現状の把握

 まず「最重要項目」をかたずけましょう。この項目には、「自分が作りたいHPをイメージする」こと、「イメージしたHPを作るだけの資質があるのか」と自問自答すること、「同類のホームページの検索」、「ディレクトリの調査」の4つに分かれています。

自分が作りたいHPをイメージする
 私の弟の場合、これはできていました。何に関するものを作ろうとしたかというと、自分の車に関してです。なんか私と同じパターンですが、車は全く違います。「81年式コルベット」というV型8気筒6000CCエンジンを積んだ車に関するものです。ちなみにこのHPは「どうしても人に知らせたい、伝えたい情報」に該当するでしょう。

弟(ヤンキーではない)はこんな車のHPを作ろうとしている

 このように「何に関するHPを作りたいのか」がはっきりしている場合はかなり楽です。HPは作ってみたいが、何について作ればいいのかが分からない方は、本編に書いてある、3.どのようなお題目をホームページにすればよいのかの章を参照にして、「人のためになる情報」、「回り回って自分のためになる情報」、「どうしても人に知らせたい、伝えたい情報」、「他にない、いままで体系化されていない情報」という切り口でもって、自分の知識・能力・問題意識・経験等の中に、これらに該当するものはあるかどうかを考えてみてください。他人が興味を持つ内容でならばなお可です。

イメージしたHPを作るだけの資質があるのか
 HPを作れるだけの資質とは何かというと、あなたが作ろうとしているホームページが、あなた自身の知識・能力・問題意識・経験等に裏打ちされたものであるかどうかということです。あなたのイメージしているホームページに対して他の人から質問がきても、それに適切に対処できるだけの知識・能力・問題意識・経験等があるか、と言い換えることもできるでしょう。もちろん、ここで言う知識とか能力とかはあなたがイメージしているホームページの内容に関するもので、HTML等のホームページ作りの技法等に関するものではありません。またこれが欠けていると、絶対にHPはつくれません。作ったとしても内容の浅いものになるか、わけのわからないものになってしまいます。
 これに関しても弟の場合は問題無いでしょう。自分で車の部品を海外から調達して、さらに自分で車をばらして修理できるのですから。

同類のホームページの検索
 弟の場合は、自分自身の知識・能力・問題意識・経験等に裏打ちされたホームページのイメージがまとまっています。しかし、ここからが問題となります。弟のイメージしたホームページがすでに存在しているかもしれないのです。他人と同じ様な・同じレベルのホームページを後から作っても存在意義はありません。特にホームページの内容が劣る場合は救いようがありません。弟はコルベットのHPを作ろうとしていますが、それに関するHPは既にあるでしょうか。また存在するとしたら、その既存のHPに書かれている内容のレベルはどのくらいなのでしょうか。弟はそれを越える内容のHPを作らない限り、作ったHPの存在意義はありません。そこで、同類のHPを早速探してみましょう。
 具体的にはまず最初に、Yahoo!からディレクトリを辿って調べます。コルベットは車なので、「趣味とスポーツ」というディレクトリの中の「車」というディレクトリに入っていきます。次にこのディレクトリの中に同類のHPがあるかどうかを検索します。やり方としては、ディレクトリの名称、HPのタイトルとその紹介文から同類のものかどうかを選別するという方法をとります。また同類と思われるものに関しては実際にアクセスして内容をチェックしておきます。
 さらに今度はキーワード検索を行います。自分のイメージしているHPをサーチエンジンに登録するときはYahoo!等を除いてキーワードも一緒に登録しますが、登録しようと自分が考えているキーワード(この場合はコルベットに関係するような)を用いて検索すればいいのです。またHPの内容に関して重要と思われる項目については全文検索を行います。これらに関しては、Yahoo!に加えてgooやInfoseek等のキーワード型サーチエンジンで行うのが効率的でしょう。
 もしキーワード型サーチエンジンで同類のHPがでてきて、これが先ほどのYahoo!での検索で見つけられなかった場合は、このHPを再度Yahoo!で探します。探し方はYahoo!の検索窓にURLを入れるだけです。Yahoo!はURLからの検索もできるのです。もしそれで出てきたならば、それが登録されているカテゴリを確認します。弟が作ろうとしているHPはそこのディレクトリに登録される可能性が高いといえます。


