新衛星IDEFIX, 受信の記録 #7


● (No.336) 新衛星IDEFIX, 受信の記録 #7 (2002年 6月3日)
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IDEFIX CU1 のトーン周波数(1800Hz)受信についてのコメント続編です。


Date: Mon, 03 Jun 2002 00:30:37 +0900
From: Masahiro Arai / JN1GKZ
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11879] Re: IDEFIX CU1 tone frequency

 トーンの周波数の違いは、受信周波数の差では無いでしょうか。

受信周波数をずらすとトーンの音程が違って聞こえませんか?? トーンの周波数
を測定するには、ドップラーを きちんと補正して受信する必要があると思いま
すが、如何でしょうか。



Date: Mon, 03 Jun 2002 02:27:20 +0900
From: JH4DHX/3@大谷
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11880] Re: IDEFIX CU1 tone frequency

眞田さん、脇田さん、皆さん

週末のIDEFIXパスを、朝と夜の2回づつワッチしてみました。
この内、運良くトーンが採れたのは、2日間で以下の3回でした。

June 1  10:26JST  1789Hz
June 2  11:40JST  1784Hz
June 2  21:18JST  1790Hz

これ以外のパスでは、信号が弱かったり トーンそのものが受信できない状況で
した。それからノイズが多く混じっていたり、QSB が深くて途中で S/N が急変
したような場合には、wavファイルを安定して入感した部分だけ切り取って処理
することによって若干 解析精度が上がるようです。ノイズを含んだものと比較
すると、確実に数Hzの違いが出てきます。

それから テレメトリの受信状態ですが、東側西側のパスを問わず、以前と比較
してかなり QSB が深くなっているように思います。完璧にデコードできる回数
(valid:0 の数)も、以前に比べ減ってきています。信号そのものは 相変わらず
強いものの QSB が深くて、いわゆる "尻切れ" の状態になってしまう確率が高
くなっているように思います。



Date: Mon, 03 Jun 2002 03:21:57 +0900
From: Mineo Wakita
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: Re: IDEFIX CU1 tone frequency

眞田さん、皆さん、

気になったので、CoolEdit2000 をもう一台のノートPCに解凍し、動かしてみま
した。OS として Windows-Me が入っているのですが、この Windows-Me上 でも
正常に CoolEdit2000 は動作することが確認できました。

さて、懸案の6月2日の午前10時(JST)頃に受信した PCMファイルを走らせてみ
たところ、次のようにして、やはりトーン周波数は 1788Hz を示しました。

    CoolEdit2000 - Analyze - FrequencyAnalysis -
    トーン信号のピークにマウスカーソルを合わせた。

この PCMファイルを加工した wavファイルでも同様でした。このwavファイルを
スタートさせて、20秒後にトーン周波数のピークが表れます。(次のwebに保存)

    http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/20602ide.wav

眞田さんの言われる「パソコンのクロック差」 というよりも、受信時刻の違い
による微妙な送信(受信)条件の差、または 受信周波数の差によるものではない
かと思います。 上記の同一の wavファイルを用いて眞田さんのPCで改めて再現
実験をしてみていただけますか?  たぶん 1788Hz を表示するものと思います。

あるいは 眞田さんの受信ファイルをお送りいただければ、眞田さんのファイル
を用いてこちらでも再現実験できます。 この時は、たぶん 1783Hz を表示する
ことでしょう。

それにしても 5Hz の違いは、たかが 5Hz、されど 5Hz ですね。

    (1.256*1788-2240.9)−(1.256*1783-2240.9)=6.28[C]

温度にして、約 6.28[C] もの違いになります。 いろいろと実験をしていたら、
夜も更け、3時(?朝) になってしまいました。

本日(6/3)、09:25-09:38JST に受信したデータです。再び V項目に、数値 0 の
羅列が見られます。

 HOME TIME  03 June 2002 09 : 31 : 17  
A : V Bat : 13.74 : V : Optro Droit : 37 : mV : valid : 120 
 HOME TIME  03 June 2002 09 : 31 : 17  
B : Optro Gauche : mV : 38 : T Bat : -2.06 : -c : valid : -4 
 HOME TIME  03 June 2002 09 : 31 : 18  
D : T Optro G : 0.54 : -c : Temp TX : 2.64 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  03 June 2002 09 : 31 : 18  
H : K E N A V O 
 HOME TIME  03 June 2002 09 : 32 : 27  
WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to JE9PEL 
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE 
H : I D E F I X 
 HOME TIME  03 June 2002 09 : 33 : 02  
V:  0- 0: 0: 0 :  17477 17992 valid -195 

