#6 永遠に愛し合う数

(2006/5/17)

放送で紹介された内容

  • 220 と 284は永遠に愛し合う数
  • 220 の約数は、1, 2, 4, 5, 10, 11, 20, 22, 44, 55, 110, 220。
    220 以外のものを足すと合計は 284 になる
  • 284 の約数は、1, 2, 4, 71, 142, 284。
    284 以外のものを足すと合計は 220 になる

数学的なバックグラウンド

『博士の愛した数式』ですっかりおなじみになった友愛数の話題です。
英語では amicable number といい、訳語としては、友愛数、親和数、という用語が使われます。
詳しい解説はこちらの方に書いたので、 ここでは、友愛数と関連する数についてのサンプルを紹介します。


友愛数の定義は「約数の和から自分自身を引いたものが、もう一方の数と等しくなる」なので、
自然数 n の約数の和をσ(n)と表すとき、友愛数 (m, n) の定義を式で書くと、

σ(m)−m=n
σ(n)−n=m

となります。この式は、

σ(m)=σ(n)=m+n

と変形することができます(後で他の数を定義する時に使用します)。

10万以下の友愛数の組は、以下の13通りです。

(220, 284)
(1184, 1210)
(2620, 2924)
(5020, 5564)
(6232, 6368)
(10744, 10856)
(12285, 14595)
(17296, 18416)
(63020, 76084)
(66928, 66992)
(67095, 71145)
(69615, 87633)
(79750, 88730)

1010 以下の友愛数はこちら1427 組あります。

これまでに見つかっている友愛数は、(偶数, 偶数)、または、(奇数, 奇数) のペアのみで、
(偶数, 奇数) となるペアは見つかっていません。
(偶数, 奇数) となるペアがあるのかないのか、は未解決問題です。


「約数の和から自分自身を引いたもの」が友愛数の定義ですが、
どんな自然数でも、1と自分自身は約数となるので、
自分自身だけでなく、1も引いたものが互いに等しくなるような数の組を考えてみます。
このような数の組を準友愛数 (quasi-amicable number) といいます。
式で表すと、

σ(m)−m−1=n
σ(n)−n−1=m

または、

σ(m)=σ(n)=m+n+1

となります。

10万以下の準友愛数の組は、以下の9通りです。

(48, 75)
(140, 195)
(1050, 1925)
(1575, 1648)
(2024, 2295)
(5775, 6128)
(8892, 16587)
(9504, 20735)
(62744, 75495)

1010 以下の準友愛数はこちら404 組あります。


準友愛数の定義式、

σ(m)=σ(n)=m+n+1

を少し変えて、

σ(m)=σ(n)=m+n−1

としたもの、或いは、

σ(m)−m+1=n
σ(n)−n+1=m

を満たすような数の組を、拡大友愛数(augumented amicable number) と呼びます。
10万以下の拡大友愛数の組は、以下の4通りです。

(6160, 11697)
(12220, 16005)
(23500, 28917)
(68908, 76245)

1010 以下の拡大友愛数はこちら420 組あります。


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三島 久典