歌舞伎 曽我綉侠御所染 御所五郎蔵 〜 第二幕
(そがもようたてしのごしょぞめ ごしょのごろぞう)

日時:2000.06.11  15:05〜 NHK総合放送(”劇場への招待”:京都南座・収録)
河竹黙阿弥/作

配役:
・御所五郎蔵:尾上菊五郎
・星影土右衛門(ほしかげどえもん):市川左團次
・傾城皐月(さつき):中村時蔵

・傾城逢州(おうしゅう):尾上菊之助 ほか

内容:
 
幕:
一、五條坂仲之町甲屋の場
  舞台中央に満開の桜。土右衛門一党が花道から、五郎蔵一党が舞台向って右手から登場。双方5人ずつ向き合うように、並ぶと七五調の威勢のいい掛け合いでの口上が始まる。
 五郎蔵は旧主の借金の工面のため駆け回っている。土右衛門は五郎蔵の妻・皐月に横恋慕し、離縁を迫っていた。甲屋の前でまさに果たし合いが始まりそうであった。が、甲屋の主人が双方を宥めて止めさせる。土右衛門は甲屋の奥へ通され、酒を振る舞われることに。

第一場:
一、甲屋奥座敷の場
  奥にいたのは花魁姿の皐月であった。土右衛門は(五郎蔵の主人の借金のため)金を立て替えてやると皐月に対して申し出るが、勿論それは下心あってのこと。すなわち五郎蔵との手切れ金だ。皐月は本意ではないが夫や主人を思うあまり金を受け取る。
 そこへ五郎蔵が登場。皐月が金を受け取ったことを知り、心変わりしたものと誤解。目を潤ませながらも、裾を捲って花道へ大股歩きで下がっていく。
 土右衛門は皐月を連れて出掛けようとしたが、準備があるから後でと、その場は断り、替わりに同席していた逢州が皐月の着物を羽織って、土右衛門と先に立つことになった。

第二場:
一、廓内夜更けの場
  皐月が心変わりしたと感じた五郎蔵は、闇に紛れ土右衛門らを待ち伏せていた。土右衛門の門弟らが逢州を伴い、そこへ現れる。門弟たちと五郎蔵との立廻りが始まる。すぐに門弟たちは逃げ去るが、逢州のことを皐月だと勘違いした五郎蔵は、逢州を斬ってしまう。
 遅れて土右衛門が登場。二人での切り合いが始まって幕となる。

感想:第二幕からの収録であるので一幕目がどんな流れで、どんな雰囲気であったかも想像もつかない状態で、幕が開く。幕の開く前に字幕で一幕でのあらすじだけは流れたので、ある程度の物語の設定だけはつかめた。二幕では五郎蔵は町人風の出で立ちで(一幕のあらすじでは五郎蔵は元は武士のはずである)、揃いの衣装の子分を4人引き連れていた。一方、土右衛門のほうは厳つい武士の出で立ち。これも侍姿の4人の門弟を連れている。見所は幕明け直後の双方の掛け合いだろう。残念ながら他には、それほど楽しめるところは少なかった。


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更新日: 00/07/06