JN1GKZ/新井さんの言われるように、IDEFIX のトーン周波数(1800Hz)の測定は、
ドップラーシフトを補正した受信周波数も併記すると、参考になると思います。

以前、AO-40 と UO-11 の 2.4GHz 信号の観測周波数を測定しましたが、その時
は逆に、PC上で FFTDSP プログラムを用いて USB の可聴周波数を 1kHz に固定
するようにドップラーシフトを考慮しながら無線機の周波数同調つまみを回し、
その時の表示受信周波数を測定しました。下記は、本日(6/3)の観測結果です。

この 1kHz の USB 可聴周波数を加算したものが換算周波数です。なお理論周波
数は、Calsat32 プログラムによって算出しました。UO-11 はドップラーシフト
が +/- 50kHz と激しく、TCA時は測定不可能なので、AOS/LOS時の各3分を観測
しています。

AO-40 (2401.323MHz) on 3 June 2002
  JST        表示周波数  観測周波数  換算周波数  理論周波数  差異kHz
  12:09:00   145.3635    2401.3635   2401.3645   2401.3577   +6.8
  12:10:00   145.3637    2401.3637   2401.3647   2401.3579   +6.8
  12:11:00   145.3639    2401.3639   2401.3649   2401.3581   +6.8
  12:12:00   145.3641    2401.3641   2401.3651   2401.3582   +6.9
  12:13:00   145.3643    2401.3643   2401.3653   2401.3584   +6.9

UO-11 (2401.500MHz) on 3 June 2002
  JST        表示周波数  観測周波数  換算周波数  理論周波数  差異kHz
  13:49:00   145.5507    2401.5507   2401.5517   2401.5500   +1.7
  13:50:00   145.5479    2401.5479   2401.5489   2401.5472   +1.7
  13:51:00   145.5432    2401.5432   2401.5442   2401.5425   +1.7
  13:58:00   145.4549    2401.4549   2401.4559   2401.4532   +2.7
  13:59:00   145.4519    2401.4519   2401.4529   2401.4502   +2.7
  14:00:00   145.4502    2401.4502   2401.4512   2401.4485   +2.7


UO-11 の前回と今回の観測を勘案すると、自局コンバータの調整誤差が およそ
+2kHz 近くあると考えられ、このことから AO-40 の発信周波数は、公称周波数
よりも約 +4kHz〜5kHz ほど高い、2401.327MHz〜2401.328MHz  であると考えら
れます。このことは、amsat-bb でも同様に指摘されています。



Date: Mon, 3 Jun 2002 09:55:39 +0100
From: "Howard Long"
To: "Mineo Wakita" [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp], amsat-bb@amsat.org
Subject: RE: [amsat-bb] AO-40 MB frequency

Hello Mineo

> AO-40 (2401.323MHz) on 3 June 2002
> UTC        IF         Observed    Shifted     Predicted   Differed
> 03:09:00   145.3635   2401.3635   2401.3645   2401.3577   +6.8
> 03:10:00   145.3637   2401.3637   2401.3647   2401.3579   +6.8
> 03:11:00   145.3639   2401.3639   2401.3649   2401.3581   +6.8
> 03:12:00   145.3641   2401.3641   2401.3651   2401.3582   +6.9
> 03:13:00   145.3643   2401.3643   2401.3653   2401.3584   +6.9

I have exactly the same here. I am in the process of compiling Doppler
prediction observed data, and I was starting to wonder if my Rubidium
frequency standard was wrong!

7kHz high is normal in my observations, reducing to 5kHz near perigee.

I use Wisp, InstantTrack and Nova for prediction, all of which agree to
within about 10 or 20Hz.

Keps are the latest from AMSAT.
PC time is within 0.2s.
Early days yet.

