チャージランプが点灯するようにする
前回、LIN端子のオルタネータをAZ−1に取り付けた場合、L端子やIG端子がオルタネータに付いていなくても発電することを確認した。ただし、IG ONの際にチャージランプが点灯しない(エンジンが回っても点灯しない)ことも確認した。従ってこのままでも構わないのだが、チャージランプが点灯しないというのは都合が悪いかもしれない。そこでチャージランプが点灯するよう試みた。
LIN端子オルタネータの場合、オルタネータのローターが回転していることを検出できる/できない、でチャージランプを非点灯/点灯できるようにすればよい。種々検討したところ、レギュレータのF端子が使えそうであるということがわかった。矢印部分がF端子である。
F端子にはフィールドコイル(ローターのコイル)にかける電圧が出ている。オルタネータはエンジンの回転とともに発電を始めるが、エンジン回転数が上がりすぎるとオルタネータが発電する電圧も14Vを超えて上昇してしまう。それでは非常にまずいので、14V程度になるようコントロールする必要がある。それを司るのがオルタネータに内蔵されているレギュレータであり、コントロール用の電圧が出ているのがF端子というわけだ。オルタネータの教科書に書いてある言葉をベースに、模式的に表したのが下のグラフ。エンジン回転数に反比例してF端子電圧が連続的に変化する様子をイメージした物である(←後に、このタイプのデンソー製オルタネータでは間違いであることがわかってしまった)。が、一旦連続的に変化するという前提で話を進める。
F端子に出ている電圧を測定した結果、0.6Vから6Vぐらいであることがわかった。ローターの回転数が高いほど(エンジン回転数が高いほど)F端子の電圧は下がる方向へ行きやすい。下の写真の例では、2.8Vほど出ている。
ちなみに、F端子電圧を測定したムービーはこれ。
チャージランプを点灯/非点灯させるための信号として使えそうなことがわかったので、次は点灯/非点灯にする回路を作る必要がある。検討の結果、三点ほど案が出てきた。一つ目は「リレー方式」、二つ目は「コンパレータ方式」、三つ目は「レギュレータ交換方式」である。
三案がどんなものなのかは追って述べるとして、長短を一旦表にまとめてみた。
方式 |
概要 |
長所 |
短所 |
リレー方式 |
リレーを使用する |
回路構成が単純 |
オルタネータとは別体の回路を付加する必要あり |
コンパレータ方式 |
コンパレーター LM393を使用する |
回路構成が少々複雑 |
オルタネータとは別体の回路を付加する必要あり |
レギュレータ交換方式 |
L端子、IG端子のついたレギュレータに交換する |
一番すっきりまとまる |
改造費が高額になる |
次頁ではリレー方式の検討結果を述べる。