ロシア物語【モスクワ編】

2004年07月14日(水)「大理石の地下鉄駅(帰りはこわい)」
 プーシキン美術館を出て間もなく時計に目をやると午後4時半、2時間もあればゆっくり戻っても充分だとソロバンをはじきました。 実は当日、モスクワを離れる日だったのです。集合時間は午後7時でした。

 ところが帰りはどこをどう間違ったのか、頭の中で路全図を見ながらの計算が巧く働かず、反対方向へ行っては戻る。 行きつ戻りつを繰り返すばかりでどうしてもプラットホームから抜け出せない。確かに往きはスムーズに事は運ばれたのに。

 迷い始めると気分はあせる。ロシア文字はさっぱり。周囲の人に路線図を見せて「ここに行きたい」と言うのに、間違ったことを教えてくれる。 あっという間に2時間は過ぎて集合時刻は迫り、体は汗ばむ、私は泣きたいほど窮地に追い込まれました。 間に合わないと置いていかれる!情けなさより恐怖でした。

 ようやくメトロ「キタイゴーラト駅」の文字に出会いホットしました。その時、集合時刻30分前でした。

2004年07月14日(水)「大理石の地下鉄駅(往きはよいよい2)」
 これまでにヨーロッパの鉄道駅をたくさん見てきました。これほど構内に力を入れたのをみたことがありません。 そう言えばウラジオストクの駅舎内もきれいでしたけれど。

 写真をパチパチ撮っている私を尻目にモスクワッ子は、地下深く吸い込まれるような速度で動くエスカレーターで、大勢出入りしていました。 そして、私はもう一つの目的地「プーシキン美術館」を目指してメトロ「クロポトキンスカヤ駅」で降り、素晴らしいコレクションに酔い、 出発駅のメトロ「キタイゴーラト駅」に戻ることになりました。

2004年07月14日(水)「大理石の地下鉄駅(往きはよいよい)」
 「モスクワの地下鉄駅は大理石で出来ていて素晴らしいのよ」と、以前モスクワを訪れたOさんがその体験談を話してくれました。 それなら一目見ようと出かけることになりました。

 ところで、私はもともと方向音痴、大の地下鉄嫌いなのです。どこの国へ行っても地下鉄は避けて通りました。 一旦地下に潜ると、方向を全く失うのです。それでも「大理石」の魅力には勝てませんでした。

 出かける前にYさんから、「一つずつの駅に下車して、それぞれの美しさを堪能したんですよ。」と聞いたからたまりません。 自由時間もたっぷりあるので、『モスクワ・メトロ(地下鉄)路線図』を片手に、一駅ずつ体験していきました。 噂に違わず、いずれも美しい装飾が施され、しかも個性的なのです。一駅ひと駅特徴があり、思わず感嘆の声をあげました。

2004年09月10日(金)「白鳥の湖エピローグ」
 今日、チャイコフスキー作曲「白鳥の湖」の曲を聴いてみました。 CDの解説によると1876年4月に全曲が完成。1877年2月20日に初演が行われたようです。

 曲は、作品20(ハイライト)「情景(第2幕)」、「ワルツ」、「4羽の白鳥の踊り」、「ハンガリーの踊り(チャールダーシュ)」、 「情景(第4幕)―終曲」です。

 目を閉じて場面を思い起こしながら聴いていると、あのときには踊りに集中していたせいか、 曲がこんなにもストレートに耳に届かなかったことに気づきました。 踊りと曲とが一体となって表現されていたんだなと、改めてバレーの素晴らしさに気づかせてもらいました。『発売元日本コロンビア』

2004年07月12日(月)「白鳥の湖」
 その日の市内観光を終えた私たちはあわただしく劇場へ急ぎました。チケット購入から、車の手配までガイドのスラーバさんがやってくれました。 なにかとツアーの皆さんに不評だった人ですが、とにかく時間内の仕事はバッチリ遂行していました。

 私たちの席は前列から4番目の中央で最高の場所です。40ドルでこんなにいい席です。 今までに何度も聞いた曲、白鳥の湖がオーケストラボックスから聞こえてきました。ドラマもすべて知っています。

 舞台で踊るバレリーナたちの表現力には背景の素晴らしも相まって感動が込みあげてきました。 特にプリマ・バレーリーナの踊りは、白鳥の喜びや悲しみが私たちの心の中にまで染み込んで感情が揺さぶられ、思わず涙しました。

 素晴らしいの一語です。みんなも同様、感激の嵐で拍手がなかなかなりやみませんでした。

2004年07月12日(月)「白鳥の湖プロローグ」
 Tさんの提案でバレーを観劇に行くことになりました。手を挙げたのはYご夫妻とOさん、私で4人、提案者のご本人とで合計5人となりました。

 願ってもないチャンスです。バレーのメッカ、モスクワのボリショイバレーを観ることができれば最高の幸せです。 みんな、そわそわしてチケットを買いに直接ボリショイ劇場へ行くことになりました。 それはチケット販売の時間(多分午後6時まで)がとっくに過ぎていたことでもあるのですが。

 やっとみつけたボリショイ劇場です。若者たちが前の公園でくつろいでいましたけれど、なんだかひっそりしています。 この時間(午後8時)ならまだ人がいても良さそうなのに。

 全員で訳も分からぬロシア語で書かれた垂れ幕を読み始めました。どうやら7月、8月は休演で、9月からの公演の出し物が書かれているようでした。 がっかりしていると誰かが他の劇場でやっているのではないかと言い出しました。 こんな経緯で隣にある「青年劇場」で「白鳥の湖」を鑑賞することになりました。