73 Howard G6LVB



Date: Mon, 3 Jun 2002 22:00:37 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11885] Re: IDEFIX CU1 tone frequency
                             - How to use CoolEdit2000

脇田さん、新井さん、大谷さん、皆さん、こんばんは。 ji1izr/眞田です。

脇田さんの寝不足の元を作ってしまい、申し訳ありませんでした。 脇田さんの
wav ファイルをダウンロードさせていただき、確認してみました。

確かにカーソルをピークに持っていくと、脇田さんのおっしゃるとおり 1788Hz
が表示されます。

しかし、CoolEdit2000 での周波数分析の方法ですが、まずカーソル (黄色の△
と点線) をトーンの聞こえる部分にもっていき、それから 脇田さんの説明され
た [Analyze]、 [Frequency Analysis]  で表示されるウィンドウの中の上から
2段目に [Frequency] という項目があり、これに表示されるのがピークの周波
数のように思われます。

この方法ですと、脇田さんの wav ファイルも私のものとほぼ同じ 1783Hz 近辺
になりました。

いかがでしょうか。



Date: Tue, 04 Jun 2002 01:59:24 +0900
From: JH4DHX/3@大谷
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11886] Re^: IDEFIX CU1 tone frequency - How to

眞田さん、脇田さん、皆さん

> 確かにカーソルをピークに持っていくと、脇田さんのおっしゃるとおり、
> 1788Hz が表示されます。
> 上から2段目にFrequencyという項目があり、これに表示されるのがピークの
> 周波数のように思われます。この方法ですと、脇田さんのwavファイルも私の
> ものとほぼ同じ 1783Hz 近辺になりました。

私は、旧バージョンの CoolEdit96 を使用して トーン周波数を分析しています
が 眞田さんが指摘されているとおりです。カーソルのポイントの仕方によって
数Hz は周波数が動いてしまうようです。したがって、私もピーク周波数の表示
値をもって、トーン周波数としています。 ここに出力される周波数の測定精度
を高めるために、wavファイルから信号成分を切り出し、綺麗な波形成分にして
から処理しています。これが、昨日コメントした内容となります。

3日夜、22:22 からのパスをワッチしてみましたが、元気な音声メッセージが流
れていました。 以下にテレメトリデータを示します。  電圧値は 13.83V を示
しており安定しているようです。 しかし、残念ながらこのパスでは 1800Hz の
トーン信号は聞こえてきませんでした。

WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to NOTREGIS 
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE 
H : I D E F I X 
 HOME TIME  03 June 2002 13 : 25 : 04 
T : 27-13:20:14 valid 0 
 HOME TIME  03 June 2002 13 : 25 : 05  
A : V Bat : 13.83 : V : Optro Droit : 1 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  03 June 2002 13 : 25 : 05  
B : Optro Gauche : mV : 0 : T Bat : 4.34 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  03 June 2002 13 : 25 : 05  
C : T X+ : 4.24 : -c : Temp Bat : 2.34 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  03 June 2002 13 : 25 : 05  
D : T Optro G : 4.44 : -c : Temp TX : 9.14 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  03 June 2002 13 : 25 : 05  
H : K E N A V O 



Date: Tue, 04 Jun 2002 01:25:06 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: J.L.RAULT/F6AGR, Ghislain RUY/F1HDD
Subject: How to analyze using CoolEdit

Hello,

I have one question how to analyze a frequency of the wav file.

  http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/20602ide.wav

In the above wav file, the tone frequency appears at 20 seconds
after starting.  I analyzed this tone frequency by the following
two methods.

1. CoolEdit2000 - Analyze - FrequencyAnalysis - Pause at 20 seconds.
                             - Put MouseCursor at the top of the peak.
                 --> Then, 1788Hz on 'Frequency' in the Analysis window

2. CoolEdit2000 - Pause at 20 seconds - Put a dotted vartical line on
                      a red vertical line - Analyze - FrequencyAnalysis
                 --> Then, 1783Hz on 'Cursor' in the Analysis window

Which method is correctly either 1. or 2. ? 
1788Hz or 1783Hz ?



