ映画。142分。配給=ワーナーブラザーズ。監督=アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)。製作=デヴィッド・ヘイマン。製作総指揮=マイケル・バーナサン、クリス・コロンバス、マーク・ラドクリフ、カラム・マクドゥガル。原作=J・K・ローリング(J.K. Rowling)。脚本=スティーヴ・クローヴス。音楽=ジョン・ウィリアムズ。撮影=マイケル・セレシン。編集=スティーヴン・ワイズバーグ。ハリー・ポッター=ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)、ハーマイオニー・グレンジャー=エマ・ワトソン(Emma Watson)、ロン・ウィーズリー=ルパート・グリント(Rupert Grint)、ルビウス・ハグリッド=ロビー・コルトレーン(Robbie Coltraine)、シリウス・ブラック=ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)、アルバス・ダンブルドア=マイケル・ガンボン、ミネルバ・マクゴナガル=マギー・スミス、セブルス・スネイプ=アラン・リックマン、ルーピン先生=デイビッド・シューリス、ドラコ・マルフォイ=トム・フェルトン、ネヴィル・ロングボトム=マシュー・ルイス、スプロウト先生=ミリアム・マーゴリーズ、ミスター・ウィーズリー=マーク・ウィリアムズ、フリットウィック先生=ワーウィック・デイヴィス、ミスター・フィルチ=デヴィッド・ブラッドリー、コーネリアス・ファッジ=ロバート・ハーディ、トレローニー先生=エマ・トンプソン
始まってすぐのバスのシーンは、一昔前のティム・バートンのおふざけを連想させて楽しい。ハリー・ポッターに襲いかかるディメンダーは、観ている者が怖くなるほど無気味だ。ハーマイオニーが人前でキレ、ハリーは殺意を抱くほど怒りをあらわにする。確かに、これまでとは違う。そして、全体に暗めの色調もミステリアスな雰囲気を盛り上げていた。
スチームボーイ | ![]() |
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2004年作品。日本映画。126分。配給=東宝。監督・原案・脚本=大友克洋。脚本=村井さだゆき。総作画監督=外丸達也。エフェクト作画監督=橋本敬史。美術監督=木村真二。CGI監督=安藤裕章。演出=高木真司。テクニカルディレクター=松見真一。デジタルコンポジット=佐藤光洋。編集=瀬山武司。音楽=スティーブ・ジャブロンスキー。音響監督=百瀬慶一。レイ=鈴木杏、スカーレット=小西真奈美、ロイド=中村嘉葎雄、エディ=津嘉山正種、ロバート=児玉清、デイビッド=沢村一樹、サイモン=斉藤暁、アルフレッド=寺島進
世界で初めての万国博覧会が開催されようとしている19世紀半ばのイギリスが舞台。発明家という家系に育ったレイ少年は、世界を変える力を持つ驚異的な発明品「スチームボール」を手にする。そこから、スケールの大きな冒険活劇が始まる。手描きとデジタル技術を融合させた繊細きわまりない映像は、たしかに素晴らしい。実に丁寧に作り上げたことが分かる。しかし、「AKIRA」のような、あっと驚く映像美に出会うことはできなかった。
ストーリーも「子ども向け」を意識し過ぎている。「子供に夢を与える作品を作りたかった」と大友監督は話しているが、物語を単純化するだけでは、逆にインパクトが薄れる。もっと大胆な映像表現で、ねちっこく描いても良かった。音響も技術的には進歩しているが、ハリウッド的過ぎて大友らしくない。「AKIRA」での芸能山城組の参加のような斬新さがほしかった。全体に、ハリウッドや世界市場狙いが見え透いている。残念だ。
スイミング・プール | ![]() |
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2003年。フランス・イギリス合作。102分。配給=ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ。監督・脚本=フランソワ・オゾン(Francois Ozon)。製作=オリヴィエ・デルボス、マルク・ミソニエ。共同脚本=エマニュエル・ベルンエイム。撮影=ヨリック・ルソー。音響=ルシアン・バリバー。美術=ウォウター・ズーン。編集=モニカ・コールマン。衣装=パスカリーヌ・シャヴァンヌ。メイク=ジル・ロビラード。ヘア=ミリアム・ロジャー。音楽=フィリップ・ロンビ。サラ・モートン=シャーロット・ランプリング(Charlotte Rampling)、ジュリー=リュディヴィーヌ・サニエ(Ludivine Sagnier)、ジョン・ボスロード=チャールズ・ダンス、マルセル=マルク・ファヨ−ル、フランク=ジャン=マリー・ラムール、マルセルの娘=ミレイユ・モセ
人を食った作風のオゾン監督の新たな手練として、最後に驚かされる。後から思い返すと、さりげないヒントがちりばめられている。無駄がない。しかしながら、呆れてしまうほど強引だったオゾン・テーストは、やや上品になった。確かに人を食った結末なのだが、ミステリー作家の心理に沿って無理がない。
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