● (No.850) Orbitron + DDE + SDR#(Plugin) 周波数自動追尾 (2014年11月23日) -------------------------------------------------------------------- https://youtu.be/fL5ScyrSqZE 衛星ソフトOrbitronに、"My DDE Client" という DDE を認識させ、さらに SDR# に "Satellite Tracker" という Plugin をインストールして、"SDR# Frequency" の欄に、ドップラーシフトを含む受信周波数を時々刻々と自動的に変化させ表示 させることができました。Orbitron 3.71 と SDR# v1.0.0.1000 の旧バージョン で連動実験しましたが、これは現バージョンでも実行可能と思います。この手順 を忘れないように細かい設定部分も含め、備忘録としてここに記します。 Orbitron 各国語が用意されているが、英語でインストールした。 起動後、Escキーも使える。画面下に設定タブがある。 Locationタブで、自局緯度経度を入力。Add - Enter Mainタブで、右端の衛星追尾欄に 1秒を設定。 Mainタブで、ハンマー型ボタンをクリックして、 World Map から、Preset - Coloured を選択。 軌道要素はソフト内から Update できるようだが、 手っ取り早く、Calsat32 で使っている TLEM.TXT を、 Orbitron - Tleフォルダ内に、コピー貼り付け。 Orbitron - Main 右側中段の "Load TLE"ボタンを押す。 Orbitron - Rotor/radio内の Downlink/Uplink周波数の 編集は、Orbitron - Notesフォルダ内の txtファイルで 行う。ファイル名は、その衛星の TLE_NORAD衛星番号に 対応している。例えば ISS であれば、25544.txt である。 新衛星に対しては、テンプレート 00000.txt を基にする。 DDE 本題の、DDE を次のサイトからダウンロードする。 http://www.stoff.pl/downloads.php Drivers の項目の "My DDE Client 1.05" がそれ。 Orbitron と同じフォルダ内に解凍後、 Orbitron - Rotor/radio をクリック。 Orbitron - Main右側から衛星を選択。 そして、Driver欄で "MyDDE" を選択し、そのすぐ 右のボタンをクリックし、"MyDDE.exe" を選択。 そして、"My DDE Client 1.05" が起動する。 Orbitron - Configフォルダ内の Setup.cfg の [Drivers] の項目に、 MyDDE=C:\Program Files\orbitron\mydde\MyDDE.exe の一文があることを確認し、さらに次の行に SDRSharp=SDRSharp.exe の一文を手入力で追加。 つまり、次にように書く。下段 [補足4] 参照。 [Drivers] MyDDE=C:\Program Files\orbitron\mydde\MyDDE.exe SDRSharp=SDRSharp.exe SDR# Plugin の "Satellite Tracker" をダウンロード。 http://www.rtl-sdr.com/sdrsharp-plugins/ Orbitron Plugin の項目の "SatelliteTracker2.zip" がそれ。DLL等を、SDR# と同じフォルダ内に解凍する。 SDR#フォルダの "SDRSharp.exe.Config" 内の最下段の <sharpPlugins> に次の一文を手入力で追加する。 SDR#現バージョンの場合は、"Plugins.xml" 内に記述。 <add key="SatelliteTracker" value="SDRSharp.SatelliteTracker.SatelliteTrackerPlugin,SDRSharp.SatelliteTracker" /> [補足1] SDR# 最新導入方法 http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr700.htm#sdrs [補足2] SDR# PPM値の設定 FCD個体差に関係するSDR#の Shift値設定については My_HP No.798_fcd1 を参照。 Orbitron + DDE + SDR#(Plugin) システムは、具体的には次の手順で起動します。 起動手順を間違えると、SDR#が次回に立ち上がらなくなる場合があるので、その 時に備え、"SDRSharp.exe.Config"ファイルのバックアップを取っておくとよい。 Orbitron → 衛星選択 → DDE Driver起動 → SDR# Center値入力 → SDR# Play → SDR# Shift → Satellite Tracker(Plugin) → Enable, Orbitron, Connect 手順 (1) 衛星周波数を確認。satslisj.htm (2) 自作 sdrtofcd.xls or sdrtocal.xls の Frequency欄に その周波数を入力。sdrtofcd.xls, sdrtocal.xls (3) sdrtofcd.xls の Shift値は、自局FCDの個体差の修正値。 (4) Orbitron起動→衛星選択→Rotor/Radioタブ クリック→ Driver欄右側の□ボタンクリック→DDE Client自動起動 (5) SDR#起動→SDR#Center欄に sdrtofcd.xls Center値入力。 (6) SDR#Play→SDR#Shift欄に sdrtofcd.xls Shift値入力。 (7) SDR#Satellite Tracker(Plugin)→Enableクリック→ Tracking Software欄でOrbitron選択→Connectクリック。 (8) SDR# - Configure - Frequency correction(ppm) の欄 に PPM値 を設定することで、Shift値を入力する必要が ないことがわかった。PPMについては No.798_fcd2 参照。 [補足3] Satellite Tracker TSUBAME, 21:32-21:43JST, 24 Nov 2014, Ele 27 SE-E-N, 437.275MHz CW Orbitron + DDE + SDR#(Plugin) による SDR#_周波数自動追尾システムにより、 今夜の TSUBAME(40302U 14070E) の CW を確認しました。 