Date: Tue, 04 Jun 2002 08:19:26 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: Tone frequency was 1783.5 Hz

眞田さん、大谷さん、皆さん、

CoolEdit2000 における周波数表示方法について、本家(フランス管制局)に尋ね
てみたところ、皆様ご指摘のように、"下記 2."  の方法が正しいという回答を
受け取りました。 6月2日付の wavファイルにおけるトーン周波数の正確な数値
は、『1783.5 Hz』 とのことです。

要は、FFT解析ディスプレイの解像度の方が、マウスカーソルの動きよりも優れ
ているということです。この 1783.5 Hz の数値を用いて改めて衛星内部の温度
を計算すると、約 -0.8[C]  になります。

  T[度C]=1.256*F(Hz)−2240.9=1.256*1783.5(Hz)−2240.9=-0.824[C]


(質問)
Date: Tue, 04 Jun 2002 01:25:06 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: J.L.RAULT/F6AGR, Ghislain RUY/F1HDD
Subject: How to analyze using CoolEdit

Hello,

I have one question how to analyze a frequency of the wav file.

  http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/20602ide.wav

In the above wav file, the tone frequency appears at 20 seconds
after starting.  I analyzed this tone frequency by the following
two methods.

1. CoolEdit2000 - Analyze - FrequencyAnalysis - Pause at 20 seconds.
                             - Put MouseCursor at the top of the peak.
                 --> Then, 1788Hz on 'Frequency' in the Analysis window

2. CoolEdit2000 - Pause at 20 seconds - Put a dotted vartical line on
                      a red vertical line - Analyze - FrequencyAnalysis
                 --> Then, 1783Hz on 'Cursor' in the Analysis window

Which method is correctly either 1. or 2. ? 
1788Hz or 1783Hz ?


(回答1)
Date: Mon, 03 Jun 2002 21:25:01 +0200
From: Ghislain RUY/F1HDD
To: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
Subject: Re: How to analyze using CoolEdit

Hello,
the right one is 1783.5 Hz. You are right when putting the analysis time
with the cursor onto the sample window. Measuring the frequency with the
cursor is very imprecise since with a 8192 points FFT, you would need a
display with 4096 horizontal points which doesn't exist. Thus the cursor
position on the FFT analysis display covers more than one point of
analysis hence it is erroneous.
Best 73


(回答2)
Date: Tue, 4 Jun 2002 08:32:15 +0200 
From: Jean-Louis.RAULT/F6AGR
To: ei7m-wkt@asahi-net.or.jp
Subject: RE: How to analyze using CoolEdit

Mineo

Method 2 is the good one.

Method 1 is not accurate enough, because the Frequency Analysis window don't
display all the FFT frequency channels. So, with the mouse Cursor, you
cannot select accurately the right frequency channel.
With Method 2, the program is able to choose automatically the right
frequency channel, because it has all the data available in memory.

73 de Jean-Louis F6AGR


(補足)
Date: Tue, 04 Jun 2002 17:12:43 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: How to cut & paste in CoolEdit

CoolEdit2000 において PCM ファイルを切り刻む方法を、
こんな風にしてすることができました。

  1. 解析ウィンドウにおいて、必要な範囲を
       マウス左ドラッグ。

  2. ツールバーの中のコピーボタンを押す。
       Copy selected portion to clipboard

  3. いったん元のファイルを閉じる。
       File - close

  4. ツールバーの中の貼付ボタンを押す。
       Paste clipboard into wave form

  5. 新たに PCM ファイル名を付けて保存する。
       File - Save - *.pcm - OK


Date: Tue, 4 Jun 2002 21:54:43 +0900
From: "ji1izr/Masahiro Sanada"
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11893] Re: How to cut & paste in CoolEdit

脇田さん、皆さん、こんばんは。 ji1izr/眞田です。
CoolEdit での周波数解析方法の調査、どうもありがとうございました。
さて、PCM ファイルの抽出方法ですが、私の方法も脇田さんのと あまり変わり
ありません。

  1. 必要部分の抽出のため、早送り等で大体の開始場所を把握する。

  2. マウスその位置をクリックし、カーソル (黄色の点線+△のセットを開始
     位置にセットする。このときの位置の微調整は、右に動かすときは右矢印
     のカーソルキーを、左に動かすときはシフトを押しながら左矢印のカーソ
     ルキーを押すと、開始位置の微調整が出来る。

