グランドオープン前のまとめ

 価格を比較したところ、ツール王国MAXになって値段が上がっていることがわかる。正確に言うと値上げというより利益の出る適正な価格になっただけなのだが、旧ツール王国の価格を知る者からすると、やはりかなり物足りない。「バカじゃなかろうか」といった価格を打ち出してこそツール王国であり、一度甘い汁を吸ったことのある者の利己的な期待値である。
 さらに痛いのが送料の値上げ。ツール王国時代は315円(後に525円)だったのが、735円になってしまった。店舗が存在していた旧ツール王国時代は送料がかかろうかかかるまいが、店に行けばよかっただけの話なので特段気にする必要はなかったのだが、通販しかなくなるとこの送料は痛い。一度に大量に購入しない限り、コストメリットが吹っ飛んでしまうだけの価格だ。全国に店舗展開するアストロプロダクツやストレートなどと勝負しがたい。

 商品の少なさも気になる。webに掲載されている商品の数を数えたら分かるし、今回の建国記念祭のチラシのページ数をみてもわかる。旧エイシンが1999年に初めて発行したカタログ「ES POWERSHOP VOL.1」の総ページ数は50ページだったと記録されている(商品掲載数は不明)。また 旧ツール王国最後かつ未完のキャンペーンでは総ページ数が実に48ページ。見ているだけで楽しかった。それに比べて建国記念祭は4ページしかない寂しい船出である。




 これから商品数は増えていくのだろうか。ライバルのラインナップを考えるとそうじゃないと食っていけないのは明らか。しかし商品が多いと在庫を抱える・・・難しいところだ。エイシンの名を一躍有名にした激安オイルフィルターなどは、モノタロウに完全移行してしまったため、取り扱われることはもうないと考えられる。それだけでもラインナップが少なくなる。



一番右の矢印のフィルターがAZ−1用
品番はツール王国で売られていた頃と全く同じ



 以上のように見ていくとかなり厳しいことが予想される上に、タイミングの悪いことに世界的な金融危機の荒波が押し寄せた。前述の通り、ツール王国MAXは昨日の今日で復活したわけではないだろうから、ひょっとすると金融危機が訪れる前にこの先景気がよくなると踏んで復活の企画が進んでしまい、今日に至ったのかもしれない。もしそうだったら何とタイミングの悪いことか・・・結果論だが、現状の金融危機を考えると旧ツール王国の自己破産はどのみち時間の問題だったと思われる。

 なんか暗い話ばかりになってしまったが、ツール王国MAXがツール王国メビウスにまた変わったなんてことにならないよう祈るばかりだ。そしてアストロやストレートなどにはない独自商品を開発しないと生き残りは難しいと考える。