地下鉄丸の内線 分岐線の旅

「赤車両」引退、南米へ



営団(正式には帝都高速度交通営団といいます。帝都ですよ・・)地下鉄の丸の内線は
銀座線に次ぐ歴史のある路線で戦後最初に開通しました。開通は昭和29年、初めは、
池袋からお茶の水までの開業でした。この路線は都心の地下鉄では珍しく、トンネル(当たり前)
・築堤や高架線・鉄橋などがあり、茗荷谷-淡路町間は風景を楽しめる路線です。
そのため映画の中で、せっかく地下鉄に避難したのに、地上を走ったために怪獣に食べられて
しまった人々も多くありました。そんな地下鉄丸の内線の旅、今回はその中で東京の地下鉄の
ローカル線、分岐線(中野坂上-方南町間)のご紹介です。


この線、中野坂上から荻窪行きと別れ、進みます。
中野坂上駅は、新宿から新規開業した西新宿駅の次、乗り換えやすく設計されており、
この分岐線の3両編成の電車は中の線に入り、両方のドアが開き、双方向から階段を経ずに、
乗り換えられるようになっています。ここは昭和36年に開業しました。
この一帯、新宿からのオフイスの流れと、昔ながらの商店街と住居が混在する地域です。
次の駅は中野新橋、その次の中野富士見町間は500m程度しかありません。
この中野富士見町には車庫があり、実はこの線の大きな目的の一つでもあります。
次は終点の方南町、車庫の関係で中野富士見町までは同時開業でしたが、ここは昭和37年の
開業です。 この駅は行き止まりで何かしら終着駅の風情が漂う駅になっています。


この方南町駅から徒歩15分くらいの所に(京王井の頭線西永福徒歩10分)和田堀公園があります。
ここは善福寺川沿いの公園で、この善福寺側沿いはずっと緑地帯になっており、
周囲の公園と合わせ、バードサンクチュアリになっています。
都内ではめずらしく、カワセミが生息しているそうです。

蚕糸公園1 

また、戻って中野坂上乗り換え2つめ、東高円寺駅前には蚕糸の森公園があります。
ここは農林省蚕糸試験場の跡地で香りのよい花を集めた香りの散歩道や滝や池やせせらぎなどを
あしらった、公園になっています。


さて、地下鉄の話に戻ります。
この支線に平成8年7月18日まで旧タイプの車両が走っていました。
車両2
みなさんもよくご存知の、あの赤くてシルバーのぐりぐりが入った車両です。
他の地下鉄線とは違った斬新な赤い車体は、(今でもレトロしているものの、なかなかです。)
時の帝都高速度交通営団の総裁が欧州旅行中に、英国製たばことロンドンバスを見て提案した
デザインだそうです。今回の最後の18両の引退で完全に東京の営業路線からは姿を消しますが、
中には開業当初からの40年以上走り続けた車両もあり、まさに定年で引退といったところです。
この東京の40年間はまさに高度成長のまっただ中、それを見届け終わっての引退です。
さてこの車両の一部はアルゼンチン・ブエノスアイレスの地下鉄で第2の人生を送ることに
なりました。現地では一級品として大歓迎されているそうです。
南米は日本にとっても関係の深いところです。是非末永くがんばって欲しいものです。
車両3新旧の出会い


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