  3. 画面下中央寄りの+−ほか6個のボタンをクリックして、画面上に必要な
     部分をズームアップする。

  4. 開始位置が適正かどうかを、プレイボタンでファイルを再生して、さらに
     上記 2. 3. を繰り返して開始位置を決定する。

  5. 終了位置は、プレイボタンで再生しておおよその位置をつかむ。

  6. シフトを押しながら右矢印のカーソルキーを押すと、範囲指定の終了位置
     が右に広がる。行き過ぎたときは左矢印のカーソルキーで戻す (シフトは
     押さない)。ズームアップは適宜利用する。

  7. プレイボタンで再生して、範囲が適正かを確認する。

  8. ツールバーの中の Edit の Copy to New をクリックする。

以上で必要部分の切り出しが出来ます。

マウスだけでの範囲指定は微調整が難しいので、カーソルキーを専ら使います。
ただし、一番最初は大まかな位置にカーソルを持っていくため、マウスの方が
便利です。

この CoolEdit というソフトは本当に使いでがあり、面白いです。
正規利用の $69 の価値は十分あるように思います。



Date: Wed, 05 Jun 2002 23:58:25 +0900
From: JH4DHX/3
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11905] IDEFIXの目視に成功!

皆さん、JH4DHX/3@大谷です。

今夜、21:26過ぎからのパス#464で、ようやくIDEFIXの目視観測に成功しました。
大阪では、このところ夜になると上層雲の出現と靄の発生があり、なかなか衛星
の目視がしくい状況が続いていました。今夜は、北からの風が割と強く吹いてい
たので、靄による地上光の散乱の発生も少なく、目視をする上で好条件となって
いたようです。

今夜のIDEFIXは、最大仰角が43度と、かなり高い位置を通過するパスでしたが、
東の空ほぼTCA通過の21:34頃から衛星が見え始めました。目視には 8倍の双眼鏡
を用いましたが、衛星は、琴座のベガの少し上を比較的速いスピードで北の方向
へと飛翔していくのが確認できました。

光度は思ったほど明るくなく、裸眼では一寸見付けるのが困難という印象を受け
ました。もっとも、太陽光の反射条件にも大きく左右されることでしょうから、
光害の少ないところならば、裸眼でも十分目視は可能だと思います。ちなみに、
今回の位相角(太陽−衛星−観測者のなす角度) は、48度から125度の範囲だった
ということもあり、こうしたことも比較的衛星を見つけ易かった一因となったよ
うに思います。

これで、0〜2までの受信レポートの条件が揃いました。CU1は このパスでも大変
力強いダウンリンクを発信していました。まだまだ元気に頑張ってるって感じが
します。今後、CU1が完全に送信を終えた時点でQSLを請求しようと思っています。



Date: Fri, 07 Jun 2002 01:23:39 +0900
From: JH4DHX/3 大谷
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11909] Re^:IDEFIXの目視に成功!

井地さん、眞田さん、皆さん

> 当地では、晴天でも何となく霞んでいて、好条件に恵まれないようです。

天気が良いことで、大気中の浮遊物質が地上光を散乱し、空全体を明るくして
しまっているようですね。なるべく暗い方向に衛星が見えるチャンスを狙うの
が賢明です。根気強く頑張って下さい。 (^^)

> IDEFIX の方、またもや BAT 0V を表示しています。
> 本日どう変化しているか、注目しています。

5日と6日、それぞれ夜間パスのデコード結果の一部を、以下に示します。
時間は UTC表示です。電圧・温度が、再び異常値を示しているのが分かります。
早期に復旧することを祈りたいものです。

----- JUNE 5th -----

 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 26  
WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to NOTREGIS 
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE 
H : I D E F I X 
 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 26  
T : 29-11:57:53 valid 0 
 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 26  
A : V Bat : 0.00 : V : Optro Droit : 0 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 26  
B : Optro Gauche : mV : 0 : T Bat : -273.16 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 26  
C : T X+ : -273.16 : -c : Temp Bat : -273.16 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 27  
D : T Optro G : -273.16 : -c : Temp TX : -273.16 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  05 June 2002 12 : 32 : 27  
H : K E N A V O 