同類のHPを検索するフロー

 以上の検索の結果、コルベット関係のHPは既に存在しているでしょうか。まずYahoo!で探してみたところ、'98年6月27日現在で「趣味とスポーツ」→「車」→「メーカーとモデル」→「シボレー」→「コルベット」というディレクトリに3件存在していることが確認できました。また「趣味とスポーツ」→「車」→「一般的な情報」というディレクトリに1件確認できました。ただしこれはアメ車全般を扱うHPで、コルベットのみの話題を取り上げているところではありません。
 次にgooで「コルベット」というキーワードを指定して検索したところ、コルベット関連のHPはYahoo!で検索された4件しか出てきませんでした(中古車屋や新車屋のHPで「コルベットを売っている」程度のものが若干検索されたが、弟が作ろうとしているHPはディーラーのHPとは明らかに競合しないので、これらのHPは無視した)。以上の結果から、インターネット上ではコルベット関連のHPは'98年6月27日現在4件しか存在していないといえます。

ディレクトリの調査
 多くの場合、初めての人がホームページに訪れる時は、サーチエンジン(特にYahoo!)のディレクトリを辿りながらやってきます。このことはすでに本編のYahoo!の威力と落とし穴で述べましたし、実際Yahoo!に行って見ていただければおわかりになると思いますが、階層が深くなるに従ってアクセス数が減少する傾向にあります(あくまでも一般則で例外もあります)。従って、せっかくすばらしいホームページを作ったとしても変なディレクトリに登録されればアクセス数が全く増えないことになります。こんな悲惨な結果にならないためにも、自分が登録されるであろうディレクトリをあらかじめ確認しておく必要があります。
 さて、先ほどのYahoo!での調査の結果、発見された既存のコルベット関連のHPは「趣味とスポーツ」→「車」→「メーカーとモデル」→「シボレー」→「コルベット」というところと「趣味とスポーツ」→「車」→「一般的な情報」にありました。次にそのディレクトリにある既存のHPのアクセス数は多いでしょうか。そこがアクセス数の多い所ならば問題ありません。アクセス数が多い・少ないを判断の方法ですが、先ほど行った同類のHPの検索で同類と思われるHPの内容を確認する際、そのHPのアクセスカウンターの数とHPの開設日を記録し、他のディレクトリに登録されているHPのカウンタの数と比較することで、そのHPが登録されているディレクトリに人気があるのかないのかを判断する、というものです。


人気ディレクトリか否かを判断するフロー

 その結果ですが、・・・「シボレー」→「コルベット」というディレクトリに登録されている2つのHPはともにアクセスカウンタがないためアクセス数が不明でした。しかし、・・・「一般的な情報」のほうは45,000件ほどアクセスがあることが確認できました。「一般的な情報」に登録されている方は、ディレクトリが浅いところにあるため、それからアメ車全般を扱う内容の豊富なサイトであるためにこれだけのアクセス数になったものと考えられます。以上の結果をまとめると、アクセスカウンタの不備によりどちらのディレクトリに人気があるのか判断できませんでした。しかし、弟のHPはコルベットのみを扱うことから、・・・「シボレー」→「コルベット」のディレクトリの方に登録されるのは避けられないと言えるでしょう。
 もしあなたのHPが人気のないディレクトリに登録されそうなら、サーチエンジンに登録する前に、内容の主旨を変えない範囲で微修正する必要があります。これは人気カテゴリに登録されているHPの内容とその傾向を勘案しながら、あなたのHPに織り込んでいくことで対応します。もし弟が、・・・「シボレー」→「コルベット」というところに自分のHPを登録したくない場合は、アメ車一般の話を少しでも入れておいて、・・・「一般的な情報」のディレクトリへの登録を試みます。それでも、・・・「シボレー」→「コルベット」というところに登録されたならばそのHPは一旦廃止して改めて作りなおして、・・・「一般的な情報」に登録されるようにします。

 以上の結果、コルベット関連の既存のHPが確認できました。その内容の解析、解析結果から得られる弟のHPが進むべき方向性、弟のHPのどこをどう直せばよいのか、に関しては、次回述べたいと思います。ちょっとだけ触れると、既存のコルベット関連のHPの1つは、「内容的には押さえるべきツボをきっちり押さえている」というものです。はっきり言って、最も対策の打ちにくいHPといえるでしょう。この既存のHPを越えるには、「圧倒的な内容」しかありません(見栄えはなんとでもなる)。圧倒的な内容とは、「考えられ得る全ての項目を網羅した上で、使える情報・読んでいて楽しい情報を、より深くより鋭く突っ込んで表現する」ということになります。一見難しそうですが、「HP作りに関する資質」が備わっていれば造作もないことです。