ぐうたら農法による米作り体験教室2009

第二回見学会資料

 

森本 優

2009/06/03


3日、ロータリーを入れ、草を倒しながら籾種を地表に落とす 

 

経過報告

H21.5.29

 

5月2日  午後3時過ぎから上田(7アール)に「コシヒカリ」の籾種7キログラムを、また下田(10アール)に「にこまる」の籾種9キログラムを、それぞれ麦等の草が立っている上からばら蒔く。4日から5日にかけて雨が降るとの天気予報があったのでそれに合わせる。

 

3日  朝8時過ぎから上田・下田にロータリーを入れ、草を倒しながら籾種を地表に落とす。今年は草がやや少なめで、また籾種を更新しているため、発芽対策・鳥や虫の食害予防・倒伏対策等にも配慮し、ロータリーをやや深めにかけて、極力籾種が土中に隠れるように工夫する。

 

5日〜8日  雨が丸4日間強く降り続き、圃場の冠水状態が2日間ほど続く。排水を良くするため下田の溝を切り直す。籾種が水根を出してしまえば、その後枯れてしまうことになるため。 

 

8日  下田の「にこまる」の一部が既に発根し出し、大半は発根・発芽態勢に入っている。

 

10日  上田の「コシヒカリ」も一部、発根・発芽態勢に入っている。「コシヒカリ」の場合、穂発芽しにくい反面、休眠が長くて苗立ちが悪い。

 

13日・14日  快晴で29℃前後の夏日。両日とも午後には強風が吹き荒れ、田が急速に乾燥してゆく。上田では地表で発根しかけていた「コシヒカリ」の籾種が、火責めの試練を受け、一部枯れてしまう。一方、下田の「にこまる」は既に種子根を深く下ろしているので被害は見受けられない。地表に露出している籾種の芽が一部、ナメクジ等の虫の食害に遭っている。

 

17日  午後から雨がぱらつき、夜、お湿り程度の降りがある。この雨で発根・発芽してきた「コシヒカリ」も多く、したがって上田では苗の生育にバラツキが出ている。

 

20日・21日  上田・下田の草を造林鎌で刈り払う。畦等に近い場所では、ケラ等の食害が目立ち、柔らかい根元部分が食い千切られて枯れている苗を幾つか目にする。スズメ・ハトが麦の倒し損ないを目当てに集まって来ている。但し、土中から発芽して深く根を下ろした稲苗は、スズメ・ハトの力では抜けず、食害には遭っていない。

 

26日  圃場に鶏糞を入れる。上田に約10キログラム、下田に15キログラム程。葉齢が「にこまる」は本葉1.5枚〜2枚前後。「コシヒカリ」は本葉0.5枚〜2枚弱。

 

 

水管理

 

 

 稲はその置かれた圃場の状況に応じて、根を出し、穂を出して米を稔らせる。

 「ぐうたら農法」では、まず畑の状態で苗を育てる必要があるので、畑の根で稲を育て生かすように水を管理してゆくことが望まれる。

 

 畑の根は、水の根とは違い、根に空気を通すパイプがなく、少ない土壌水分を吸い上げるために毛細根が多い「ひげ根」となっている。そのため、水中に入れば空気が通らず酸素不足となり、やがて窒息して腐ってしまう。そして稲の場合、水根に生え変わることにもなるが、体力を激しく消耗し、更に鶏糞を入れて湛水すると、鶏糞・草・ワラ等のアクによって生え出した水根がダメージを受け、根腐れを起こしてしまうことになる。しかし、ある程度大きくなれば、水根でもそのアクを養分として成長してゆくことができるようになる。

 そこで「ぐうたら農法」では、本葉2枚〜3枚の頃、4日〜7日程の間湛水して他の畑の草を枯らした後は、稲の畑根を腐らせないよう、水を落として酸素を充分入れる必要がある。この場合、本葉約1.5枚以上に成長した稲苗が、水責めの試練に耐え抜いて生き延びることになる。

 その後、1週間前後置いてから、断続的に灌水して畑根を生かしてゆくようにする。

 

 引水の頻度は一概には言えず、苗立ち本数の密度・投入肥料の量・雑草発生防止・倒伏防止の必要性、等々で総合的に判断するが、基本的には、前半は節水し、穂が出る40〜 50日前から徐々に引水量を多くしてゆくべきだと考える。目的は稲ワラではなく米を多収することだから。

 但し、水が大量に必要となる(水が不足すると米の質が極端に悪くなる)登熟期においても、連続した湛水期間は長くても4〜5日までとし、その間に、1〜2日程水を落として酸素を充分入れる繰り返し作業が必要となる。そしてある程度登熟したら、倒伏しないように引水量を少なくしてゆく。

 

以上

 


ぐうたら農法による米作り体験教室2009

第三回見学会のご案内

 

〜米作り初心者!女性でも大丈夫・・今日から貴方もプチ米作農家〜

目指せ!!家庭内食料自給率UP!!

 

主催  LLP夢みらい工房ぐりん

 

第三回見学会

7月5日(日曜日)

午前10:30 〜 午前11:30

 

◆第三回見学会では、数日間湛水して他の畑の草を枯らした後の稲苗の生育状況を観察。

同時に、草マルチによる田の草の抑制効果も検証。

(希望者には実際に田に入ってもらいます。どのような部分に草が生えてくるか観察し、今後の米作りに役立てて下さい。)


見学会会場

甲府圃場

山梨県甲府市中小河原1-14-43のログハウス前

(甲府バイパス中小河原交差点のコジマ電気北東側、隈部小児科医院裏)

持ち物

長靴(希望者のみ)

参加費

500円

 

申込先

E-mail: jh4m-mrmt@asahi-net.or.jp   Tel/Fax 055-241-0412 (森本)

(7月3日までにお願いします。 保育なし。)

 

「ぐうたら農法による米作り」の詳細な内容につきましては、HP上に掲載した資料「麦・クローバー草生米作り」等をご覧下さい。


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