----- JUNE 6th -----

 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 02  
WDECPSK 1.7e - AMSAT-FRANCE registred to NOTREGIS 
 IDEFIX TELEMETRY DISPLAY F1HDD - XTOPHE 
H : I D E F I X 
 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 02  
T : 30-13: 0:21 valid 0 
 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 02  
A : V Bat : 0.00 : V : Optro Droit : 0 : mV : valid : 0 
 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 02  
B : Optro Gauche : mV : 0 : T Bat : -273.16 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 03  
C : T X+ : -273.16 : -c : Temp Bat : -273.16 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 03  
D : T Optro G : -273.16 : -c : Temp TX : -273.16 : -c : valid : 0 
 HOME TIME  06 June 2002 13 : 51 : 03  
H : K E N A V O 


※測定できたトーン周波数は、次のとおりです。

 5日  1802.4Hz (12UTC)
 6日  1795.1Hz (13:40:40UTC)
     1795.7Hz (13:51:17UTC)
 
バッテリー電圧と衛星内温度がテレメトリできない状態においては、トーン
周波数の変化傾向が益々重要となります。引続きデータを収集して Amsat-F
に送付しましょう。

> 目視の場合はどのような QSL をあちらでは作成するのでしょうか?
> また、デジタルカメラ等で撮影できると面白いですね。

6日は、2回のパスで目視を試みましたが、IDEFIX を捉えることはできません
でした。 また、かなり周辺の状況が良い場所でないと、カメラでは捉えられな
い感がしますね。 私の田舎(島根) では、タイミングさえ合えば 10分も夜空を
見上げていると 肉眼でも数個の衛星が頭上を通過していくのが目視できます。
従って、適当な場所さえ選べば、カメラでの写真撮影も可能だろうと思います。

ある資料によれば、ISS の光度は大体マイナス2等級に相当するとのことですが、
実際確かに、相当明るかったように思います。 ビデオでも十分記録することが
できました。ただ、あれと同じように撮影しようとするのは、元々 一寸厳しい
ような気がしますね。 アリアン衛星のカメラ撮影に成功するためには、何らか
の工夫が必要と考えます。



Date: Fri, 07 Jun 2002 09:55:14 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11910] Re: IDEFIXの目視に成功!(BO-47, 48)

大谷さん、井地さん、眞田さん、皆さん、

私も 昨日(6/6)、IDEFIX の裸眼による目視を試みました。 感想を述べます。
今までに、MIR や ISS などの目視に何度か成功していますが、いずれも 冬の
季節の12月頃の、日没後30分ほどの薄暗くなりかけた 17時過ぎのことでした。

冬と夏とでは夜空の状況が全く違いますね。冬の夜空は、凛とした凍るような
澄んだ空気の中に、星々がキラキラと瞬いています。 そのような中に MIR や
ISS を、滑らかに移動する光の点として見ることができました。昨日は、昼間
の 真夏のような気温の残像がまだ残っているような、空が モワ〜とスモッグ
と共に澱んでいるような感じで、これはダメだなと直感しました。

それと、冬の日没は 16時半頃で、その 30分後と言うと、もうほとんど真っ暗
という感じです。 昨日の日没は、公式には 18時54分JST(東京) ということで
したが、日没後 19時20分頃まで薄明るかったので、目視に適している時刻は、
東京では、19時半〜20時半頃であると思います。 太陽→衛星→観測者 という
太陽光の反射の図式からすると、21時を過ぎると太陽光の多くが地球に遮られ
てしまうように思います。

また、AMSAT-F のサイトによると、IDEFIX 本体は 20cm 四方の大きさですが、
Arianロケット4, V151 の3段目に固定されていて、ロケットの大きさは、直径
2.6m, 長さ10m ということです。 ISS の大きさは、初期には 直径4.1m, 長さ
12.5m ということでしたが、その後の宇宙空間における建設から、現在は両翼
100m ほどの大きさ(未確認)になっているのではないでしょうか? この大きさ
の観点からも、IDEFIX の反射光を 裸眼で目視するだけの光度等級が得られる
のかがよくわかりません。