SDR# の周波数表示は 信号を正確に時々刻々と自動的に追尾しています。TSUBAME_FM信号は今回も確認 することができませんでしたが、CWは着実に送信しています。早く完全復旧する ことを期待しています。 UWE-3, 21:09-21:22JST, 25 Nov 2014, Ele 80 S-W-N, 436.395MHz 9600bps GMSK アンテナは Calsat32により完全自動追尾、FCD周波数もこのシステムで完全自動 追尾。間欠1分送信でも 自局はPC画面を見ているだけで、解析ソフトには自動的 にデコードされています。便利な時代になりました。 AO-73, 21:49-22:01JST, 28 Nov 2014, Ele 32 S-W-WN, 145.935MHz 1200bps BPSK 次図は、このシステムで 今夜(21:49JST, 28Nov2014) の AO-73 を自動追尾して いる様子です。SDR# の中で、衛星からの周期的な BPSK信号を表す二重線の箇所 を、スペクトル図の中の赤線が正確に刻々と追尾してしている様子がわかります。 二重線と赤線の縦位置がほぼ完全に一致していることから、このシステムは正確 に機能していることがわかるのですが、ここで新たに考慮しなければならないこ とに気が付きました。 もしFM設定ならば、赤線を挟んでフィルターが左右対称になるので、その信号を デコードするのですが、FO-73のような PSK信号は、USB設定の場合はフィルター が赤線の右側になり(LSB設定の場合は赤線の左側になり) フィルターからは微妙 に外れて信号を追尾することになり、デコードすることができないのです。 Filter bandwidthを広げても状況は同じなのでデコードできません。そこで今回 は已む無く Orbitronを OFF にして、フィルターが衛星の二重線信号を挟むよう に手動で追尾し デコードすることができました。Orbitron - Notes の衛星情報 の周波数を ±1kHz ほどずらして記載すれば自動追尾でデコードするかと思いま すが、それも本意ではありません。何かよい方法はないものかと思案しています。 PolyITAN-1, 09:50-10:02JST, 30 Nov 2014, Ele 83 S-Z-N, 437.675MHz 9600bps 2FSK/CW Programs: Orbitron + DDE + SDR#(Plugin) + MixW3 + OnlineKissPlus + Decoder FUNcube-2 perfect automatically operation FCDPro + Orbitron + DDE + SDR# + Dashboard 20:54-21:07JST, 31 Dec 2014, Ele 86 S-Z-N, 145.915MHz 1200bps BPSK 懸案だった 2m帯BPSK の自動運用がやっと実現しました。WFM の場合は SDR# の スペクトル画面の中のフィルター(灰色)の中心に赤線が来ますが、USB の場合は 灰色の左端(LSBの場合は右端) に赤線が来ます。そこで衛星BPSK信号が灰色の中 に収まるようにするために、例えば FUNcube-2 の場合ならば、Orbitron-Notes- 40074.txt における DNLINK 行に、本来ならば 145.915 と記載すべきところを、 -1.5kHz低めの 145.9135 を記載しておくのです。 下図では、SDR# は Orbitorn と連動し、AOSからLOSまでドップラーシフト周波数を完全に自動追尾しています。 Center欄には衛星信号がスペクトル画面右側に現れるように -20kHz しています。 他のBPSK衛星でも同様な設定で、これで FM衛星も含め全ての衛星の自動運用が、 2014年大晦日に完成しました。 SDR#(ver1.0.0.1000) Center: 145,893,500(=145.9135MHz-20kHz) PPM: -111(=-21-90=InitialValue + MyPPM) Shift: 0 Filter bandwidth: 5000 Correct IQ: Check Swap I & Q: Check SatelliteTracker: ON QB50p1/FUNcube-3(EO-79) telemetry 09:58-10:10JST, 1 Jan 2015, Ele 82 S-Z-N, 145.815MHz 1200bps BPSK FCDPro + Orbitron + DDE + SDR# + SatelliteTracker + MoveTelemetryReceiver 2015年最初の衛星受信は、QB50p1/FUNcube-3(EO-79) となりました。過去にない ほどの大量のデータ受信量でした。 SDR#(ver1.0.0.1000) Center: 145,793,500(=145.8135MHz-20kHz) PPM: -111(=-21-90=InitialValue + MyPPM) Shift: 0 Filter bandwidth: 5000 Correct IQ: Check Swap I & Q: Check SatelliteTracker: ON [補足4] SDR# DDETracker SDR# Plugin, "DDE Tracking Client" (DDETracker) の実験を、JE1CVL局が紹介 しています。自局では次の手順により、"DDE Tracking Client" が動作しました。 1. Orbitron - Configフォルダ内 Setup.cfg - [Drivers] 次を確認。 MyDDE=C:\Program Files\orbitron\mydde\MyDDE.exe SDRSharp=SDRSharp.exe 2. DDETrackerV4Binaries.zip をダウンロード解凍。 http://www.satsignal.eu/software/DDETracker.html 3. Plugins.xml に次の一行を記入。 <add key="DDE Tracking Client" value="SDRSharp.DDETracker.DdeTrackingPlugin,SDRSharp.DDETracker" /> 4. Orbitron 起動 - 衛星選択 5. SDR# Start - "DDE Tracking Client" - Option - Orbitron にチェック。 そして、"DDE Tracking Client" - Connect 6. Orbitron に戻り、DDE 起動。 7. SDR# の周波数が動き始める。
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