***超音波も聞き分ける耳

後ろの方で何か気になる音がしたようです。
よくunioviが何もない空間や、壁をじいっと見つめている事があります。
いったい何を見ているのか、ちょっと恐い想像をしてしまいがちですが、 きっと壁の向こうで虫の羽音がするとか、何か気になる音がしているのでしょう。
と、思うことにします。


あまり一般には知られていないようですが、猫は非常に耳のいい動物です。
ピンと立った耳は左右それぞれの方向に動くため、音のする方向や音と自分との距離などを正確に知ることができます。猫をじっと観察していると、左右の耳が音のする方向に反射的に動いているのがわかります。猫の耳には20以上の筋肉があって、180度の方向に転換することが出来るのです。頭の上に二つのレーダーをつけているようなものです。

人間には何も聞こえないのに、何かに聞き入っているような時があります。猫は人間にはわからない超音波も聞くことが出来ます。ちなみに人間に聞こえるのは20HZから20KHZ。これが猫となると30HZから60KHZまでと、かなりの高周波までキャッチできるのです。人間とはまるで違う音の世界に住んでいるのです。

しかも猫の耳は、さまざまな音の中からある特定の音を聞き分ける事もできるのです。多少の距離があっても、音源をしっかりと聞き分けられるそうです。ただ、ひとつの音が気になるとそれに聞き入ってしまうため、飼い主が名前を呼んでも知らんぷりなんてこともあるようです。聞きたい音しか聞かない。なんか便利で羨ましいですね。

ところで、猫が高いところから落ちたけれど無傷だった、なんて話を良く聞きませんか?
これは確かにあの柔らかい体のおかげでもあるのですが、それよりも耳の動きのおかげでもあるのです。
猫の耳の中の前庭という部分にはリンパ液が入っています。その中には感度の高い何万本もの毛が生えていて、液体の中でユラユラしているのです。その上に小さな耳石が乗っていて、正常な姿勢でいれば、常に決まった部分に耳石が接触するという仕組みになっています。つまり、落下したときにはその耳石がいつもとは違う部分に接触し、それにより自分自身の傾きがわかるのです。その傾きを察知し、頭を元の位置に戻し、それから柔らかい体が素早く体勢をたて直すことが出来るのです。

どんなにささいな音でもキャッチしてしまう猫の耳。小声で悪口を言っていても、実はしっかりと聞こえているわけです。猫に隠し事は出来ませんね。





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