というわけで、この時期に IDEFIX を目視できるのは、台風一過の大気が非常
に澄んだ時で、雲一つなく地上光の散乱もない、しかも衛星が東方の海上沖を
通過するような、極めて条件の整った時でないと難しいように思います。今回
JH4DHX/3大谷さんが IDEFIX を目視できたというのは、このような条件の好い
時で、大変にラッキーであったと言えると思います。

ところで AMSAT-F のサイトに、「IDEFIX にオスカーナンバーが付与された」
という記述がありました。

  CU1 ... BO-47 (Breizh SAT-Oscar-47)
  CU2 ... BO-48 (Breizh SAT-Oscar-48)



Date: Sat, 08 Jun 2002 00:00:01 +0900
From: JH4DHX/3  大谷
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11912] Re^:IDEFIXの目視に成功!(BO-47, 48)

脇田さん、皆さん、

> 私も 昨日(6/6)、IDEFIX の裸眼による目視を試みました。感想を述べます。

日本の何処かで、同時刻に同じ人工衛星を追いかけているということは、非常に
意義深いことのように思います。そのような対象物としては、太陽・月・流星、
それらに加えて、夜空を飛翔する人工衛星くらいに限られてしまいますので....

> この大きさの観点からも、IDEFIX の反射光を 裸眼で目視するだけの光度等級
> が得られるのかがよくわかりません。

イリジウム衛星のフレア予測を中心に、人工衛星の目視観測について詳細な情報
を提供しているサイトがあります。

http://www3.justnet.ne.jp/~annie/

この三島氏のサイトには、全国で目視が可能と思われる 200個ほどの人工衛星に
ついて、その軌道予測情報がありますので、ぜひ目視観測の参考にして下さい。
ここにある情報によると、IDEFIXの平均予想光度は +3〜4等級ということであり、
主要都市において肉眼でも見えそうな衛星の一つとして位置付けられています。
ちなみに ISSは、マイナス1.5等級というデータが出ています。

【注:以下、三島氏のHPから引用】
----------------------------------------------------------------------------
 Satellite      lengs. Num.   ID      incl. Peri.  Apog.  SMag.  mag1  mag2
----------------------------------------------------------------------------
 IDEFIX/ARI 4 R   8.0  27422  02021B  98.7  790km  807km  4.0 v   3.4   3.5
 ISS             20.0  25544  98067A  51.6  382km  391km  0.5 d  -1.5  -1.5
----------------------------------------------------------------------------

 ※ mag1 = 近地点の平均予想光度  mag2 = 遠地点の平均予想光度


> JH4DHX/3大谷さんが IDEFIX を目視できたというのは、このような条件の好い
> 時で、非常にラッキーであったと言えると思います。

確かに、周到な準備をしても必ず衛星が目視できるとは限らないので、そういう
点では、非常にラッキーだったのかもしれません。肉眼で目視可能な限界光度は、
+6〜7等級程度 とされていますので、これと比較すれば IDEFIX にはまだ「余裕」
があるはずです。

しかし同様に重要なのはその背景の状態であって、光のコントラストが十分強く
なければ、いくら衛星が太陽からの反射光を放ったとしても、残念ながらその光
は地上において識別できないことになってしまいます。 いわば、光のS/N比も、
目視をするうえで大変重要な要素だということになりますね。



Date: Sat, 08 Jun 2002 19:58:45 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11915] IDEFIX flare web site

衛星目視観測に関する外国のサイトとしては、次が有名ですが、
  http://www.heavens-above.com/

日本にも、これだけ内容の充実したサイトがあるとは知りませんでした。
  http://www3.justnet.ne.jp/~annie/

さっそく管理者の方に挨拶メールを送ったところ、丁寧な返信と質問を受け
ましたので、JH4DHX/3 大谷さんの目視レポートを転載させていただきました。


Kazuhisa Mishima wrote:
> IDEFIX に注目が集まっているんですね。
> たぶん,4等級あたりで見えるのではないかと予想しますが,
> 実際にご覧になった方は,どのようにご報告されていましたか?

(転載)
Date: Wed, 05 Jun 2002 23:58:25 +0900
From: JH4DHX/3
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11905] IDEFIXの目視に成功!

