今回紹介するのはホースマン970です。 中版のテクニカルタイプのカメラです。 レンズは交換式ですが
レンズボードごと交換します。 ピントはピントグラスで合わせますが、距離計によっても合わせることが
できるようになっています。 ピントはレンズボードを前後させて調節しますが距離計との連動はレンズボード
の前後の動きを特殊な形をしたカムで左右の動きに変換して行っています。 このとき使用するレンズによって
このカムも交換するようになっています。 またそれぞれのレンズごとに異なる無限遠の位置まで正確に
引き出すために、それぞれのレンズごとの停止位置にレンズボード止めがついています。 しかしボディー
は全金属製でかなりの重量がありますので手持ちでの撮影は相当の重労働です。 また三脚を使用しての
撮影ではピントグラスでしっかりピントを合わせる方が合理的であると思われます。 そして画面サイズ
はブローニーフィルムを使用し6x9cmまたは6x7cmになります。サイズの変更はフィルムバックの交換で
行います。 このカメラは国立の某研究所で使用していたもので写真のようにフラッシュガン、そして
本体および付属品を収納するケースが付いていました。 研究所では35mmサイズでは不充分であると考えて
中版サイズのカメラを導入したのだと思いますがどのような撮影を行っていたのでしょうか。 現在の私の
感覚では通常の撮影では35mmで十分であり大きなサイズが必要な場合は4x5版で撮影します。 最近では
中版のオートフォーカスカメラもありますが中版のテクニカルカメラはいかにも大げさという感じがします。
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