今回のカメラはCANON III-Aです。 写真のとおりいわゆるバルナックタイプのカメラです。 キャノンのバルナックタイプというとCANON IVSbが有名ですがIV型との大きな違いはフラッシュシンクロがIII型には無いということです。 この時期に日本をはじめ各国でバルナックタイプのカメラが作られていますがキャノンの場合はデッドコピーではなく独自の工夫も見られます。 とはいうものの外見上はライカと非常によく似ています。 キャノンの特徴はファインダーにあると思いますが、ライカでは距離計とファインダーの接眼窓が別々になっているところが一眼式となっており距離計とファインダーは一体化されています。 これは戦後キャノンがII型を製造し始めて以来この一眼式ファインダーを採用しています。 ただ後のカメラと比べて接眼窓がとても小さくフライトフレームも無いのであまり見やすいとはいえません。 しかしII型の後期型以降に採用された3段階に視野倍率を変更できるファインダー変倍機構は巧い工夫だとおもいます。 これは本家ライカよりすぐれているといえます。 III-A型の発売は1951年ですがこれはライカIIIfが発売された年でもあります。 資料によればこのときセレナー50mm f1.8付の価格は70,000円だったそうです。 これは当時としてはかなりの値段だと思われますが国産機としてはかなりの高級機であったようです。
使用感ということになるとどうしてもライカとの比較になってしまいますが一言で言うと”ズッシリと重い”という感想になります。 シャッター音もけっこう響きます。 フィルムの装てんもライカとまったく同じで裏ブタは無く底ブタをはずす方式なので非常にやりにくく慣れないと時間がかかります。 しかしライカのレンズはもちろん世界中のいわゆるLマウントのレンズを使うことができます。 写真のカメラは秋の中古カメラ市でレンズ付で求めたものですが実ははじめてクラシックカメラというものを買った記念すべき第一号でした。 レンズ交換式カメラを買った以上当然交換レンズが欲しくなりましたが35mm F3.2と100mm F4を買いました。 よほど稀少なレンズでなければライツのレンズに比べて安く数量も多く出回っているので手に入りやすく助かります。 初めて買ったクラシックカメラですがその後に増殖してしまったカメラのジャングルに埋もれてしまった感じであまり活躍する機会がありませんでしたが”初心忘れるべからず”でたまにはフィルムを入れて連れ出そうと思います。 |