9章 もう一つの無限乗積 Π(1+xn)


7章の無限乗積 Π(1−xn)に対し、符号を変えたもの、


Π(1+xn)=(1+x)(1+x2)(1+x3)・……
n=1

の展開式、及び、その逆数はどのような値になるか。また、何か意味を持つ式になるのか。

マクロは、以下のようになる。初期値と、足すときの符号を変えるだけ。


(1+x) (1+x2) (1+x3)・……と、その逆数。

Sub Record4()
    Worksheets("Sheet4").Activate

    Dim a(10), w(10), q(10)
    k = 10

    Cells(1, 1).Value = "n"
    Cells(1, 2).Value = "a(n)"
    Cells(1, 3).Value = "q(n)"

    a(0) = 1: a(1) = 1
    For i = 2 To k
        For j = i To k: w(j) = a(j) + a(j - i): Next j
        For j = 2 To k: a(j) = w(j): Next j
    Next i

    q(0) = 1
    For i = 1 To k
        For j = 0 To i - 1: q(i) = q(i) - p(j) * q(i - j): Next j
    Next i

    For i = 0 To k
        Cells(i + 2, 1).Value = i
        Cells(i + 2, 2).Value = a(i)
        Cells(i + 2, 3).Value = q(i)
    Next i
End Sub

実行結果は以下のとおり。

  A  B  C 
1na(n)q(n)
2011
311-1
4210
532-1
6421
753-1
8641
975-1
10862
1198-2
1210102

さて、この値に何か意味はあるのか。


まず展開式の係数 a(n) は意味がある。
nの分割において、奇数のみでの分割を考える。そのときの個数が、実は a(n) となっている。
更に、互いに異なる数での分解というのを考えると、これの個数もやはり a(n) に等しくなる。
つまり、任意のnにおいて、

(奇数のみでの分割の個数)=(互いに異なる数での分解の個数)

が成り立つ。これについては、オイラーによる証明がある。

q(n) の方については、まったく見当もつかない。


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三島 久典