皆さん、JH4DHX/3@大谷です。

今夜 21:26過ぎからのパス#464で、ようやくIDEFIXの目視観測に成功しました。
大阪では、このところ夜になると上層雲の出現と靄の発生があり、なかなか衛星
の目視がしくい状況が続いていました。今夜は、北からの風が割と強く吹いてい
たので、靄による地上光の散乱の発生も少なく、目視をする上で好条件となって
いたようです。

今夜のIDEFIXは、最大仰角が43度と、かなり高い位置を通過するパスでしたが、
東の空ほぼTCA通過の21:34頃から衛星が見え始めました。目視には 8倍の双眼鏡
を用いましたが、衛星は、琴座のベガの少し上を比較的速いスピードで北の方向
へと飛翔していくのが確認できました。

光度は思ったほど明るくなく、裸眼では一寸見付けるのが困難という印象を受け
ました。もっとも、太陽光の反射条件にも大きく左右されることでしょうから、
光害の少ないところならば、裸眼でも十分目視は可能だと思います。ちなみに、
今回の位相角(太陽−衛星−観測者のなす角度) は、48度から125度の範囲だった
ということもあり、こうしたことも比較的衛星を見つけ易かった一因となったよ
うに思います。

これで、0〜2までの受信レポートの条件が揃いました。CU1は このパスでも大変
力強いダウンリンクを発信していました。まだまだ元気に頑張ってるって感じが
します。今後CU1が完全に送信を終えた時点でQSLを請求しようと思っています。


Kazuhisa Mishima wrote:
> それと,IDEFIXってカタカナで書くとすれば,
> なんと示せばいいのでしょうか?(^_^;)

衛星IDEFIX からは、電波によるテレメトリ信号と同時に 音声信号も発信されて
います。それによると、フランス語で 『イーディーフィックス』 と発音してい
ます。 日本語で、「初志貫徹」 という意味だそうです。

この言葉の由縁とともに、その他の IDEFIX に関する全ての情報について、次の
URL に索引を載せてありますので、そこから各記事を検索してみて下さい。

  http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr329.htm


Kazuhisa Mishima wrote:
> 横浜こども科学館の近くなんですか。あそこも,アマチュア無線クラブ
> を持ってましたよね。 プラネタリウムご担当の○○さんは,私よりも
> もっともっと人工衛星にお強い方ですよ。

「横浜こども科学館」の担当の○○さんからは、個人的にメールをいただいたこ
ともあります。「横浜こども科学館」のホームページは、人工衛星に関するわか
りやすい解説があることで有名ですね。

  http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/satellite2.html
  http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/index2.html


Kazuhisa Mishima wrote:
>>貴殿のサイトを、JAMSAT および私の HP において、もっと PR しても
>>よろしいでしょうか?
> 
> なかなか仕事の忙しさに追われて HP の管理もままならない状態なので
> すが,よろしければよろしくお願いいたします。

今回は、いろいろとご助言をありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。



Date: Tue, 11 Jun 2002 03:07:05 +0900
From: JH4DHX/3
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11938] Re: IDEFIX flare web site

脇田さん、皆さん、

> 日本にもこれだけ内容の充実したサイトがあるとは知りませんでした。
> http://www3.justnet.ne.jp/~annie/

IDEFIX に限らず、他にも目視可能な人工衛星が沢山あることが、理解できると
思います。 夜になっても暗くならない都会の空でも案外、見つけ易い衛星も多
いようですね。

> さっそく管理者の方に挨拶メールを送ったところ、丁寧な返信と質問を受け
> ましたので、JH4DHX/3大谷さんの目視レポートを転載させていただきました。

了解しました。
このサイトでは、秒単位で衛星の動きが正確に捉えられているので 事前に時間
及び AZ/EL 等のパラメータを合致させておけば、かなり精度の高い目視観測が
可能だと思います。

> 明日以降、この件に関するもう少し詳しい報告記事をここに掲載いたします。
> 参考まで。

どうも、お世話になります。
こうしたことが、アマチュア無線と天文の分野とを結びつける 一つのきっかけ
となってくれれば、幸いです。


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