2004年07月12日(月)「赤の広場・クレムリン」
 ガイドのスラーバさんと目の前の赤の広場を歩くところから市内観光が始まりました。 私たちがニュースでよく見ていた、ソ連軍が物々しく武装して行進していた所です。今は嘘のように平和な感じで私たち観光者を迎えてくれました。

 「赤の広場」とは、共産党の旗印ではなく「赤=美しい」の意味で名付けられたのだそうです。知りませんでした。 聖ワシリー寺院がその広場をさえぎるように建ったままでした。これをソ連時代邪魔になるから移動させようと考えたそうですが、この寺院は奇跡を起こして、 国の危機を救ってくれたと、ロシア時代からのジンクスがあり移設を免れたのだと聞きました。

 ナポレオンの侵攻しかり、ヒットラーの侵攻をも防いだロシアの守り神、あのソ連時代でさえ、この寺院のイコンを携えてドイツと闘ったのだそうです。 「ライフ人間世界史・ロシア」を少しずつ読み進めていますが、見てきた歴史的な背景が読み取れて、ロシアが少しず理解できそうです。

2004年07月11日(日)〜14日(水)「巨大迷路とはこのことです」
 それはとてつもないほど、大きな大きなホテルでした。 (どこかで聞いたような、そうロシア童話“おおきなかぶ”)ガイドにルーム・キーをもらってから、自分の部屋探しをするところからつまずきました。

 到着の夜のワシリースキー・レストランも大探し、エレベーターが何カ所もあり、しかも各階につながっていないのです。 これは運良くドクターTと出会い、無事時間内に滑り込みました。そこにはまだ誰も来ていませんでした。

 ホテルは箱形で東西南北に出入り口があります。ホテル内の廊下はあちこちで途切れてしまい、行ったり来たりうろうろしていました。 下手に中を歩くより、一旦外に出てから方角を確かめて入った方がよさそうなくらいでした。

 “一事が万事”こんなことで、いつの頃か日本でも流行った“巨大迷路”をロシアホテルで体験しました。

2004年07月12日(月)「赤の広場の真ん前に」
 とうとうモスクワ駅(ヤロスラヴスカヤ)に到着。ホームは天蓋もなく、だだぴろ〜ぃ。街中にすぐ飛び出せる。 というより、トラムの停留所という感じの駅でした。そして頭頂駅です。

 現地で出迎えてくれたガイドの車でロシアホテルへと向かった。モスクワ川のほとりでしかも真ん前に「赤の広場」が、これも又広々と出迎えてくれました。 モスクワを象徴する建造物の「聖ワシリー寺院」が目の前に、「これでは迷子にならないぞ」と誰かが興奮気味に叫んでいました。

2004年07月13日(火)「イコンについて」
 ロシア正教の修道院ではイコン(聖者像)が壁一面に描かれています。そして聖者はその絵の下に眠っているのです。 実際、イコンって何だろうと出合うまでは考えていましたが、こんなにひしめくほど壁一面に描かれているとは思いませんでした。

 西側のヨーロッパ各地でみた教会と違って、規模も小さく、こぢんまりとしています。 イコンの他にシャンデリア以外は装飾物がないのですから、大きくする必要はないのでしょう。

 そして、十字の切り方も違い、縦方向は同じですが横方向は右から左へ向かうのです。 女性は頭髪を覆うようことを求められ、男性は反対にそのままで脱帽を求められました。

2004年07月13日(火)「祈りの姿に熱く」
 「トロイツェ・セルギエフ寺院」の中に案内されました。これまでにも沢山のロシア正教教会に入りましたが、 ここでは信者の邪魔にならないように注意を受けました。じっとたたずんでイコンを眺めていると、大勢の祈りの歌が聞こえてきました。 その中で粗末な身なりの、若いひとりの男性が床にひざまずいて、一心に祈りを捧げている姿が目に留まりました。

 その姿がとても神々しくて、その祈りがこちらにもじい〜んと伝わってきました。 ツアー仲間の男性Yさんも「祈る姿に感動して涙があふれました」と語っていました。そう、そのYさんの感動が私にも連動してきました。

 人間の祈りの深さに触れ、尊敬の念さえ抱きました。決して人の祈りを犯してならないとを学びました。

2004年07月13日(火)「世界遺産、セルギエフ・ポサード」
“トロイツェ・セルギー大修道院の建造物群”見学
 今回、モスクワでのオプショナル・ツアーでした。 参加を迷っていましたが、世界遺産だというので、是非見ておこうかなと思って行ってみることにしました。

 『モスクワから71キロメートルの郊外にあって、ロシア正教の一大聖地です。 トロイツェ・セルギエフ大修道院、トロイツキイ寺院(1422年)、ドゥホフスカヤ寺院(1476年)、ウスペンスキイ寺院(1559-85年)、 などの建築物の調和が美しい。・中略・セルギエフ・ポサードの風景はロシアの原風景としてロシア人にとっても精神的な聖地ともなっている。後略』 と紹介されていました。

 本当に調和の取れた、美しい建造物群でした。その中に、モスクワ宗教大学、神学校があり、食堂へ案内されたのですが、 外部には美しい彫刻が施され、内部もイコンや華麗なシャンデリアがかかり圧倒されました。

 聖堂の地下から水が湧き出て建造物が崩壊しそうになったので、その水脈を外部にひき「聖なる水」として信者に親しまれ、 次々とペットボトルへ汲んでいる人で混んでいました。私もその水を手ですくって飲んでみました。 舌にじりっとする味を感じましたが、美味しいとまではいきませんでした。この水飲み場もまた美しい建造物でした。 『』内はJIC旅行センター編より。

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