深大寺城

概説 水生植物園の一部に「東京都指定旧跡深大寺城跡」(昭和3年3月指定)があります。深大寺城は、扇谷上杉朝定が、室町時代の天文6(1537)年、北条氏綱に奪われた江戸城を取り戻し、玉川以南の地に勢力を挽回するために、古城を再興したものと考えられています。深大寺城跡は、台地を空堀で掘り切った3つの郭で構成されており、小規模でも、土塁や空堀、土橋、削平面(腰郭)、櫓台、急崖などを備えており、これらがよく残っておりました(昭和34〜37年、発掘調査)。現在は、土橋や土塁、空堀の一部を復元していますが、埋設保存のために覆土をして残しています。また、発掘された掘立柱建物跡の一部を六方石で表しています。[現地掲示板内の張り紙より]
II郭西側の復元堀土塁
    その他の写真
  1. I郭-II郭間の堀と土橋(堀と右手II郭側土塁は復元)
  2. II郭南側の復元土塁(正面の森はI郭)
  3. III郭西側の空堀跡
訪問記[2002/11/17]休日の関係でどうしても休園日と重なってしまいなかなか訪れることができなかったが、ようやく来ることができた。『図説中世城郭辞典』の八巻図(1984)、復元図(調査時実測図および本田昇図(1974)を参考)と比較するとI郭周囲の土塁以外の堀土塁は復元された部分が多いようだ。I郭北側土橋〜北西端櫓台〜西側空堀(QuickTimeMovie-580KB-12秒)の手前の土塁もそうだろう。I郭南側の犬走下にある竪堀を渡るのは危険だった(崩れて渡れなかったので遺構保存のために無理をしなかったと言っておきましょう)。
所在地東京都調布市深大寺町字城山。城址の主要部は『都立神代水生植物園』内になっている。入り口は分かりずらいが、深大寺門前道路の「多聞」というお店の看板のところ。開園は9:00〜16:30だと思いますが、一応、確認してからお出かけ下さい。駐車場はないので周辺の有料駐車場(700円)をご利用下さいとのこと。
参考書『図説中世城郭辞典』