6.Bernoulli数、Euler数

Bernoulli数 Bn

Bernoulli数 Bn は以下の式により定義される(読み方は「ベルヌーイ」。人名である)。

Bn :  z
-------
ez−1

Σ
n=1
Bn
----
n!
zn

p/q=rの式にあてはめると、

p:z(1次の項のみ)

q:ez−1
   =1+z+z2/2!+z3/3!+……+zn/n!+……−1
   =z+z2/2!+z3/3!+……+zn/n!+……

r:B0+B1z+B2z2/2!+……+Bnzn/n!

rnを順に求めていくと、

n=1:1=1・B0 ∴ B0=1

n=2:0=B1+B0/2! ∴ B1=-1/2

n=3:0=B2/2!+B1/2!+B0/3! ∴ B2=1/6

以下、nが奇数の時は、Bn=0となる。


上の手続きは以下のようなアルゴリズムとなっている。

  1. Bnを格納するための配列を用意する。B(0)=1 とする
  2. i−1番目まで求められているとき、i番目は、
  3. Bi=−i!(B0・1/(i+1)!+B1・1/i!+……+Bj/j!・1/(i+1−j)!+……+Bi-1・1/2!)

    により求めることができる。

プログラムは以下のとおり。

10   ' Bernoulli
20   N=20:dim B(N):B(0)=1
30   for I=1 to N:S=0
40     for J=0 to I-1
50       S=S+B(J)//!(J)//!(I+1-J)
60     next J
70     B(I)=S*(-1)*!(I)
80     print I,B(I)
90   next I

UBASICでは変数として分数も1変数で扱うことができるので、このように簡単なプログラムとなる。
ここでは、N=20として、B20までを求めてみる。
実行結果は以下のとおり。

nBn:分子Bn:分母
1-12
216
30
4-130
50
6142
70
8-130
90
10566
110
12-6912730
130
1476
150
16-3617510
170
1843867798
190
20-174611330


Bernoulli数は、いろいろ応用分野の多い、ひじょうに有用な定数であるが、
ここでは、1つだけ紹介する。

ある奇素数pが Bernoulli数、B1、B2、……、B(p-3)/2いずれの分子も割り切らない場合、
pを正則素数と呼ぶ。
このとき、以下の定理が成り立つ。

Kummer の定理(読み方は「クンマー」。人名である。)

pが正則素数のとき、以下の不定方程式は自明でない整数解を持たない。

p+yp=zp


この章の目次

E-mail : kc2h-msm@asahi-net.or.jp
三島 久典